"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。
今回のテーマはストレスについて。前編では、精神的な理由で歌えなくなった歌い手の「蛇足」が、似た症状を経験したコブクロの小渕さんに相談したエピソードを紹介。小渕さんの原因は体重の違う双子の赤ちゃんを左右の腕で抱っこしたせいで筋肉のバランスが崩れたことだったというが――。
* * *
ひろ でも、よくそれが原因ってわかりましたね。子供を抱かなくなったら治ったってことですか?
ホリ いや、抱かなくても一度崩れたバランスは、放置していたら治らないよね。
ひろ そうか。筋肉が変わっちゃってますからね。
ホリ だけど、子供を抱かなくなってからは、若干ではあるものの声が出るようになったんだって。そこで、再度歌おうとしたら、今度は自分の声を忘れてしまったらしいんだよ。
ひろ え、もともとの自分の声をですか?
ホリ そう。だから自分の声の理論を作ろうとしたの。要は昔みたいな声が出なくなってしまったから、昔の自分がどういうふうに声を出していたのかを研究し始めたんだよ。
ひろ つまり、声の出し方をもう一度、学び直すみたいな?
ホリ そんな感じかな。で、声色って口腔(こうこう)内の動かし方で変わってくることに気がついたんだって。例えば、サザンオールスターズの桑田佳祐さんの声色とかけっこう出しやすいの(『いとしのエリー』を歌う)~♪
ひろ 悪くはないです(笑)。
ホリ 俺、モノマネが本業ではないからそんなにうまくはないけど、こういう感じで雰囲気は出せるのよ。
ひろ 確かに。口の中で音をこもらせるみたいな。
ホリ そう。で、歌がうまい人のDVDとかを見まくっていたら、実は声帯の震わせ方はみんな一緒で、口腔内の動かし方で声色を変えていることを彼は突き止めたんだって。そして、それが個性になると。
ひろ 声の出し方は誰しもが決まっていて、個性は口の中の動かし方で決まると。
ホリ そうそう。だから声が出るようになった小渕さんは、最後に自分のDVDを見てコブクロの小渕の声の出し方をマネした。
ひろ コブクロがコブクロを勉強してコブクロに戻った......。なんというか、複雑(笑)。
ホリ でしょ? それで小渕さんと一緒にカラオケボックスに行って、小渕さんがモノマネタレントのコロッケさんとかがやるように、CHAGEandASKAさんや美空ひばりさんなどのモノマネのメドレーをやったの。
それが今まで見たモノマネと比べて最高で、どんなものまね王座決定戦でも絶対に優勝できるんじゃないかと思うくらいすごかったんだよ。
ひろ コブクロを辞めてもモノマネでやっていけそうな。それで、蛇足さんは治ったんですか?
ホリ うん、小渕さんメソッドを学んで治った。俺のおかげだな。
ひろ ちなみに、蛇足さんが声が出なくなったのも、双子が生まれたからとか?
ホリ いや、彼女にフラれたレベルのどうでもいいことだったはず。
ひろ じゃあ、筋肉のバランスとか関係ないじゃないですか。まあ、人によってストレスって違いますからね。ストレスをためないようにするのって、コミュ力を高めるのと同じくらい大事ですよね。
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。近著に『あり金は全部使え 貯めるバカほど貧しくなる』(マガジンハウス)
●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著に『自分は自分、バカはバカ。他人に振り回されない一人勝ちメンタル術』(SBクリエイティブ)