今年も残すところ、あと2ヶ月。そろそろ来年の準備を始めようかと気の早いことを考えている人もいるのでは? そんなはやる気持ちをより刺激するアイテムが、手帳だ。
例年、さまざまな種類の手帳が発売されるが、今年のトレンドはどのようなものなのか?
そこで、日本で最も多く手帳を扱う、生活雑貨の専門店・ロフトのプレス担当、高橋祐衣(ゆい)さんに2019年のトレンドとオススメを聞いてきたぞ!
ロフトでは現在、「ロフト手帳博 DIARY2019」を全国で開催中で、なんと4000種類450万冊を取り揃えているそう。
「今年、ロフトから発信するトレンドとしては、ふたつあります。ひとつ目は"バレットジャーナル"というものです」
"バレットジャーナル"とは、アメリカのデジタルプロダクトデザイナー、ライダー・キャロル氏が考案したもので、手帳のフォーマットのことではなく、1本のペンとノートだけで、TO DOリストのように、やらなければいけないことを管理する手帳術のことだ。
バレットとは箇条書きの頭につける記号「・」(中黒)を、ジャーナルは日記や日誌を意味し、平たく言えば、箇条書きにした日誌のこと。やるべきことや思いついたアイデアなど、とにかくすべてのことを箇条書きで書き出す。その際に、内容に応じて、それぞれに記号を付けることで、日々の予定・イベント・タスク・メモなどをうまく整理し管理できるシステム。
いまやるべきことがすぐにわかるようになり、ついつい先延ばしになっていたことが減るというメリットがある。
■まずは、記号(バレット)を付けて、タスクやイベントをどんどん書き込む!
■一日が終わると、記号を付け直し、タスクやイベントを処理する。
ほかにも、この手帳術にはページ数をつけ、目次ページを設けるなどのルールがあり、タスク・スケジュール管理以外で、例えば読みたい本のリストやランニング日誌、感銘した名言など、自分の好きな内容でページをまとめ、構成できるのも特徴だ。
「自分が使いやすいようにダイアリーを組んでいけるのが"バレットジャーナル"のもうひとつのメリットなんです。最近は自分で作ったノートをインスタグラムなどにアップする人が増えたりして、その"オリジナリティあるダイアリー"が可愛いと話題になっています」
そんなムーブメントが徐々に浸透し、ロイヒトトゥルム1917をはじめ、バレットジャーナル専用のノートが各社からリリースされている。
「といっても、ページ数や巻頭のインデックスなど最低限のフォーマットが用意されている程度。もともとは普通のノートをカスタマイズするところからスタートしていますからね。それをより作りやすくするためのノートが誕生し始めたということです」
本来は、タスク管理をすることが目的だった"バレットジャーナル"だが、最近は "いかにキレイに作るか"とか、"作ったノートを撮影してSNSにアップする"という流れができ始めているそうだ。
高橋さんが語る、ふたつ目のトレンドは、"世界にひとつ、自分だけのダイアリー"を持つことだ。
「ロフトでは今回初めて導入したもので、セミオーダーのダイアリーとなります」
これはロフトとオーダーメイドノートメーカー、ハイナインノート(東京都渋谷区)のコラボレーションによって誕生したもの。ユーザーの"こんなダイアリーがあったら"という夢を叶えるプロジェクトだ。
「ロフトの店頭でオーダーを受け付けています。表紙、リング、中紙、バンドのほか、名入れやクリアポケットといったオプションを選んでオーダーしていただきます。お届けまでは、およそ2週間程度ですね」
セミオーダーといっても、その組み合わせは膨大。高橋さんによれば「数万通りはあると思います」ということで、すでに大きな反響を集めている。
「こだわっていらっしゃるのは、色の組み合わせですね。リングと表紙、表紙と中紙など悩まれている人が多いです。表紙の素材も革と紙から選べます。中紙は無地もあるし、方眼紙もある。さらに素材も選んでいただけます。それくらいこだわっているせいか、女性だけでなく男性にも人気なんです。たとえば万年筆を使っている方などは裏写りしない紙にこだわるようです」
