高級感の演出や席幅を広くするなど、2005年から約10年をかけて全店舗を改装。 高級感の演出や席幅を広くするなど、2005年から約10年をかけて全店舗を改装。

1978年1月に創業した「カレーハウスCoCo壱番屋」(通称「ココイチ」)は今年で40周年! 

誤解を恐れずに言えば、「ココイチ」のカレーの味は“普通”である。だが、2013年1月には国内・海外合計1305店舗となり、カレーチェーンの店舗数でギネス世界一に認定!(2018年2月現在では1453店舗)。

そんな普通のカレーが、なぜここまで愛されるようになったのか!? 「ココイチ」の歴史をひもときつつ、そのナゾに迫る。

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「カレーハウスCoCo壱番屋」を運営する壱番屋の広報・浅井佳会さん、「ココイチ」の魅力を教えてください。

「当社のカレーのウリは、まずソースがビーフ、ポーク、ハッシュドビーフ、甘口ポークから選べること。辛さは1辛から10辛まで指定でき、実は3年前からは甘さも1甘から5甘まで指定できるようになっています。ライスの量も200gから100g単位で増やすことができます(割増料金あり)。そして忘れてはいけないのがトッピングの豊富さ。今では約40種類のトッピングを自由自在にプラス(別料金)できるんです」

自分流にカスタマイズするのが「ココイチ」の醍醐味(だいごみ)!

「ただ、その100人100通りのカスタマイズが可能なのは、当社のカレーソースだからこそだと考えております。言ってしまえば、当社のカレーは特徴がないのが特徴。そもそも創業者(宗次徳二[むねつぐ・とくじ]氏)の奥さん(直美夫人)が作る、ごく一般的な家庭のカレーが原点ですからね。インドカレーやネパールカレーなどは特徴があり、もちろんおいしい。

ただ、日本人が毎日食べるとしたらどうだろうか、と。そして、結局日本人の口に合うのは普段家で食べる、なんでもない普通のカレーなのではないか、との結論に至ったそうです。だから当社のカレーはいろいろなトッピングと合わせやすいし、トッピング同士がケンカすることもないんですよ」

なるほど。「ココイチ」誕生前に創業者夫婦は喫茶店を営んでおり、そこで出していた奥さまのカレーが起源だというのも有名な話ですね。

「おっしゃるとおり、1974年に創業者夫婦が開業した喫茶店のカレーが好評で、それを受けて1978年にカレー専門店として『カレーハウスCoCo壱番屋』を開業したという歴史です。店名は『ここが一番や!』という思いに由来しています。けれど、この話はあまり知られていませんが、実は創業者夫婦は喫茶店の前は不動産業をしていたんですよ」

当社のカレーの味をまねることは、どうにかすればできる

え…飲食、全然関係ない!!

「喫茶店を開業後、帰り際に『ごちそうさま』と喜んで帰っていくお客さまを見て接客業の魅力に目覚めたそうです。ですから、お客さまに真心からのおもてなしをしていれば絶対に大丈夫だという信念を持っていたそうですし、当社は社是に『いつもニコニコ笑顔で、キビキビと動き、ハキハキと受け答えする』という接客の心得を記しているんですよ。

正直、他店が当社のカレーの味をまねることは、どうにかすればできると思うんです。ただ、40年間、愚直にこだわってきた接客サービスの質まではまねできない。だから今の『ココイチ』があると考えています」

サービスといえば、数々のコラボを実施してきており、コラボ相手のファン心理をくすぐるようなサービスで話題になることも多いですよね。

「現在は5月31日まで『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』とのコラボを実施しています。スプーン型の武器を装備した特別仕様のシャア専用ザクⅡ(ガンプラ)などが景品で、コアなガンダムファンから大変好評です。SKE48さんとは何度もコラボさせていただいており、反響も大きかったです。

ちなみに一番高価だった景品は、昨年春に行なった『ルパン三世』とのコラボでのFIAT 500。ミニカーとかではなく、本物のFIAT 500です(笑)。抽選で1名さまにプレゼントしたんですが、応募総数20万件以上となり、驚きましたね。当選された方が偶然にもルパンも『ココイチ』も大好きな方だったので、そんな方にルパンの愛車をプレゼントできてこちらとしてもうれしかったです」

◆実は辛さと甘さは別ベクトルだった! 『週刊プレイボーイ』22号(5月14日発売)「みんな大好き!! CoCo壱番屋 カレーなるヒストリー」では、他にもココイチをこよなく愛する漢、プロレスラー・棚橋弘至のインタビューも掲載! 是非お読みください。

(取材・文/昌谷大介 森井隆二郎 増田理穂子[A4studio])