マゾカフェの怪しい地下で手錠をかけられてみる......

「SかMか──」

と言ったらアナタは何を思い浮かべますか?

洋服のサイズ? ジュースの大きさ? いえいえ、そうじゃないでしょう。「SかMか」と聞いて思い浮かべるのは絶対に、「サドかマゾか」の話でしょうよ!

というワケで行ってきました。ウクライナのリヴィウにあるマゾカフェ「Masoch-cafe」へ。

ウクライナのリヴィウにあるマゾカフェ

日本でもSMバーなどというジャンルのお店は聞いたことございますが、ここはカフェ。なんか爽やかね。

私は宿友の阿部さんを無理矢理引き連れて、中へずずいと入っていきました。赤黒いライトアップが怪しげな、レンガ作りの店内。すると突然、

「ピシッ!」「痛ぇっ!」

阿部さんが鞭で叩かれました。ウクライナ美人に。美人と言っても女王様のようなSM嬢系ではなく、いたって普通の女のコ。コスチュームは想像とは違い、特段セクシーとも言えない、白シャツ黒パンツに赤い太目のベルト。強いて言えば、キュっと締まったベルトが胸下まであり、「アンナミラーズ」風に胸を強調してるかな。

「マリーシャ、オレ、Mじゃないんですケド......」

私はそんな阿部さんを無視し、さらに地下の暗闇へと進んで行った。

ウクライナ美人からの、いきなりの愛の鞭怪しい地下では何が行なわれているのだろう

レンガ作りの空間には、パイプ素材のカウチが置かれ、天井から手錠や首輪がぶら下がっていた。テーブルに座るとメニューは普通であり、とりあえずビールを頼む。めんどくさそうな接客はS的な演出であろうか。

再び、阿部さんは鞭で雑に叩かれた。

「痛ぇって!」

「阿部さん、代わりに私が叩かれましょう!

私が名乗り出ると、メガネっ娘がニッコリと笑い、優しく何度かお尻を叩いてくれた。キャーッ(笑)!

メニュー。壁のオブジェが気になる......

盛り上がってみたものの、おやおや、あんまり痛くないぞ。どうやら、女性客に手荒なマネはせず、容赦なく鞭を振り降ろすのは男性客にだけのようだ。

店内には男性スタッフもいたが、彼らは特にSM作業をすることもない様子。私はどうせならそっちにも叩かれてみたかったけど、

「俺は男に叩かれたらキレる」

阿部さん、付き合わせて悪かったね......。

私はひとりでガチャガチャと手錠や首輪を付けて遊んでみたが、こんな場所で自身の嗜好にエンジンがかかるわけもなく......。

ちなみに私イニシャルはMですが、SかMかで言うとN。ニュートラル(中立)かな。でも、痛いのヤダし、叩かれるよりかは叩きたいかも......?

手錠や首輪をつけて遊んでみる

結局、雰囲気だけの至ってソフトなSMカフェかと物足りなささえ感じましたが、隣の部屋をこっそり覗くと、あらヤダ!

上裸の男性が目隠しをされて椅子に座らされ、それに対面して、目隠しをされ手を縛られた女性がひざまづいているではないですか。裏メニューがあるのだろうか、カップルが店員さんのアシストのもと、なにやらカフェにしては少しハード目の愉しみ方をしているご様子でした。

「阿部さん、帰ろう」

私たちはハイヒールに入れられた伝票をつかみ、店を後にした。

隣の部屋のカップルハイヒールに入れられた伝票

ところで、この「マゾ」という言葉、自然に使っているけれど、どこから来たのか知っていますか?

マゾカフェの店の入口には男の銅像が飾ってありました。彼はザッヘル・マゾッホという19世紀後期のオーストリアの小説家。『毛皮を着たヴィーナス』などの作品で"身体的精神的苦痛"を"性的快楽"と捉える嗜好を表現していて、本人にもその傾向があったそう。

それを精神科医クラフト・エビングが「マゾヒズム」と名付けたそうで、つまり、マゾという言葉は"マゾッホ"の名前が由来。彼が現ウクライナのリヴィウ出身だったことから、この街にマゾカフェができたんだとか。(ちなみに、サド=サディズムも同精神科医の造語で、フランスの侯爵マルキ・ド・サドの名前に由来する)

興味津々にポケットを覗く子供

こうしてSとMの歴史を知り、改めてマゾッホさんの銅像を見ていると、気付けば、通りすがる人々が彼のポケットを覗いていくではないか。はて?

私も同じようにこっそりのぞいてみると、そこにあるのは......!

良い子は見ちゃダメ! いや、男ならみんな持ってるものだからいっか?

観光客はこのポケットに手を入れて写真を撮るのが定番だそうだが、私は撮り損ねてしまったので、いつかこのポケットに手を入れにリヴィウへ再訪しなければ......?

マゾッホさんのポケットから見えるものとは......?【This week's BLUE】
マゾカフェの車椅子用の呼び鈴が、マゾとは全く関係ないラブリーなイラスト。

旅人マリーシャの世界一周紀行:第208回「飲めよ、万能鉄ワイン! 燃えよ、火あぶりコーヒー! 食べよ、脂肪の塊サーロ!」

●旅人マリーシャ
平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、SサイズモデルとしてTVやwebなどで活動中。スカパーFOXテレビにてH.I.S.のCMに出演中! バックパックを背負う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】

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