大正製薬の「健康チェッカー」。血糖値やコレステロール、中性脂肪など14項目の数値をチェックできる

どんな病気でも、かかる前に予防するのが最もいい方法。それなのに健康診断となると、つい足が重くなってしまう。

しかし、最近の健康診断は手軽で安くなっているのだ! そんな最新の健康診断事情を紹介する。

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最低でも年に一度ぐらいは健康診断を受けるべき。そんなこと言われなくてもわかっているけど、「なかなか行けてない」という人は多い。特に最近では働き方も多様化し、会社員だからといって必ずしも定期健診を受けられるとは限らない。そして一度行かなくなると「面倒」が先に立ち、さらに足が遠のく悪循環に陥ってしまう。

ところがここ数年、そんな面倒くさがりにもうってつけの検診サービスが誕生している。なかでも目立つのは「検査キット」だろう。多くの種類が販売されているが、どれも基本的な流れは、

(1)インターネットや薬局で検査キットを購入(2)自宅で血液や唾液などの検体を自分で採取して郵送(3)郵送、電話、メール、Webサイトなどで検査結果を確認する

というもの。つまり、自宅にいながら、さまざまな検診を手軽に受けられるわけだ。わざわざ病院まで出向き、長時間待たされるイライラから解放されるだけでもありがたい。では、どんな検査キットがあるのか具体的に見ていこう。

まずは、大正製薬の「健康チェッカー」。自宅で採血し、検査センターへ郵送すれば、血糖値やコレステロール、中性脂肪など、普通の医療機関と変わらない14項目の数値をチェックできる。検査結果は、郵送にて医師のアドバイスがついた「結果シート」が送られてくるほか、Webでも確認可能。希望者には3日後に携帯に速報も届く。価格も税抜7600円と手頃。ベーシックな検診キットといえるだろう。

「医療機関の採血と同等の検査精度で検査結果が得られます」と同社の広報。「ただし、医療機関と測定方法が違うため、同じタイミングでも数値が異なる場合がある」とのこと

検査項目は同じく14だが、それより価格が抑えられているのがKDDIの「スマホdeドック」だ。その名の通り、スマホやパソコンでの利用に特化。申し込みはもちろん、検査結果の確認もWebのみで行なう。スマホ一台ですべて済んでしまうのが現代的だ。

申し込みから結果の確認まですべてスマホやパソコンで終了。多くの自治体や健康保険組合などでも導入されている。「一般的な静脈採血での検査結果と比較しても同等の検査精度であると評価されています」と同社の広報も胸を張る

腸内環境を検査できる「マイキンソー」

販売されている種類の豊富さで群を抜くのは、日本医学の「郵送健診キット」。「メタボ+生活習慣病検診」「大腸がん検診」「肺がん検診」「糖尿病検診」など9種類の検査キットが発売中。検査項目を絞ることで価格が抑えられ、より精度の高い検査結果も期待できる。体全体ではなく、気になる病気について検査したい場合は、この手のタイプを選ぶのが正解だろう。

9種類の検査キットが発売中。検査キットによって採取する検体も血液や尿などと異なる。特定の病気の検査だけに精度の高さが期待できる

尿を採取し、郵送することで自分の栄養状態を知るという一風変わった検査ができるのがユカシカドの「ビタノート」。タンパク質やビタミンなど、人体に欠かせない15種類の栄養素の過不足を評価し、食事改善のアドバイスや不足分を補うテーラーメイドサプリを届けてくれる。必要な栄養素も摂取量を守らなければ体調不良を招くのは当然のこと。忙しくて食習慣が乱れていたり、外食が多い人には特にオススメだ。

健康に必要不可欠なタンパク質、ビタミン、ミネラルなど全15種類の栄養素の過不足をチェック。栄養面から健康をサポートするための検査

体調管理といえば、最近注目されているのが“腸内環境”。善玉菌、悪玉菌、日和見菌(中間の菌)がどのようなバランスで腸内に存在しているかが体の好不調に大きく関わっていることがわかってきたのだ。そんな腸内環境を検査できるのがサイキンソーの「マイキンソー」。腸内細菌の構成比率をはじめ、便秘と下痢のタイプ判定、肥満と関わりがあるとされる菌の比率などを知ることができる。何度ダイエットしても失敗する原因は腸内にあるのかもしれない。

腸内フローラと生活習慣アンケートのデータを基に便秘と下痢のタイプ判定や腸内細菌の構成比率を判定。肥満に関わりがあるとされる腸内細菌の比率もわかり、ダイエットにも役立つかも

★精子の状態も自宅でチェック! 最新健康診断事情【後編】

(取材・文/井出尚志[リーゼント]鈴木晴美)