『週刊プレイボーイ』で「激ウマ!! バカレシピ研究所」を連載中のB級フード研究家・野島慎一郎(のじま・しんいちろう)さん。
今回の"バカレシピ"は、チキンラーメンどんぶりの「とろふわかきたま」のみを使用した「コスパ完全無視! とろふわかき卵焼き」!
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【今回の食材】
・チキンラーメンどんぶり×12個(1箱)
野島 NHKの朝ドラ『まんぷく』、はやってるよなぁ。
助手 チキンラーメン開発者を題材にしたやつですよね。
野島 そうそう。このブームに乗らない手はないので、今回はチキンラーメンどんぶりを1箱(12個入)買ってきました。
助手 ウハッ。今日はチキンラーメン祭り! ほんとに「まんぷく」になっちゃうッスね~!
野島 では助手くん、12個全部フタを開けて「とろふわかきたま」を取り出してください。
助手 えっ! この卵がウマいのに使わないつもりッスか!?
野島 当然使いますよ。使わないのは麺のほうです。
助手 野島、正気か!! いくらなんでもチキンラーメン開発者への冒瀆(ぼうとく)だろ!!
野島 まあまあ。この「とろふわかきたま」って本当にクオリティが高くて、本物の卵以上に滑らかでフワフワの食感なんです。今回はこれを使って卵焼きを作ってみようかと。
助手 とりあえず12個分の玉子を集めたッス。
野島 そしたら全部カップに入れて、熱湯を注いでほぐしていきます。それにしても、ひとつのカップに12個の玉子が入っている画(え)はすごいな。呪文を唱えたら神龍(シェンロン)とか召喚できそうな雰囲気がある。ちょっと唱えてみるか。タッカラプト ポッポルンガ プピリット パロ......。
助手 唱えるな、唱えるな!
野島 さて、熱湯を注いで玉子がほぐれたら、フライパンで焼いていきますよ。
助手 すごい、この時点ですでにかなりフワフワ感が出てる!
野島 焼くことでひとつの固形にしていくイメージです。ちなみに全体を炒めてスクランブルエッグにしてもウマいですよ。
さあ、できたので食べてみて。
助手 フゴッ! 口に入れた瞬間、固形の卵焼きが、とろけた! めちゃくちゃフワフワのトロトロですやん!
野島 本物の卵だとここまで柔らかく作るのは技術がいるけど、これを使えば素人でも簡単にフワフワの卵焼きを作れる。醤油をかけて和風、ケチャップをかけて洋風にして食べてもいいし、砕いたチキンラーメンを付け合わせにして一緒に食べてもいい。
助手 余った麺はジップロックで保存すれば袋麺のチキンラーメンと同じだし、これはアリ!
野島 ところで助手くん、今回の経費って精算していいかな。
助手 いくらかかったッスか?
野島 送料込みで3000円。
助手 卵焼き1個に3000円! コスパ悪すぎだろ! やっぱりこれはナシだわ!!
●野島慎一郎(のじま・しんいちろう)
ライター、マンガ家、B級フード研究家。独創的な料理を続々と開発している。笑えるレシピを60本収録した『世界一美味しい「どん二郎」の作り方』(宝島社)が好評発売中