コモドドラゴンの背中取ったぞ! 振り向くなよ~! コモドドラゴンの背中取ったぞ! 振り向くなよ~!

インドネシア旅まだまだ前半ですが、今回の旅のメインと言っても過言ではないコモド島編! 珍獣ハンター・イモトアヤコがコモドドラゴンと走ったことで、日本でも一躍有名となったあの島です!

「2020年に立ち入り禁止になる」と聞いてすぐに行かなきゃと思ったけど、最新の発表では「2021年の1年間だけ閉鎖」ってことで別に急がなくても良かった?

でも行ける時に行っとかないと一生行けないかもしれないし、「旅のフットワークは軽く!」が私の座右の銘!(今考えた)。というわけで、コモド島の玄関口となるフローレス島ラブアンバジョからレッツゴー!

前夜に予約したツアー会社のオーナーにどういうわけか気に入られた私と友人(バリ在住の日本人女子)は、勝手にプライベート船へアップグレードの約束がされていた。

ツアースタッフのお迎えで港へ着くと......、スピードボートを予約していたはずが、乗せられたのはゆっくり走るウッドボート

「プライベートにはなったけど、船はウッドになっちゃったのね。ま、コモドドラゴンに会えればなんでもいいけど!」

しかも、船に同乗するのは仲良くなったオーナーでもツアースタッフでもなく、25歳のセン君とアシスタントのアミ君・17歳のふたり。

「なんかもはや友達と遊びに行く感じだけど......、セン船長! うちらの命を任せたよ(笑)!」

ウッドボードは激しいエンジン音を唸らせて走り出した。

船に乗り込めー! アミ君の足細くて長い~ 船に乗り込めー! アミ君の足細くて長い~

まずは世界遺産にも登録されているコモド国立公園を構成する島のひとつ「パダール島」へ到着。

船を降りて、桟橋を歩くところからさっそく写真や動画を撮り始めようと、超小型ビデオカメラ(オズモポケット)の蓋を外すと......、ポーーン! キラキラキラ......!

買ったばかりの広角レンズが空を舞い、海の底へキラキラと落ちて行った!

「えええええ! マジ!! まだ何も撮ってないんですけど大ショック!!!!」

ううう、海の透明度は高く2、3m下の海底が見える。なんとなく落ちた場所がわかるような感じでもどかしいけど、諦めるか......。

パダール島に到着! さっそく広角レンズが海ポチャ! パダール島に到着! さっそく広角レンズが海ポチャ! パダール島で国立公園入園料などの支払い。写真を求められた! パダール島で国立公園入園料などの支払い。写真を求められた!

炎天下、小高い丘を登頂すると、そこはハーフムーン型の3つの青い入り江を一度に望める絶景ポイントで360度見渡せるパノラマは圧巻! 風が心地良く、パーフェクトな場所だった。

「ううう、やっぱり広角レンズでも撮りたかった! この後の旅も......。ごめん、やっぱり私、先に下山してちょっとレンズ探す! 海潜ってくるわ!

パダール島の丘の上から見える3つの青い入江は大絶景! パダール島の丘の上から見える3つの青い入江は大絶景!

広角レンズを諦めきれなかった私は、登りでまだハァハァ言っている友人を置いて、急ぎ足で丘を下った。

船着き場に戻ると、私は水着の上に来ていた服を脱ぎながら、「ねね、セン君! 緊急事態だからちょっと潜るよ? いい? 水中メガネ貸して!」

と言って、何度も何度もレンズが落ちたであろう所を目がけて素潜りをした。けれど、小型すぎて爪の先くらいのサイズしかないレンズは、海の底に沈んでいる石ころや砂利とちょうと同じくらいの大きさで、見つかるわけもない。

後悔はしたくなかったからトライはしたけれど、残念! でもやるだけやったから今度こそ諦めついた!

「てか2500円だし、また買おう(笑)!」

海から上がってハァハァ息を切らしている私のところに、友人がちょうど下山。熱中症になっていたみたいでココナッツを一気飲みしていた。ごごご、ごめん、見捨てて......。

お次は、砂がピンクのピンクビーチに行くはずのところ、似ている別のロングビーチへ連れていかれた。別のビーチでは砂の色が心配であったが、そこは十分にピンク色で、しかも他の観光客がいない4人で貸切のプライベートビーーーチ!

シュノーケルしてランチボックスの乾いたチキンをかじったら、この後はついにコモド島だ!

