お笑い芸人やサッカー日本代表選手も発症した急性肺塞栓症 お笑い芸人やサッカー日本代表選手も発症した急性肺塞栓症

ガレッジセール川田の休養で話題となった"急性肺塞栓症(きゅうせいはいそくせんしょう)"。死に至ることもあるこの病気は元気で若くても突然襲われることがあるという。実際の闘病体験談からその予兆や症状、予防法を学んでいこう。

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6月8日、お笑いコンビ・ガレッジセールの川田広樹(45歳)が急性肺塞栓症で休養を発表。いわゆる「エコノミークラス症候群」といわれるこの病気、過去には2002年日韓W杯直前に日本代表のエースFWだった高原直泰(当時23歳)も発症している。

昨年4月の熊本地震の被災者が、避難所生活や車中泊のなかで発症した例もあり、病名はそれなりに知られているけど......いったいどんな病気なの? 北青山Dクリニックの阿保義久院長に聞いた。

「血液循環のなかで、特に脚の血管の中になんらかの原因で作られた血の塊(血栓)が血流に乗って心臓を経由し肺動脈に飛び、詰まらせてしまう(塞栓する)ことにより発症する病気です。肺動脈が急激に詰まって血流が遮断されると、肺を経由して心臓に戻る血流がせき止められて心臓が停止することもあり、死亡リスクのある疾患です

そんなに恐ろしい病気とは。でも、血管が詰まるって高齢者の病気っぽいけど20~40代でも発症するものなの?

「一般的には高齢になるほど発症率は増えますが、スポーツマンや比較的年齢の若い人など、元来健康な方にも起こりえます」

実はここ週刊プレイボーイ編集部にも34歳にしてこの病気に侵された人間がいた。身長190cm、135kgの体重からダイエットで50kgの劇的な減量に成功した経験のある編集トダだ。というわけで彼の証言をもとにこの病気の予兆や恐ろしさを知ってもらおう。

【2018年1月16日】
風呂に入るときにふと左足のふくらはぎがむくんでいることに気づくが、年末年始の暴飲暴食で太ったのだろうと思い、禁酒だけしようと誓う。

【2018年1月19日】
この日は編集部の新年会。意志薄弱なのでたった3日で禁酒宣言を破って飲酒。......が! 様子がおかしい。なんか動悸(どうき)がすごくて息苦しい。横になって立ち上がると心臓がバクバクする。

【2018年1月23日】
なんか体がだるいし、息苦しいし、動悸もするしで嫌いな病院に行くことに。近所にある内科でレントゲンと血液検査をしてもらうが異常なし。念のため血栓の異常を見る血液検査もしてもらうことに。「結果は3日後に出るから来て」と言われ帰される。

【2018年1月26日】
血液検査の結果、血栓ができたときに上がる値(D-ダイマーという)が高いと言われる。血栓はレントゲンに写らないらしく、勧められたCT検査をして内科に戻ると......何やら慌ただしい!!

診察室に呼ばれてひと言。

「肺の動脈が詰まっています。突然死する可能性もあるので、今すぐ大学病院の救急外来に行ってください」

ワケもわからず歩いて2、3分の大学病院に行くとすでに看護師が待ち構えていた。

「歩いて来たんですか!?」

と怒られすぐに車いすへ。診察室に先生がやって来て全裸に! 股間の動脈から採血されたのだが、これが痛いっ!!! この病気で一番痛かったかも。そして点滴のラインを取られ、集中治療室に運ばれる。周りは重篤な患者さんばかり。静寂のなかに機械音だけが響いていて怖かった......。

◆明日(7月13日)は、一般病棟へ移動してから現在までの闘病体験記を配信!