緊急事態宣言が解除されて約2ヵ月がたったものの、海外はおろか、国内移動も慎重な行動を求められる現在。だからこそ、コロナが収束したら訪れてみたい場所やこんなことをやってみたいと思いをはせる「Wishリスト」を各界の著名人たちに聞いてみた。
故郷や憧れの場所、そして懐かしい思い出の場所......僕らと同じように、仕事もプライベートも制限され、"ステイホーム"を迫られていた彼ら彼女らが、"ニューノーマル時代"の旅先に選ぶのは? 第5回は、女優の井桁弘恵(いげた・ひろえ)さんが登場!
(この記事は、6月22日発売の『週刊プレイボーイ27・28合併号』に掲載されたものです)
■いげちゃんの心持ちはリアルヒーロー?
――刃唯阿(やいば・ゆあ)/仮面ライダーバルキリー役で出演中の『仮面ライダーゼロワン』が、6月21日から新作の放送が再開です。やっと、ですね。
「4月、5月と撮影がまるまる2ヵ月止まってしまい、やっぱり不安はありました。万が一私が......って考えると、現場全体に迷惑をかけてしまうことになります。だから、自粛期間はとにかく体調管理に気をつけながら、家にこもって自分自身と向き合う時間を過ごしていました」
――現場にはすんなり戻れました?
「撮影が止まった時期が、ちょうど演じる役のキャラ変と合致したんです。作品を見てない方に説明するとしたら、それまでは常にスーツをビシッと着こなすような役柄だったのが、辞表を叩きつけて組織を抜けると心機一転。監督とも相談して衣装もフェミニンなものに変えたんです」
――「刃さんが肩出しニットを着てる!」と、SNS上でも話題になっています。
「好意的に受け止めてもらえたらうれしいですね。キャラクターが変化した新鮮さもあって、今は新しい気持ちで現場に臨めています。みんなのチームワークもできてきていますし、気合いと情熱で最後まで走り切りたいと思います」
――でも『ゼロワン』が終わるまでは、プライベートな時間は取れなさそうですね。
「区切りがついたら、真っ先に故郷の福岡に帰りたいです。おじいちゃんが農家をやっていて、自粛期間中に何度も野菜を送ってもらいました。すごく心配してくれて、毎日のように電話をかけてくれたので、元気な顔を早く見せたいです」
――ほかに行きたい場所は?
「実はこの夏、富士登山を計画していました。3年前に一度、山頂まで登り切りましたが、天気が悪くてご来光を拝めなかったんです。そのリベンジをするつもりでしたけど、来年に持ち越しです。あとはインドですね。自粛期間中に『パッドマン』や『きっと、うまくいく』などのインド映画にハマったのがきっかけで、インド自体に興味を持つようになりました」
――ガンジス川に飛び込んじゃいますか!
「いやいや(笑)、そこまでアグレッシブにはなれないですけど、伝統衣装のサリーを着て、現地に溶け込んでみたいです。私の常識では考えられない、まったく未知の生活がインドにはある。全然知らない世界だからこそ、行ってみたくなります」
――故郷に戻って、富士山に登って、インドへ。目的が割とはっきりしてますね。
「確かに(笑)。この取材の最初にお話ししたように、自粛期間はとことん自分と向き合ったんです。結局、弱さばかりが見えちゃって、落ち込むこともありました。でも、これが自分なんだって受け入れることで前向きになれましたし、いただいているお仕事の重みと責任を感じることができました」
――心の持ちようが完全にヒーロー、ですね。
「『ゼロワン』が完結する8月には、自由に、皆さんが行きたい場所に行ける日常に戻っていてくれたら。そう願いつつ、私もしっかり役をやり切ります」
●井桁弘恵(いげた・ひろえ)
1997年2月3日生まれ、福岡県出身。身長170㎝。テレビ朝日系『仮面ライダーゼロワン』に出演中。女性ライダーがレギュラー出演するのは同シリーズ初の試み