キラキラペンを大量に買い直したものの、書くことがなくて若干困っている キラキラペンを大量に買い直したものの、書くことがなくて若干困っている

『週刊プレイボーイ』で連載中の「ライクの森」。人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。今回は小学生時代に流行した懐かし文具について語ってくれた。

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人間が抱く数多くの感情のなかで私が一番好きな感情は"懐かしい"かもしれません。

ずっと忘れてたものを思い出したときの、あの記憶の扉がバッと開く感覚。懐かしさを感じるもののなかには、何か"自分の魂の結晶"が閉じ込められているような気がします。

そんな私が最近思い出した懐かしいものが、"キラキラペン"。インクにラメが入っていたり、書くと膨らんだりするデコレーション用のペンのことです。テレビで平成を振り返る特集をやっていたとき、1990年代の小学生がキラキラペンを使っているのを発見して、「わ、懐かしい!」と思い出しました。

私が小学生だった90年代当時は、キラキラペンが大流行していたように思います。インクがシルバーに光る「フチドール」や、パステルカラーの「ハイブリッド ミルキー」、一本のペンの中にいろんな色がまざってる「スーパーマーブル」、リップグロスのようにツヤツヤの字が書ける「アクアリップ」などなど。香り付きの「プチコロン」という変わり種もありました。

当時、私はアメリカに住んでいたので、日本に来るたびにそうしたキラキラペンを買いあさっていました。次に日本に来られるのがいつになるかわからなかったですし、「ここで買い逃したら一生買えないかも!」という思いから、新色も含めて目にしたものはすべて集めていましたね。

私のコレクション癖はここから始まったのかもしれません。あと、勉強を一生懸命やっていたのも、いろんな色のキラキラペンを使いたかったからだったのかな、と思います。たかが文房具ですが、今思えば自分の原点が詰まっている気がします。

アメリカにも「ジュリーペン」として一部が輸入されていましたが、日本のように種類は多くありませんでした。だから、日本の同世代の友達と話すと、どうも話が噛み合わないんです。

例えば、日本では黒い紙に書くのがはやっていたらしく、「すっごくインクが目立つんだよねー」と友人たちは盛り上がっていましたが、アメリカではそんなテクニックを誰も教えてくれませんでした。私はひたすら「ロディア」の真っ黄色のノートに書いていました。

ほかにも、「スーパーマーブルをライターであぶって使う」とか、「プロフィール帳をデコる」など、いくつも私の知らない裏技がありました。というか、プロフィール帳なるものの存在さえ知らなかった私は、「やっぱり日本育ちの同世代の子たちとは違うんだ......」と少しさみしい気持ちになりました。

さて、そんなキラキラペンですが、最近もさらに進化しているようです。フチドールのほかに「ラグジェ」というゴールドのシリーズが加わったり、誕生石カラーをイメージした「ティアラ」や、すごくくっきりした字が書ける「ムーンライト」など、私が子供の頃にはなかった商品が開発されていました。そうした新商品から懐かしい商品までAmazonで買いあさって持ち歩いています(笑)。

今の私の夢は、こうしたキラキラペンを多く出しているサクラクレパスに就職することですね。

●市川紗椰(いちかわ・さや)
1987年2月14日生まれ。アメリカ人と日本人のハーフで、4歳から14歳までアメリカで育つ。現在、モデルとして活動するほか、J-WAVE『TRUME TIME AND TIDE』(毎週土曜21時~)などにレギュラー出演中。タイムマシンがあったら、歴史に干渉しないなら69年に行ってロックカルチャーを体験し、干渉するなら63年のケネディ暗殺を阻止したいと決めていたが、最近は90年代の日本がいいと思い始めている

『市川紗椰のライクの森』は毎週金曜日更新!