ドラッグクイーンのオネエさん。このサイズの差、ヤバイ!(笑)

どすこい! 旅人マリーシャです!

日本では女性が相撲の土俵に上がってはいけないかどうかで物議を醸(かも)していますが、そういえば旅中にも女人禁制の場所があったっけ。

ミャンマーのチャイティーヨーでは、やっと神秘の岩・ゴールデンロックに辿(たど)り着いたというのに、男性しか触っちゃいけないって目の前でお預けくらって切なかったな~。オネエの方々はどうなっちゃうのよぉ~ってさ。

そんな伝統的なしきたりが残る一方、世の中ではLGBTやセクマイなど性の多様性への理解も深まってきています(LGBTとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーなど性的少数派のことで、セクマイもまたセクシャルマイノリティーのこと)。

日本でも今月末からLGBTの祭典「東京レインボープライド」が開催されますが、先月、オーストラリアでは世界最大級のLGBTの祭典「マルディグラ」が40周年を迎えました!

オーストラリアでは昨年末、同性婚が認められたこともあってダブルでおめでたい状態。盛り上がる様子をひと目見たいと私、行ってきちゃいました♪

シドニーの街中がマルディグラ仕様に!

首都シドニーに着くと、ゲイの聖地として知られるオクスフォードストリートは、メインとなるパレードの何日も前からピンクののぼりやレインボーの旗がヒラヒラと。昼間からランニング姿の筋肉と筋肉がキスをしたり、パブではデートを楽しむヒゲとヒゲが乾杯していた。

マルディグラのビッグスポンサーであるオーストラリアの大手銀行は、ATMを七色に光るクリスタルのようなデザインにチェンジして「ATM」の文字が「GAYTM」に! 開催セレモニーがタウンホール(市役所)で行なわれるのも驚きだけど、犬がピンクになってたり木々が虹色のブリーフはいてたり、街をあげての祝賀ムード、どんだけ~(笑)!

なんだかワクワクしてきた私もピンクのワンピースを着て、フラミンゴのカチューシャを購入したら、パレード見学の準備は万端よ~♪ 友人宅のベランダから見ようと企んでいたけれど、デートだからとフラれたので、2時間前から場所取りして最前列ゲットだぜ!

大手銀行ANZのATMがGAYTMに!

犬もピンクでマルディグラ!

パレード前からゲイの聖地オクスフォードストリートは大盛り上がり!

レズカップルがゲイカップルにちょっかいを…

ブォンブォン~! ダイクス・オン・バイクスというレズビアンの姐さんたちがバイクのエンジンをふかしながら現れると、ついにパレードがスタート。

観衆が一気に沸き上がり、エレクトリカルパレードさながらのフロート(山車)や、派手な仮装をした人々が行進を始めた。個性的なパフォーマーや、きらびやかに着飾ったドラッグ・クイーン、性別、年齢、人種、国籍、宗教、職業など関係なく、実に様々な人たちが練り歩く。

お尻やおっぱい丸出しの人もいたけれど普通に溶け込んでいて、解放感に満ちあふれた姿や生き生きした表情はシンプルに素敵!

豪華な仮装や音楽で盛り上がるパレード

美女軍団やイケメン軍団

歌が激ウマな婦人警官!そしてDJをする警官! これがホントのDJポリス!

私の隣で見ていたゲイカップルが歓声をあげて楽しんでいると、そこにレズビアンカップルが参戦。彼女たちはすでにでき上がっている様子で、ひとりがゲイカップルにちょっかいを出し始めた。初めは馴れ馴れしく話しかけているだけだったが、だんだんとレズがゲイのお尻を触ったり、キスをしたりと執拗に迫る!

「えええ、ちょっとこれ、どういう状況!? パレードどころじゃなく隣が気になるんですけど(笑)!」

私はしばらく状況が掴めずにいたけれど、そうか、レズカップルのひとりはバイセクシャルね…! しかし、これはもう性別とか関係なしにただのセクハラよ~。ゲイカップルも初めは苦笑いでかわしていたが、あまりにしつこかったので、ついに「Nothing  is  nothing!」と少しだけ声を荒げ、事なきを得た。セクハラはいけませんね…。

そんなちょっとしたドラマを横目にしながら、パレードはぶっ通しで4時間、約200ものグループが盛大に盛り上げ、性の多様性をアピールした。

マルディグラを楽しむ皆とマリーシャ

カワイいお菓子の仮装のゲイカップル

街中にはウェディングドレスを着たゲイカップルも見かけたが、人々はどう思っているんだろう。シドニー在住っコに同性婚について聞いてみた。

「同性婚が認められてから結婚した人もいっぱいいると思う。ハネムーンに行ってきたとかいう話をよく聞くし。まぁ、オーストラリアは今までもパートナーっていうグレーゾーンが確立してたから、自分たちで結婚式したり指輪したりはしてたけど、やっぱり本人たちは公に認められたことが嬉しいと思うし、書類の上でも何かと権利が変わるだろうから、そこが大きいよね! 一部、反対派もいるけど、ほとんどの人が喜んでいるよ

1978年、まだLGBTに偏見があった時代から40年経った今、オーストラリアは“LGBTが住みよい国”と言われるようになった。一方で世界ではイスラム圏をはじめ同性愛をタブーとする国も多く、ムチ打ち100回とか死刑の国だってある。

日本は徐々に寛容になってはいるとはいえ、まだまだ“LGBT後進国”。競技スポーツでの公平性や温泉やトイレでどちらに入るかなどLGBTを取り巻く議論はこれからいろいろと必要となってくるだろうな。

いろんな立場の人が皆ハッピーでいられる世の中になりますように…!と思った虹色の夜でした。

NAS(ナショナルアートスクール)で行なわれていた、1978年に始まったシドニーのマルディグラの歴史を振り返るアート・イベント

まだLGBTに偏見のある時代の写真。ビートルズのような風貌の男たちがデモしてる姿や、警察とモメている姿などが展示されていた

【This week’s BLUE】青い羽根と青く光るスニーカーが目立ってたこのふたりにベストカップル賞を送りたいと思います!

★旅人マリーシャの世界一周紀行:第182回「107ヵ国を訪れた旅人が“一番住みたい”と思った国は?」

●旅人マリーシャ平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、SサイズモデルとしてTVやwebなどで活動中。スカパーFOXテレビにてH.I.S.のCMに出演中! バックパックを背負う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】