大都市だけでなく郊外にまで増えている24時間営業のドラッグストア。いろんな業態で営業時間の短縮化が進むなか、こんなに増えているのはなぜ? その謎に迫ってみた!!
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大手ドラッグストアチェーン「ウエルシア」が24時間営業店舗を20の都府県に150店舗まで拡大中。ほかにも「マツモトキヨシ」「ドラッグセイムス」「ツルハドラッグ」などのチェーンが24時間営業店舗をどんどん増やしている。
需要がまったくないとは思わないが、営業時間短縮時代に逆行した「24時間営業戦略」......消費者のニーズはあるの? 客層は? 何が売れるの? "24時間営業ドラッグストア"の素朴な疑問を調査!!
というわけでまずは24時間営業ドラッグストアが増えている理由をドラッグストア研究会会長・松村清氏に聞いてみた。
「"深夜の薬"に対する消費者のニーズは思っている以上に高いです。『病は時を選ばない』という言葉どおり、夜中に急に体調が悪化することも珍しくありません。救急病院へ行くほどでもないようなとき、ドラッグストアで済ませられるのは心強いですよね。小さな子供や高齢者のいる家庭にとってはありがたいでしょう」
確かにそれは安心! だけど、深夜営業を行なうコストに見合う利益はちゃんと出ているの!?
「深夜に営業して"頼れる存在"になることで、日中にも訪れてくれる常連客を確保することが可能になります。処方箋が必要となる調剤薬を求めてくれる"かかりつけ薬局"として使ってもらえれば定期的に利益も出ますから。
ちなみに、日本のドラッグストアの多くが事業モデルとしている米国最大手のドラッグストア『ウォルグリーン』の場合、8000強ある店舗のうち1500以上が24時間営業。それは、夜中にも営業している安心と信頼感から昼間の客も増加するという理由があるからです」
たとえ深夜の売り上げが少なくても、総合的に見れば利益も上がるようだ。これは消費者とお店が両方得するいい関係!
ただ、従業員が大変な思いをしそうだけど大丈夫なの?
「もちろん24時間営業店舗はシフトを3交代制にするなど、従業員の労働時間や業務量が増えすぎないように調整をうまく行なっているようです」
◆『週刊プレイボーイ』32号(7月23日発売)「ファストフード店やファミレスの営業時短化が進むなか働き方改革に逆行!! 24時間営業ドラッグストア急増の謎を追う!!」より