独創的な料理を続々と開発している野島慎一郎氏 独創的な料理を続々と開発している野島慎一郎氏

『週刊プレイボーイ』で「激ウマ!! バカレシピ研究所」を連載中のB級フード研究家・野島慎一郎(のじま・しんいちろう)さん。

今回の"バカレシピ"は、寒すぎる冬はこれで決まり! 一緒につまみも作れる便利鍋、日本酒を土鍋で直接温める「土鍋で直沸騰! ハイパー熱燗」!

* * *

【今回の食材】
・日本酒 900ミリリットル ・春雨 ・鍋用餅

野島 最近はすっかり寒くなったなあ。ところで助手くんってお酒は飲むんだっけ?

助手 缶チューハイとかをたしなむ程度ッスね。

野島 もったいないなあ。やっぱり寒い季節は熱燗(あつかん)が最高なんだけど、熱燗って適温が50℃らしいんだ。これ、もっと温度を上げてみてもいいんじゃないかと思って、今回は日本酒と土鍋を用意してみました。

助手 日本酒を鍋で直接温めるんスか? さすがにアルコールが飛んじゃうんじゃ。

野島 実はアルコールって沸騰させてもすぐ完全に飛ぶわけではないんです。しかも日本酒はもともとのアルコール度数が高いし、急速で加熱すればきっと大丈夫なはず。

助手 僕はあまり飲めないけど、とりあえずやってみましょ。

(1)沸かす! 熱燗の適温は50℃というが、寒い冬にはもっと熱くてもいいじゃないか。徳利など使わず土鍋に直接入れ、急速で沸騰させよう。早く沸かせばアルコールもそこまで飛ばない (1)沸かす! 熱燗の適温は50℃というが、寒い冬にはもっと熱くてもいいじゃないか。徳利など使わず土鍋に直接入れ、急速で沸騰させよう。早く沸かせばアルコールもそこまで飛ばない

野島 それじゃ早速沸騰させますよ。ウオオオオーッ、グツグツ煮立ってきたぞー!!

助手 わっ、湯気が酒クセー!! 呼吸するだけで酔いそう......。

(2)完成! 「土鍋で直沸騰! ハイパー熱燗」 (2)完成! 「土鍋で直沸騰! ハイパー熱燗」

野島 これをおちょこに入れて飲む! クアーッ!! んまいっ!! 瞬間にして酔える!! いやぁー、こりゃウマい!! ウンメエェェッー!!(グビグビ)

助手 ......待てよ。これ、ただ酒を温めて飲んでるだけじゃん! おい野島! アンタ酒を飲みたいってだけで今回の企画考えただろ!!

(3)飲む! グツグツと沸騰したらおちょこに日本酒を入れ、クイッと飲もう。一気に体が温まる! 酔いが回るのもいつもより早い気がする。瞬く間にご機嫌だぜ。今夜は最高の気分だ! (3)飲む! グツグツと沸騰したらおちょこに日本酒を入れ、クイッと飲もう。一気に体が温まる! 酔いが回るのもいつもより早い気がする。瞬く間にご機嫌だぜ。今夜は最高の気分だ!

野島 失礼な! これからが本番ですよ。いい感じに気分がよくなってきたら、土鍋に春雨も投入しちゃいます。ソイヤッ!

助手 うわわっ、味つけもしないで春雨を煮込むなんて......。

(4)カスタム! テンションが高まってきたら鍋に具材を投入し、つまみを作るのも幸せ。特にオススメは春雨。日本酒を吸収した春雨をすすれば、食べているのに酔えるという新感覚を体験可能 (4)カスタム! テンションが高まってきたら鍋に具材を投入し、つまみを作るのも幸せ。特にオススメは春雨。日本酒を吸収した春雨をすすれば、食べているのに酔えるという新感覚を体験可能

野島 春雨自体は無味だからこそできるアレンジなんです。麺を食べているのに日本酒の味がして、しかも酔ってくるという不思議な体験ができますよ。

助手 ニヤニヤしながら春雨をすすってる。もう完全にヤベーやつ! 下戸な僕にはもう理解できない世界!

野島 最後は締めの料理もここで作っちゃいましょう。体は酔うと炭水化物を欲するので、鍋用の餅を使います。米が原料の日本酒に米が原料の餅を合わせる。これが米米CLUBやで。

助手 ちょっと何言ってるかわからない!

野島 鍋用の餅ならスッと柔らかくなるし、浸しているのが日本酒だから、餅本来の米の味を堪能できるんです。ハフハフッ、ああ、なんて幸せな味......。

ちなみに化調や顆粒だしを追加すれば酒蒸し風味も楽しめます。

(5)カスタム2! 小腹がすいたら鍋用の餅も入れるべし。餅も日本酒も原材料は米。意外なようで合わないわけがない。餅本来の味を堪能できる......気がする。※酔いが回っている状態での見解 (5)カスタム2! 小腹がすいたら鍋用の餅も入れるべし。餅も日本酒も原材料は米。意外なようで合わないわけがない。餅本来の味を堪能できる......気がする。※酔いが回っている状態での見解

助手 本当だ! ってアンタ!?

野島 Zzzz......。

助手 寝てやがる!! アンタもう酒飲むレシピは禁止な!!

●野島慎一郎(のじま・しんいちろう)  
ライター、マンガ家、B級フード研究家。独創的な料理を続々と開発している。笑えるレシピを60本収録した『世界一美味しい「どん二郎」の作り方』(宝島社)が好評発売中

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