創作の漬け物入り餃子。餃子と酸味は相性抜群です 創作の漬け物入り餃子。餃子と酸味は相性抜群です

『週刊プレイボーイ』で連載中の「ライクの森」。人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。今回は、彼女がハマっている漬け物料理について語る。

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この連載でもたびたび発酵食品の話をしていますが、今、漬け物を使った料理にハマっています。発酵食品は健康にもいいですが、私は酸っぱいもの好きなので、単純に漬け物の味が好きなんです。昆布、酢、塩などの配分を考えながら、家でもいろいろな野菜で漬け物を作っています。

消化を助けるためにそのまま食べることも多いですが、寒い時期は料理の具材として使っています。オススメは、白菜の浅漬けや昆布漬けを入れる、台湾料理「酸菜白肉鍋」風の鍋。

白菜漬け、豚肉、きのこ類、春雨を入れ、甜麺醤(テンメンジャン)が効いたタレで食べます。トマトの塩漬けを入れてもおいしかったですね。同じような料理では、ロシアにキャベツの漬け物を使ったスープがあります。

すでにある料理ではなく、自分で創作してみたなかで手応えがあったのが餃子。普通の白菜の代わりに、漬け物の白菜を使ったものです。白菜ではなくミョウガの漬け物にすると、豚ひき肉の餡(あん)もさらにさっぱり食べられて、かつ味にパンチが出ました。

意外なところでは、大根の漬け物もオススメ。近年は酢とコショウで餃子を食べることが人気なように、餃子と酸味の相性は抜群です。

現在、新型コロナウイルスの影響で家にいる時間が増えていると思いますので、家族と一緒に自宅で餃子を作ってはいかがでしょうか。漬け物は免疫力を上げるともいわれていますし、いろんな食材を試してみる冒険感も楽しいと思います。いつもの餃子とひと味違う、漬け物入りの大人な味を楽しんでください。

漬け物を使った料理というと中華系が思い浮かびますが、日本の郷土料理にも漬け物を生かしたものがあります。岐阜の飛騨地方に伝わる「漬け物ステーキ」は、漬け物を炒めて卵でとじ、かつお節などを振って食べる郷土料理です。

これがお酒のアテにもぴったり。飛騨地方のご家庭には、どこも漬け物ステーキ用の鉄板があるとか。フライパンで簡単に作れるので、ぜひ試してみてください。

家で簡単に作れるものとしては、漬け物を使ったペペロンチーノもおいしかったです。鍋や餃子もそうですが、漬け汁を隠し味に使うと深みが出ますよ。作り方は、通常のペペロンチーノを作るのと同じようにニンニクと鷹の爪を炒め、そこに漬け汁と、最後に漬け物を入れてしっかり絡めます。ニンニクと漬け物の相性が良くて、違和感のない"和パスタ"が出来上がります。

普通の料理の野菜を漬け物に代えるだけでも、簡単に漬け物レシピが楽しめます。キュウリの漬け物をポテトサラダに使ったり、ほうれん草や小松菜の浅漬けを白あえにしたりと、さまざまなバリエーションが考えられます。

漬け物料理のうれしいところは、火を通す料理が、日にちがたって酸っぱくなりすぎた漬け物の使い道になるということ。自宅で漬かりすぎてしまったものとか、買いすぎて食べきれなかった漬け物をスープや鍋、チャーハンなどに使うのがオススメです。

高菜チャーハンのような感じで、ミョウガの漬け物を加えたチャーハンなんかはすごく手軽に作れるので、ぜひ試してみてください。

●市川紗椰(いちかわ・さや)
1987年2月14日生まれ。アメリカ人と日本人のハーフで、4歳から14歳までアメリカで育つ。現在、モデルとして活動するほか、J-WAVE『TRUME TIME AND TIDE』(毎週土曜21時~)にレギュラー出演中。市川紗椰初の鉄道本『鉄道について話した。』好評発売中! いろいろ落ち着いたら、漬け物を使った茅場町「牛幸」のしゃぶQ鍋や御徒町「老酒舗」の発酵白菜土鍋を食べに行きたい。公式Instagram【@sayaichikawa.official】

『市川紗椰のライクの森』は毎週金曜日更新!