『ゲーム・オブ・スローンズ』のロケ地マップを持って聖地巡礼だい!
スペインのカタルーニャ州ジローナ県にある小さい街ジローナ。古代ローマ時代に造られた歴史がある街で、中世の街並みが色濃く残る。
バルセロナから日帰りで行ける人気の観光地で、旅友アナにもオススメされた。
「マリー、ジローナはとってもボニート(スペイン語でカワイイ)な街よ。それに『Game of Thrones(ゲーム・オブ・スローンズ)』(以下GOT)のロケ地にもなったから、その場所を見てきたらいいわ! え? GOTを知らない? 本気で言ってんの?」
GOTはドラゴンや魔法が存在するファンタジーもので、アメリカのテレビドラマシリーズだ。2011年~19年に放送され世界中で大ヒット。第71回プライムタイム・エミ-賞では最終シリーズがドラマ部門作品賞など12の賞に輝いた。
撮影は北アイルランド、マルタ、クロアチアほか世界各地で行なわれ、ジローナはシーズン6のロケ地となっている。
私はそのドラマを全く知らなかったのだが、そういや先日アナとゴンジー(チリ人の旅友)とバルセロナのアニメショップに行った時、GOTグッズの所でふたりは大騒ぎしてたっけ。
(m-floの☆Taku TakahashiもTwitterで「海外で『このドラマを知らない人が日本にいるんだよー』って言うとビックリされます。それくらい世界的に有名なドラマ。というかテレビでやってる10時間映画」と呟いていました)
アニメショップで「鉄の玉座に座って悪そうな顔をしろ」と言われてやってみた
お菓子にもなっている。ゲーム・オブ・スローンズ・オレオ
せっかくロケ地へ行くのならばと急いで作品を見ようとしたけれど、出発直前にストーリーを全て把握するのはかなり厳しいというか、不可能だ。
だってこの作品、大長編すぎるから......! 1話につき1~1.5時間、さらにシーズン毎に10話ほどあり、ジローナがロケ地となったのはシーズン6。単純計算で60時間以上だ(さらにシーズン8まである)。
仕方ない、せめてシーズン6のトレイラーだけでも目に焼き付けていこう。するとその映像は映画かと思うほど豪華でクオリティーが高い。
映像のトーンは暗めで物々しい雰囲気。剣を交えた残虐な殺戮シーンや陰湿そうな人間の表情、あと高濃度な濡れ場なんかもあって、お、おぅ......(ゴクン)。
ストーリーはゴリゴリの王座争奪戦の話で、ショッキングなシーンの連続と、そしてとにかく濡れ場のリアリティーがすごいらしい......。「エログロ」という感想も多いが、見るに耐えないにシーンに拒否反応を示す人ですらハマってしまうほど圧倒的な世界観が作られているんだとか。制作費には1話1000万ドル(約11億円)をかけたなんて話も......!
いよいよそのロケ地を拝みに、私はひとり高速鉄道に乗り40分、ジローナに到着した。
インフォメーションでは街のマップとともに、9つのロケ地が記されたシートが渡された。よし、全ポイントコンプリートだ。
ロケ地のポイントが記されたカラーコピー
街中。カタルーニャ州独立運動で政治犯として拘束された活動家の解放や自由を求める主張がされていた
ジローナの街の中心地を流れる「オニャール川」
通称「エッフェル橋」はエッフェル塔の設計者ギュスターヴ・エッフェルが設計した
街の中心を流れるオニャール川を渡り旧市街へ入ると、ドラマとは違い明るくのどかな雰囲気の中、まず最初のポイントが現れた。
印象的なアーチと修道院の扉に続く石の階段のある「プハダ・デ・サンドメネク」。ドラマでは市場となっていて、女優メイジー・ウィリアムズ扮するアリア・スタークが窓から飛び出す、インパクトのあるシーンが撮影された場所。
過去には映画『パフューム ある人殺しの物語』でも使われたり、また毎年ジローナフラワーフェスティバルも開催されるそうで、ロケ地となる前から人気の場所。
「プハダ・デ・サンドメネク」はジローナで人気の場所
続いては、一見なんの変哲も無い路地裏の石階段。しかしそこはアリアが逃げているシーンに出てくる、ファンには刺さるポイント。巡礼者たちがうれしそうに階段の写真を撮っていた。
一見なんの変哲も無い細い路地裏の石階段だが、アリアが逃げた階段
RPGのように次のポイントを目指していく。お! あれはなんだ......!
近寄ってみるが、ドラクエ風に言うと「なんでもない。ただのかべのようだ」
そして私にとって一番印象に残った場所は、またしても階段なんだけど(笑)、盲目になり物乞いをするアリアが座っていた階段。私も彼女と同じ場所に同じように腰掛けて、演者が見ていた景色を眺めてみた。
ところでアリア役のメイジーはシリーズ放送開始時には14歳の子役だったが、今や22歳の大人の女優......、まるで『北の国から』状態だ。
盲目のアリアが物乞いをしていた階段の同じ場所に座ってみる
その後もジローナを代表する大聖堂や城壁、アラブ浴場など全ポイントをコンプリート。ジローナは街がコンパクトなので、もはや街全体がGOTテーマパークのようであった。
もしこのドラマの存在を知らなくても、私が巡ったポイントは美しい場所だったろうが、ドラマの撮影によりジローナの街にさらなる物語が生まれ、それは私たちの旅にもまた彩りを与えてくれる(なんてね)。
いつかドラマをコンプリートしてからリベンジしたいな!
ところで、やたら階段が多かったし、夢中で聖地巡礼をして、気づけばお腹が減っている。
空腹状態の私の頭にふと浮かんだのは、ここジローナでなぜかラーメン......。
そうか......、ラーメン二郎な(ジローナ)!
エキストラ約200人の壮大なシーンが撮影された「ジローナ大聖堂」
●旅人マリーシャ(旅人まりーしゃ)
平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴12年、125ヵ国訪問。地球5周分くらいの旅。コラム連載は5年間半を超える。Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】
女子2人組ユニット「地球ワクワク探検隊」としても活動。Youtube配信や国内外各地のPR活動、旅先のお酒やお話を提供するイベント「旅するスナック」を月2回、東京・虎ノ門で開催。
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