ぱっと見で「青い着ぐるみを着た人」に見える、『スター・ウォーズ』エピソード4に出てくるグリード

『週刊プレイボーイ』で連載中の「ライクの森」。人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。今回は『スター・ウォーズ』ファンの彼女が、好きなキャラクターについて語る。

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昨年12月、『スター・ウォーズ』シリーズのエピソード9に当たる新作が公開されました。私はありがたいことにスター・ウォーズ関連の仕事をよくさせていただいているんですが、「一番好きなキャラクターは?」と聞かれたときはひとまず「ボバ・フェット」と答えることにしています。

実際は1位を選べないほど好きなキャラがたくさんいますが、ジャバ・ザ・ハットにもダース・ベイダーにも尊敬されていて、しかも28語しかしゃべらないのに存在感を放っているボバ・フェットが子供の頃から大好きです。

しかし、大人数に向けて話すとイマイチ盛り上がらないけど、個人的に好きなキャラクターはほかにもいます。そのひとりが「グリード」。エピソード4の「宇宙酒場カンティーナ」のシーンに出てくる大量の異星人のなかのひとりで、賞金稼ぎでです。

このシーンにはCGがなく、人形や着ぐるみを使ったアナログな特撮が現実と地続きの不気味さを醸し出しているとても好きなシーンです。

グリードはローディアン族という種族で、皮膚が青緑っぽいターコイズのような色をしているんですが、ぱっと見では「青い着ぐるみを着た人」に見えるんです! この出来には監督のジョージ・ルーカスも「あれ?」と思ったんじゃないでしょうか。私は味があっていいと思うんですが、ルーカスは味とか関係ない人ですからね。

グリードは話し方もすごく独特で、インカ族の言語をベースにしているそうです。異星人なのになぜか身近に感じられる理由はそんなところにあるのかもしれません。ただ、ハン・ソロを殺すためにやって来たのに、あっという間に返り討ちに遭うあたりは、「弱かったんかい!」と思わずツッコみたくなります。

このグリードについてファンの間で必ず話題に上るのが、"ハンが先に撃った"問題。最初に映画が公開された際は、グリードが撃つ前にハンが銃を撃っていたんですが、1997年公開の特別編ではグリードがハンと同時に銃を持つシーンが挿入されたんです。

「ヒーローのハン・ソロが先に撃つはずがない」という考えからの改変ですね。2004年のDVD版ではさらに修正が施されており、グリードの弾をハン・ソロが避ける動きが追加されていました。

そして最近になって、さらなる改変が施されていることを知りました。昨年「ディズニープラス」で見たバージョンでは、銃を上げた瞬間にグリードが「マクランキー!」と叫んでいるんです。マクランキーってなんぞ!?

たぶん、彼の言語で「撃つぞ」くらいの意味なんでしょうけど、ハン・ソロがレイア姫に告白するシーンで「マクランキー」って言わないかなと妄想するくらい、私の中で今ホットなワードです。

ちなみに、このカンティーナのシーンは音楽もいいんです。ルーカスが作った「ジズ」というジャンルの曲で、ジャズとカリビアンを混ぜた愉快な音楽が流れています。

満員電車の中で酔っぱらいが小競り合いをしていたり、ADさんが理不尽に怒られているような殺伐とした場面に出くわした際に、頭の中でこの音楽を流せば愉快な気分になれてオススメです。

●市川紗椰(いちかわ・さや)
1987年2月14日生まれ。アメリカ人と日本人のハーフで、4歳から14歳までアメリカで育つ。現在、モデルとして活動するほか、J-WAVE『TRUME TIME AND TIDE』(毎週土曜21時~)にレギュラー出演中。ボバ・フェットは、「こんなにカッコいい人がこんな簡単に死ぬわけがない」と思わせる死に方も好き

『市川紗椰のライクの森』は毎週金曜日更新!

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