独創的な料理を続々と開発している野島慎一郎氏

『週刊プレイボーイ』で「激ウマ!! バカレシピ研究所」を連載中のB級フード研究家・野島慎一郎(のじま・しんいちろう)さん。

今回の"バカレシピ"は、安いすしでもハンダゴテで炙(あぶ)ればウマくなる「ハンダゴテの炙りずし」!

* * *

【今回の食材】
・コンビニずし ・ハンダゴテ

野島 回転ずしの炙りずしってある意味発明だよなあ。安いネタでも炙って香ばしさをプラスすることで、眠っていた潜在能力を引き出しているんだ。

助手 ナメック星の最長老さまみたいッスね。

野島 今や、すしはコンビニでも買えるけど、あれも炙ったら一段とウマくなると思うんだ。

助手 それはわかるッス。でも普通の家にはガスバーナーなんてないから難しいッス。

野島 愚か者め。ガスバーナーじゃないとすしを炙れないなんて誰が決めたんだ。

助手 確かにそりゃそうだ。

野島 そこで私はいろいろ試してみましたが、ライターはすしがオイル臭くなってダメだったし、花火は火薬臭くてダメ。

助手 どうして失敗の予感しかしない器具で試すかな。

野島 ところがコレを使って炙ってみたら、もしかしたらガスバーナーを上回るパフォーマンスを発揮したかもしれない!

助手 そ、それはハンダゴテッスか!? 本当にバカすぎる!! っていうかそれ、厳密には焼いてますから!

(1)焦がす! コンビニで購入したすし弁当と熱したハンダゴテを用意し、ハンダゴテをすしのネタに押しつけて焦がしていこう。ハンダゴテは新品もしくはしっかり洗ったものを使用すること

野島 早速試してみましょう。ほら、なぞるようにするだけですしの表面を焦がしていけるわけだ。

助手 へええ、確かに炙りになってるッスね。

(2)書く! ガスバーナーでは全体を豪快に炙ることしかできないが、ハンダゴテなら細かい作業が可能。文字を書いたり、イラストを描いた「デコ炙りずし」も簡単に作ることができる

野島 しかもハンダゴテはペン状になってるから、焦がしながら文字や絵を書くこともできる。

助手 字を書けるっていって書く文字が「バカ」とか、アンタ小学生かよ!

(3)醤油! 食器に醤油を入れたら、安全面に注意しながらハンダゴテを突っ込んでみよう。醤油の焦げたにおいが周囲に広がり、焦がし醤油を作っている気分を味わえる(味はあまり変化なし)

(4)完成!「ハンダゴテの炙りずし」

野島 さすがにネギトロとかはハンダゴテでは炙れないので気をつけてくださいね。あ、せっかくだから醤油にもハンダゴテを突っ込んで焦がし醤油にしちゃいますか。

助手 アチチチッ! 醤油がハネて危ねえ! やめろやめろ!!

(5)食べる! すしのネタをお好みの加減に焦がしたらあとは食べるだけ。炙りが足りなければ再びハンダゴテで「追い炙り」をすればOKだ。いろいろなすしを炙って食べてみよう

野島 さあ食べてみてください。

助手 ヌオッ、こりゃウマいっ! バッチリ炙りずしになってますな。もうちょっと焦がしてもいいかもしれないけど、ガスバーナーと違って手元にハンダゴテを用意しておけば気軽に追い炙りもできるし、意外とアリなのかもしれないッス!

野島 回転ずしのテーブルにハンダゴテが並べられる日は近いかもしれない!

助手 子供がたくさん来る回転ずしでそれは危険だろ!

野島 ちなみにハンダゴテ2本を箸のように使えば、すしを炙りながら食べることもできます。やけど寸前のスリルもまた調味料になりますよ。

助手 ならねーよ! 危険なことばかり提案すんな! 

●野島慎一郎(のじま・しんいちろう) 
ライター、マンガ家、B級フード研究家。独創的な料理を続々と開発している。著書『世界一美味しい「どん二郎」の作り方』(宝島社)。YouTube『のじまちゃんねる』

【★『野島慎一郎の激ウマ!!バカレシピ研究所』は毎週金曜日更新!★】