今回試乗したフォレスターAdvanceは309万9600円(税込)

見た目が先代のイメージを継承しまくりなので、パッと見だと進化がわからない。それが昨年フルモデルチェンジしたフォレスターの印象だが、中身は激変。箱根の峠に引っ張り出してその実力を試した!

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■フォレスターをワインディングで試す

スバルが誇るクロスオーバーSUV、それがフォレスターである。初代モデルの登場は1997年。気がつけばスバルの北米市場を支えるモデルにまで成長した。

現行モデルとなる5代目は昨年7月にデビューした。初期受注は月販目標2500台の5倍を記録。さらにフォレスター人気を加速させたのが、昨年9月に遅れて投入されたモーターアシスト機能付きパワーユニット「e-BOXER」搭載の新型フォレスターAdvanceである。e-BOXERとは、要するにマイルドハイブリッドを搭載したモデル。

スバルは新型フォレスターの主軸となるモデルを2.5リットルのガソリン車だと踏んでいたが、半数以上のユーザーがe-BOXERを選び、結果、生産が追いつかないという、うれしい悲鳴が上がっている。

ということで、人気の秘密に触れるべく、箱根・芦ノ湖スカイラインへと向かったわけだが、実は新型フォレスターの3サイズがハンパなくて、全長4625mm×全幅1815mm×全高1715mmとけっこうな豊満ボディなのだ。が、首都高、東名と走って感じたのは乗り心地のよさと快適さだった。しっとり滑らかで、しなやかなのだ。

新型フォレスターのプラットフォームはインプレッサ、XVに続く、「SGP(スバルグローバルプラットフォーム)」の第3弾。新型フォレスター用に最適化されたものだ。パワートレインは2リットル直噴の水平対向4気筒(FB20)にモーターを内蔵する。コイツにリニアトロニック(CVT)を組み合わせるパラレルハイブリッド。内容的には先代のXVハイブリッドに搭載されたシステムを刷新し、実に電気部品の9割を新規開発しているのだ。

ロープホール付きのルーフレールはオプション設定されている

SI-DRIVEを「I」にしてスタート。e-BOXERは発進時にサッと走り出す。続いてSI-DRIVEを「S」にすると電動モデル感が顔を出し、力強い加速となる。芦ノ湖スカイラインのようなワインディングではマジでテンポよく走ってくれる。ちなみにペダルの踏み込みをセーブすると、モーターのみで走ることも可能だ。

コーナーにおける動きもハンパない。すんなり気持ちよく曲がってくれるのだ。自分の運転技術が劇的に向上した? そう錯覚してしまうほどよく曲がってくれる。

気になる先進安全装備だが、全グレードにスバルが誇る「アイサイト・ツーリングアシスト」が標準装備されている。さらにスバル車として初の採用となる「ドライバーモニタリングシステム」をAdvanceに設定。

このドライバーモニタリングシステムとは、ドライバーの脇見運転や居眠り運転を推定して注意を促すもの。また、事前にドライバーの顔を登録すると、顔認証で判別、シートのポジションやドアミラーの角度、ドライバー好みの空調設定などを自動調整してくれるのだ。まさに至れり尽くせりで、なるほど、人気も納得だ。

ただ、贅沢(ぜいたく)を言えば、もう少しとがったe-BOXERにも乗ってみたいとも思った。そう思っていたら......1月13日に閉幕した東京オートサロンにフォレスターSTIコンセプトが出展された! しかも、このフォレスターSTIコンセプトのベースはe-BOXERを搭載したAdvanceグレード。マジで注目の一台だ!