ロングビーチも十分にピンクの砂で、写真映えする! ロングビーチも十分にピンクの砂で、写真映えする! ランチはチキンと米と野菜。海キレイ! ランチはチキンと米と野菜。海キレイ!

コモドドラゴンは、インドネシアに生息するオオトカゲ。成長したコモドは体長3m、70kgを超える巨体で、鋭い爪と歯を持ち厚い皮で覆われている。大型哺乳類から鳥類や爬虫類までも捕食する肉食で、猛毒を持つ超危険生物!

獰猛で危険なためレンジャー(自然保護官)のトビーの引率の元、茂みの中へトレッキングスタート!

「ねぇトビー、コモドドラゴンてデンジャー?」

「YES! バイト! イート! キル!(噛む、食べる、殺す!)」

トビーは笑顔で答え、さらに続けた。

「毒もある! 60種類のバクテリアも持ってる。もちろん人も殺すし、鹿やバッファローも食べちゃうよ!」

ちょ、その割には、トビーの持つ装備は先が二股に割れた細い枝1本なんですけど、ダイジョブ......?

最近の発表では知事が、「島の閉鎖中にレンジャーの装備や保護システムの強化を図る。スマホでコモドドラゴンの位置情報がわかるようになれば、人が襲われる危険も少なくなる」と述べたそうだけれど、装備はマジで強化してくれ。

トビーの装備、先が二股に割れた細い枝1本。心細いよ~! トビーの装備、先が二股に割れた細い枝1本。心細いよ~!

「ところでトビー、コモドは鳴くの?」

「鳴かないよ。でもなんか音は出すよ。あ、いた~。コドモ、じゃなくてコモド~......

ぬるっとコモドドラゴン登場! ぬるっとコモドドラゴン登場!

全くもって緊張感のない様子でコモドドラゴンの発見を知らせるトビーだが、ついにご対面!

カルロス君と名の付いたコモドドラゴンは想像よりもずっと大きく、見た目は恐竜! 動きはノロマで、ピロ~ンと細長い舌を出す姿がかわいらしくもあるけど......大人しすぎるのがなんだか逆に怖い。

静かに見せかけておいて、近寄った隙にいつ急に時速20kmで襲ってくるかわからないという現実的な恐怖。普段ならこんな近くにまで寄れるなら触ってみたいと思うところだけど、さすがにその発想すら出てこなかった。

私は大きな木に隠れながら、スマホとビデオカメラを両手に構え、心は興奮しつつも静かに肉眼でコモドドラゴンを観察した。

ひとしきり写真を撮ると、トビーが「別のコモド~」と言って、今度はレストラン横にいる3匹のコモドドラゴン「オッパ」「トーマス」「ヘラクレス」の元へ向かった。

島内の人たちがペットのように名前を呼んでいて、その様子は野性というよりもほぼ飼われている感じに見えた。

「はて、レストランへの誘導だろうか......。きっと餌付けはされてるんだろうな......」

コモドドラゴンのキスシーン!? なんちゃって コモドドラゴンのキスシーン!? なんちゃって

コモドドラゴンを生で見物できたのはなかなか貴重な体験だったけど、小1時間でサクっとだったので正直あっけないという印象でもある。

実は、今後は保護のために入場料が引き上げられる可能性があるという。現時点では外国人観光客15万ルピア(約1200円)、国内観光客5千ルピア(約40円)だが、今回発表された金額はなんと50倍の値上げ!? 外国人観光客500米ドル、国内観光客100米ドル、ジャーナリストのみ無料、と計画されているんだとか。

一気に高くなるかもしれないので、コモドが見たいみなさん、ぜひ閉鎖前に急げ~!

【This week's BLUE】
コモド島の鹿ビーーーチ! コモドドラゴンは鹿を食べるそうだけど、鹿の絶滅は守らんでダイジョブなのか心配。

★旅人マリーシャの世界一周紀行:第228回「フローレス島ラブアンバジョの島グルメと人々の暮らし」

●旅人マリーシャ
平川真梨子。9月8日生まれ。東京出身。レースクイーンやダンサーなどの経験を経て、SサイズモデルとしてTVやwebなどで活動中。スカパーFOXテレビにてH.I.S.のCMに出演中! バックパックを背負う小さな世界旅行者。オフィシャルブログもチェック! http://ameblo.jp/marysha/ Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】

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