「パンをパンで挟むという暴挙」「なんでこれを挟んだ?」「狂気の沙汰!」
4月1日、“カレーパン”を“食パン”で挟んだ「カレーパンサンド」が東北6県限定で発売され、ネット上で話題となった。一体なぜ、こんな荒業を? 発売元のフジパンに聞いてみた。
「台湾で揚げたパンをパンで挟んだものが売られていて、それが発想の原点です。こういう変わったものが日本で受けるかどうかやってみようということになりました」
―なぜ東北限定?
「それは提案した従業員が仙台工場の人間だったからです」
―SNSなどで話題になったことで売り上げも大幅アップした?
「注目していただけたので、当初の予想よりは相当…。現在は量販店さんからもたくさん発注をいただいています」
―となると、全国販売も?
「パンは毎月30品くらい新商品が出て、同じくらいの数が終売になっています。そして、9割以上の商品のライフサイクルは2ヵ月程度。新商品が出ると試し買いはするけれどもリピートが少ないというのは、どこのパンメーカーも同じです。ですから、もう少し売れ行きを見てみないとなんとも言えません」
東北以外の人が入手できるようになるのは、まだ先のようだ。では、このカレーパンサンドを専門家はどう見ているのか?
これまでに6万種類のパンを食べたというパンコーディネーターの、ひのようこ氏が語る。
「フランス人に焼きそばパンを見せたら『パスタをパンで挟むの?』と驚かれたくらい、欧米人から見ると日本の惣菜パンは特殊で多様です。例えば、刻んだタクワンが入った『サラダパン』、『ちくわパン』、『みそパン』など有名なものがたくさんあります。ただ、今回のカレーパンサンドはパンをパンで挟んだところが斬新。こうなるとアイデアが無限に広がりますよね。今後、こうしたユニークなパンが増えるのが楽しみです」
また、これまでに1万種類以上のパンを食べてきたというパンマニアの片山智香子氏も、「パンをパンで挟んだものはこれまで見たことがない」と驚きを隠せない。
「神奈川県横須賀市にはご当地パン『ポテチパン』がありますが、ここまでくるとなんでもありな感じですね。ただ、カレーパンサンドの人気も東北でしか買えないということが大きいと思います。今はご当地パンブームなので、その流れが追い風になっているのでは。これをきっかけにもっと面白いご当地パンが出てくると思います」
東京でも最近は、のり弁当の具材をパンに挟んだ「のり弁ドッグ」が話題。“ご当地特殊パン”がこれから大流行するかも!?