アンバサダーを務めている『スター・ウォーズ』展覧オープニングセレモニーのステージ裏。キャラクターがスタンバイする姿は豪華かつシュール

『週刊プレイボーイ』で連載中の「ライクの森」。人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。今回はお肉大好きだという彼女が"生肉"の名店を紹介する。

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私は幼い頃は肉が苦手で、中学生の頃は"厨二病"の一環でベジタリアンになるくらいでした。特に加工肉がダメで、ソーセージは見るのさえ苦手でしたが、当時から唯一食べたいという気持ちをそそられたのが"生肉"です。ハンバーグをはじめ、お肉大好き人間になった今も、生で食べられる肉が至上のものだと思っています。

日本では2011年に食中毒が大発生し、お店から生肉が消えかけたこともありますが、新たに行政の認定を受けて生で肉を提供する店がここ数年でかなり増えました。今では肉ずしや肉刺しは珍しいものではなくなりましたけど、最近はさらに"進化系生肉"ともいえるメニューが開発されています。

例えば、日本橋にある「バービーズグリル」と「ヤキニクバービーズ」は、両店とも生肉メニューを豊富にそろえています。特に"グリル"のほうの「揚げないひとくちメンチカツ」は、思わず「こうきたか!」と唸(うな)る新感覚の一皿。ボール状の生肉にパン粉の衣とシーズニングがかかっているだけなんですが、このなんだかよくわからないシーズニングの粉がおいしいんです。

"ヤキニク"のほうでは、薄ーく切った肉を凍らせた「フリージングツラミ」というメニューを提供しています。これも独特の食感で、舌の上にのせた途端にふわっと肉が溶けます。ルイベの肉バージョンに近いイメージですね。

末広町の「生粋(なまいき)」というお店も生肉に力を入れていて、なかでもオススメはトマトの代わりに生肉をのせたブルスケッタ。かなりざっくりめに切ったユッケに卵黄を混ぜて、バターをしっかり塗ったトーストにのせて食べると、肉とバターのハーモニーが味わえます。ただ、食べづらいので結局分けて食べがちなんですが(苦笑)。

ユッケのように生肉を刻んで調味料と混ぜて食べるタルタルステーキは、フランスではごく一般的ですが、本場の味を楽しめるのが西麻布のビストロ「ル・セヴェロ」。

"パリで最もおいしいステーキ店"といわれる名店の支店なんですが、フランスの赤身の多い牛肉で作ったトロトロのタルタルは、絶妙に味つけされた深い味。外側だけカリカリに焼いた「ステークアッシェ」もオススメです。

老舗の名物生肉もご紹介します。東日本橋の焼き鳥屋「江戸政」のつくねは、焼きでも提供してくれるものの、私は断然生をオススメします。粘っこい生の鶏肉に甘いタレとわさびをつけて食べるんですが、このわさびがいい仕事をするんですよ。江戸政は一日2、3時間しか営業しない幻の名店なので、気合いを入れて訪問してください。

また、新宿御苑の「赤ちょうちん」で食べられる肉の刺し盛りは衝撃的な一品です。ハツ、センマイ、タン、ハラミなどがおいし~いタレでぐちゃぐちゃにあえられて出てくるんです。何を食べているかよくわからなくなるんですが、いろんな食感が楽しめます。今のところ私のベスト生肉かもしれません。

ほかにも、砂肝刺しとか熟成タルタルなど変わった生肉メニューを提供するお店がちょくちょくあります。生肉は味つけが映えますし、何より食感がいい。皆さんもぜひトライしてみてください。

●市川紗椰(いちかわ・さや)
1987年2月14日生まれ。アメリカ人と日本人のハーフで、4歳から14歳までアメリカで育つ。現在、モデルとして活動するほか、J-WAVE『TRUME TIME AND TIDE』(毎週土曜21時~)などにレギュラー出演中。よくよく考えると、いろんなものが通っている動物の内臓を生で食べるって、かなり"攻めてる"行為な気がする

『市川紗椰のライクの森』は毎週金曜日更新!

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