値段は1,900円から。世界にひとつ、自分だけのダイアリーができると思えば、決して高い買い物ではないだろう。
「バレットジャーナルにしろ、セミオーダーにしろ、ダイアリーとしての用途はもちろんですが、SNSにアップしたいという思いが最近は反映されているように思います。だからこそ"オンリーワン"のダイアリーを求めるのではないでしょうか」
ダイアリーといえば、これまではどちらかといえば"自分だけのもの"というイメージが強かったが、最近では人に見せるものに変化してきている。さて、ここで最新ダイアリーの注目作をチェック。
(1)14年連続売上1位の大定番! ほぼ日手帳
「ロフトで最も売れているダイアリーが"ほぼ日手帳"です。毎年ユーザーの要望を取り入れ、マイナーチェンジを繰り返しているんですよね。1日1ページという、日記に近いダイアリーとして支持を得てきたのですが、なかでも最近は週間タイプでノートページが200ページ以上用意された「ウィークスメガ」が高い支持を集めています。ロフト限定カラーもあるんですよ。昨年は弊社創立30周年ということでブランドカラーの黄色を作ってもらいました。今年はミントグリーンです」
(2)不動の人気を誇るビジネス手帳
「ビジネスユースで不動の人気を誇るブランドといえば、やはり"能率"と"高橋"が2大巨頭となります。ビジネスで必要と思われるあらゆる項目が網羅されていると言っても過言ではありません。デザインも最近おしゃれなものも増えています。表紙のカラーなどカジュアルな雰囲気のものも人気です」
(3)プロジェクト進行と日々の予定を1冊2役で管理できる手帳
「これは個人的にもオススメです。企画系の仕事をされている方などに適しているのではないでしょうか。長期的なプロジェクトの予定(工程)を書き留めるページと、毎日の予定を書き入れるページに分かれているんです。そして、スケジュールページ用とプロジェクトページ用で手帳の上下にインデックスがついており、それぞれがめくりやすくなっています。プロジェクトを書き入れるページは、全体のスケジュールを俯瞰する時に見やすいですよ」
(4)オン/オフダイアリー
「両面が表紙になっており、2冊の月間スケジュール帳が合体しています。使い方は人それぞれで、"ビジネスとプライベート"でも、"自分と家族"で分けても良いのではないでしょうか。アイデア次第で可能性が広がるダイアリーです」
(5)スケジュール付きノート
「ノートの合間に、月間ブロックのフォーマットを挟み込むことでカスタマイズできるダイアリーです。めくる手間なくスケジュールを確認出来て、ノートに割り当てるページ数を自由にコントロールできるのが最大のポイントですね」
(6)とっても細いスティックダイアリー
「細く、見開きで1週間の予定を書き入れるダイアリーです。予定だけ書いて、持ち歩きたい方に向けたものですね。最近、フリーアドレスの会社が増えているということで、オフィスに自分専用のスペースがない方もいらっしゃると思います。このサイズならデスクにおいても邪魔にならないし、たとえばノートPCの手前において作業もできます。昨年から登場したものですが、販売開始早々から大きな反響があったダイアリーです」
(7)月間と週間が同時に確認できる!
「グリーティングライフというメーカーがリリースしている"モーメントプランナー"やユナイテッド・ビーズの"ジョーゲバーチカルタイプ"は月間と週間のように、複数の時間軸で予定を俯瞰できるフォーマットになっています。ページをめくってそれぞれの予定を確認するというストレスから解放してくれます」
今年も残すところ、あと2ヶ月。自分にマッチする手帳を見つけて、2019年、快適なスタートを切ろう!
※今回紹介した手帳の値段に、消費税は含まれていません。