平成前半に大ブームを起こした、あのグッズやファッションは、今、どうなっているのか。そもそも、まだあるのか? ギャルの流行を追ってみたら、驚きの事実があった!
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ミニスカートに厚底ブーツ、茶髪のロングヘアに浅黒い肌。1995年、安室奈美恵のファッションとメイクをマネた「アムラー」が誕生した。
その後、アムラーは「コギャル」と呼ばれるようになり、98年には真っ黒な肌の「ガングロギャル」や奇抜な見た目の「ヤマンバギャル」が出現する。こうしたガングロギャルたちは世間から注目を浴び、社会現象にまでなった。
しかし、2000年になると風向きが変わり始める。浜崎あゆみの影響で、金髪に白い肌の「白ギャル」が誕生し、さらに05年にはギャル雑誌『小悪魔ageha』が創刊され、巻き髪キャバ嬢風の「アゲ嬢」が脚光を浴び始めた。
ブームから20年。すでに絶滅したかと思われるガングロギャルたちだが、実は今でもひそかに生息している。
聖地・渋谷で20歳前後のギャルたちに話を聞いた。
――いつからガングロギャルのメイクになったの?
「小学校5年生の頃から化粧を始めて、小6のときにはギャル風のメイクでツケマをしてました」(くろみ・19歳)
「中学生のときにドラマ『ギャルサー』(日本テレビ、06年)を見て、ギャルに目覚めました。周りに流されないで、やりたいことをやっているような生き方がカッコいいなあって」(ぇりもっこり・25歳)
彼女たちの語るギャルの定義は「肌が黒い」「メイクが濃い」「髪の毛が派手」。だが、一番大切なのは"マインド"だという。
「ギャルをやってると、『古い』とか『汚(きたね)ぇなぁ』って言われたりすることもあるんです。それでも世間とか常識に縛られることなく、自分がやりたいことを貫くというマインドが大事」(あおちゃん・22歳)
「例えば、彼氏の好みに合わせてギャルの外見をしていたら、それはギャルじゃなくてコスプレ。自分の意志でギャルにならなければダメ」(まーちりん・21歳)
20年前の流行を受け継いでいるガングロギャルたちだが、当時と大きく変わっている部分があるという。
「昔のギャルは、髪が色落ちするから風呂に入らないとか、道端などどこにでも座るとか、騒ぐとか非常識なこともしていたんですけど、私たちはギャルにいやなイメージを持ってほしくないから、そういうことはしない」(あおちゃん)
実は、こうしたガングロギャルたちが全国から集まり、12年にギャルサークル「Black Diamond」が結成された。そして現在は、400人を超える巨大組織にまで成長している。
さらに、今年の6月には選抜メンバーらによるユニット「Black Diamond-from2000-」が結成され、『チョベリグLucky♡Day』という曲で歌手デビューを果たしたのだ。
Black Diamondのメンバーは、街を歩けば外国人観光客に声をかけられ、写真を撮られたりすることも多い。どうやらガングロギャルは、マンガやアニメのように、日本文化の一端として海外で評価されているらしい。
平成最後の夏――。20年前に一世を風靡(ふうび)したガングロギャルが、今また時代の先端に躍り出ようとしているのかもしれない。