日本人は多くの人が「ゼロリスク症候群」にかかっている?

『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」で、"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏が、子宮頸がんワクチン推奨停止から5年になる今、予防医療について改めて考える。

* * *

ホリ 子宮頸がん予防ワクチンの「積極的接種勧奨」が停止されてから、今年の6月で5年になるね。

ひろ これってひどい話ですよね。WHO(世界保健機関)の発表でも、子宮頸がんワクチンは安全で、世界各国で効果が出ているという統計結果があるのに、日本だと副反応があるって話だけが大きく伝わって、ワクチン接種が進んでないじゃないですか。

ホリ 2015年、名古屋市が大規模な調査を行なったけど、ワクチン接種群と非接種群を比較したところ、有意差がないという結果が発表された。これは俗に「名古屋スタディ」と呼ばれてるんだけどね。

ひろ 「副反応が出た少数の例外」と「一般」の区別のつかない人っていますけど、それって「事故でたまに人が死ぬから飛行機禁止」みたいなことと一緒ですよね。科学的な結果が出ているなら、なんで積極的に推奨しないのかわからないです。

ホリ 多くの人は「ゼロリスク症候群」だからだと思う。反対派の人たちは「悪魔の証明」を求めるんだよ。つまり「副反応が100%ワクチンのせいではないという証明」なんだけど、そんなのは無理。なので、永遠にこのクレームは続いちゃう。

ひろ よくわからんです......。

ホリ 例えば、世界には「進化論を信じない人」がいるけど、同じように「統計学はインチキ」だと思っている人もいるということ。

ひろ ちょっと前に医療系キュレーションサイトの『WELQ(ウェルク)』が信憑(しんぴょう)性に問題があることで批判されて、それからは「人の生死に関わる噂を流すことは良くない」という社会になるかと思いきや、違ったんですね......。

ホリ 子宮頸がんワクチンに関していえば、一応、小6から高1までの女子は無料で接種できるようになっているし、自治体によっては公費助成されている。でも積極的に推奨をしていないんだよ。

なぜかというと、厚生官僚のポジション的には不作為の罪に問われないようにしてるから。「自己責任で受けるのは自由」という状態にして、後から子宮頸がんになった人に訴訟をされないように担保している。

ひろ 例えば、フィンランドでは、子宮頸がんワクチンを接種すると、関連する浸潤がんを発症する人がいなくなっているという結果もあるんですけど......。

ホリ 反対派は、ホルモンバランスが崩れたり、精神的に不安定になったときに起こる症状をワクチンのせいするケースが多いけど、そもそも子宮頸がんワクチンって思春期のホルモンバランスが崩れがちなときに打つからね。

★この続き、後編は明日(7月29日)配信予定

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。『これからを稼ごう 仮装通貨と未来のお金の話』(徳間書店)が発売中

●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『働き方 完全無双』(大和書房)