アラブ人街のサルタンモスク。シンガポールはマーライオンだけじゃないよ!

中東・南イタリア・ロシアを周った後、日本に帰国した私はしっかりと充電。その間は時々、訪日する外国人のおもてなしや海外でのお手伝いなど、アテンドの仕事をしたりしていた。

先日、ロシアの美人モデルに京都を案内した際には、街中でヒジャブを巻いたムスリム女子たちがレンタル着物を着ている姿に私が驚いた。近年、マレーシアやインドネシアなどムスリムの多い東南アジアからの訪日旅行者数が増加しているため、インバウンド対策としてムスリムへの対応が活発なようだ。

京都でレンタル着物を着るムスリム女子

日本に帰国するたびに、特に東京はずいぶん外国人が増えたのを実感するが、アジアで訪問外国人が多い都市の上位と言えば、香港、バンコク、シンガポール。

その中から、今回私は多民族・多宗教の都市国家シンガポールにフラっとアウトバウンドしてきました!

シンガポールの人口は約561万人で、そのうちシンガポール人・永住者が397万人(2017年6月)。その民族構成は、中華系が74%、マレー系が13%、インド系が9%。

残りの164万人、つまり約30%は外国人。政府は2030年には移民が人口の過半数を占めると予測しているそうだが、日本人の海外移住先としても注目を集めているホットな国だ。

シンガポールといえばマリーナ・ベイ・サンズの景色

私は以前も訪れたことがあるが、中心部は相変わらず未来都市感がハンパないキラキラシティー。東京23区ほどのサイズしかない非常に小さな国であるにも関わらず、世界のセレブが集まる金融センターなのである。

世界的に有名な投資家のジム・ロジャーズ氏や、長者番付上位のフェイスブック共同創業者エドゥアルド・サベリン氏。日本人では有名音楽レーベル社長や、元有名ファンドの投資家などが在住。

富裕層が集まる理由として大きいのは、何と言っても税制のメリット。シンガポールの税率は法人税が最大で17%、所得税率は最大で22%、住民税、相続税、贈与税は非課税。移住したがる人が多いのも納得だ。

旅人の泊まる安宿はこんなとこ。カプセルホテルみたいで清潔!

さて、私のような旅人風情は節税するほど所得がないので......、旅人らしく街探索でもしますか。マーライオンやマリーナ・ベイ・サンズなどベタな所はすでに訪問済みだったので、乗車したタクシーの運転手にお勧めを聞いた。

「ブギスストリートとアラブストリートに行ったらいいさ! インド人街とチャイナタウンもあるぞ!」

教わったのはシンガポールの4大ストリートと呼ばれる、多民族の文化が交錯する異国情緒漂うエリア。

ブギスストリートにやってきた

まずは「ブギス駅」近くの「ブギスストリート」へ。ここは地元民御用達のアーケード型の商店街。

1シンガポールドル(約82円)ほどの体に悪そうな色をしたフルーツジュース屋に迎えられ、その先を覗くとごちゃごちゃと小さな店が軒を連ねていた。おもちゃのような腕時計やマーライオングッズなどの安い土産物、洋服や雑貨など、800もの店がひしめきあっている。

「あーこれこれ。なんかアジアの雑多感(笑)。タイにも似てる感じがするなぁ」

旅人には身近なエリアに思えたが、これといって欲しいものも見つからない。すぐに次のアラブ人街へ向かった。

入口で売られているジュースアーケード内はごちゃごちゃしていてアジア感が強い

歩いて5分ほどで「アラブストリート」に到着。ここは19世紀初めにアラブ系商人が移住してきたのをきっかけに、今もイスラム教徒が多く暮らすと言われるエリア。

金色の玉ねぎ型ドームが特徴のサルタンモスクが堂々佇み(冒頭写真)、それを見てなぜか落ち着いた気分になったのは、旅中によく見ていた懐かしさからだろうか。

通りはもっとエキゾチックな雰囲気を期待したものの、アラビアンぽくないピンクや黄緑などポップに塗装された建物の前で写真を撮影する人が多数。元々は巡礼者の集うところだったが、今や土産物屋が並びすっかり観光地という様子で、地元の学生たちが海外旅行者に観光に関するアンケートをとっていた。

アラブストリートのカラフルな壁で私も撮影してみる

アンケート調査をしていた地元学生と

また隣接する「ハジレーン」というエリアもカラフルなのだが、ここに並ぶのはプラナカン建築といわれるもの。

「プラナカン」とは15世紀後半からマレーシアやシンガポールにやってきた中国系移民の子孫のこと。中国文化にマレー文化とヨーロッパ文化をミックスさせた2階建てのプラナカンの建築物を「ショップハウス」と呼ぶのだそうだが、ここにあるのはそれをポップに塗装したもの。

今時っぽい洋服店や雑貨店、飲食店など、アラブというより原宿のような雰囲気で、ここでもまたインスタ映えは健在な様子。若者に人気の撮影スポットとなっていた。

プラナカン建築の並ぶハジレーンは若者が集まるオシャレストリートまるで原宿。撮影をする若者で賑わっていた
そして、歩いて10分ほどの「インド人街」へ。またしてもカラフルな建築が並んでいたが、今度はほぼ観光客の姿は見かけず、インドのスパイスやスナック菓子が売られ生活感がある。

夕方になると先程のモスクからだろうか、イスラム教のアザーン(礼拝の呼びかけ)のようなものが聞こえてきて、異文化の入り交ざる妙な感覚を覚えた。

こんなに狭いエリアの中で、いろいろな国の雰囲気を味わえるなんて不思議な国だ。

インド人街もカラフルだが観光客はおらず静か

最後はチャイナタウン......と言いたいところだが、世界各地にあるチャイナタウンの代わりに、今回は"シンガポールの代官山"と称される「チョンバル」へ向かってみた。

緑の多い穏やかな街並みの中、センスの良いカフェや書店、オシャレな雑貨店などが並び、犬を散歩する人や欧米人らしき人が目立つ。書店の横には自動販売機があり、「MYSTERY BOOK」という中身の見えない本が並んでいたが、そのカバーに寿司の絵が描かれていたのは謎だった。

シンガポールの代官山チョンバルエリアで人気の書店書店の自動販売機。どんなミステリーが......?

寿司の絵を見てたら、腹が減ってきたぞ。最後は「ホーカー」と呼ばれる屋台街で大好きなB級グルメのワンタンミーを口に運ぶと、アジアの甘辛ソースを絡めた麺がホントよく旅人の口に合う。

なんだか、すっかりただの観光客となってしまったが、もし私が富裕の民となったら移住しても良いかもしれないと思うほど、東京と変わらず楽に過ごせた国であった。

★次回更新は5月予定、久しぶりの南国エリア。秘境や立ち入り禁止となる島を目指して、旅人はどこまで行けるかな。お楽しみに!

シンガ飯で一番好きなワンタンミー

【This week's BLUE】
インド人もビックリの、とても静かなインド人街。

●旅人マリーシャ
平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、SサイズモデルとしてTVやwebなどで活動中。スカパーFOXテレビにてH.I.S.のCMに出演中! バックパックを背負う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】

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