引き続き「#おうちたび」と言うことで、昨年の旅の続きをお届けしたいと思います。
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つ、ついにキターーー! 今回の旅は北スペインがメインだったわけなんですけど、実はもうひとつの目的地があったんです! それは、ずっと狙っていた、ア、ア、アイスランドー! 愛すランド!!(テンションの上がりっぷりがヤバイ)
北大西洋に位置する北欧の島国で、北海道をひとまわり大きくした感じを考えるとイメージしやすい? 人口は約36万人と新宿区より少し多いくらいで人口密度はとても低い。
「氷と火の国」と呼ばれ氷河と火山が特徴的で、冬はオーロラ、夏は白夜、そして間欠泉、露天風呂ブルーラグーンなど、絶景と雄大な大自然がいっぱいの旅人たちを魅了してやまない国なんです。
しかし、物価はスイスに並んで世界でもピカイチの高さ!(GOBankingRatesより) よく言われるのは、食事は5千円なんてザラ。鉄道がなく交通手段も不便で、旅をするにはツアーか車。レンタカー代やガス代、宿や食事などを考えるとバジェットタイプの旅人にはなんともハードルの高い国なのだ。
そんなわけで、アイスランドは旅をシェアする「仲間」が必要なのだが、今回はなんと日本から、このバックパッカー的な旅に参加してくれるという心優しきナオミちゃん(旅が大好きなきれいなお姉さんであり、ガチの旅人ではない)が来てくれました! 女神っ!
おかげでこれまでなかなか手をつけられなかったアイスランドについに入国! 今回の旅では最後の国となり、125ヵ国目を迎えます!
さて、首都レイキャビクの空港で無事合流した私たち。最初にやるべきことといえば「空港の免税店を有効活用」。物価や税金の高いこの国で旅するための必要知識である。私たちは小瓶のワインを5本ずつ買い込んだ。5本1500円と安い。よし、1日1本のペースかな。
空港から街へは立派なバスがあるが、その横にはレンタカーの受付もいくつか。そこにはアイスランドで夏休みを過ごそうとやってきたリッチそうな旅行者たちが並んでいたが、バックパッカーらしき者も少し。
私は彼らに「レンタカーのシェアメンバー探してない?」と果敢に声をかけた。すんなり断られたが、私の姿を見てなおみちゃんは口をあんぐり。
「マリーシャ、さすが旅人だねぇ......」
「ナオミちゃん、今回はバックパッカー的な旅でハードだと思うけど、よろしくね!」
物価は高いといえど探せば安宿はあり、ドミトリーで1泊1500円ほど。宿に行けば仲間なんてすぐに見つかるだろうと安易に考えていたのだが、その物価の高さからかゆっくり滞在している旅人などおらず、みんなしっかりとグループを組んでいる。私たちはネットでメンバー募集をかけつつ、レンタカー探しはネットと街中をチェックすることにした。
外は涼しく空気はとても澄んでいて美味しい。シンボルであるハットルグリムス教会から伸びる街はこじんまりと小さく、北欧らしい雑貨屋やレストランが並び、女子的にはかなり楽しい。
スーパーに入ると、なるほど物価はなんでも日本の2倍くらいだが、本屋兼カフェでコーヒーを頼むとカフェラテは500円ほどと悪くない。人気のお土産屋には、アイスランドの寒さを耐え抜くための伝統柄のセーター・ロパペイサや、ブランケット、ウール製品がズラリ。
普段買い物を我慢している私だが、ナオミちゃんにそそのかされて、おそろいでアイスランドを代表するかわいらしい鳥・パフィン柄のマフラーを買ってしまった。えへへ。
ハイシーズンのためレンタカーは街中では全然見つからなかったが、「万が一、車ゲットできなかったら、この街を楽しむだけでもいっか......」そんな言葉が出るほど、私たちはかわいい街に満足していた。
宿へ戻りネットをつなぐと、2名からアクセスがあった。19歳の英国男子イドリスと26歳のインド男子クマだ。同時に、ナオミちゃんがネットでレンタカー発見!
イドリス「運転は得意だけど、僕の身分証明書やカードではレンタカーが借りれないんだ。2、3泊希望で、帰国の前日までには戻ってきたい!」
クマ「僕は学生でアイスランドの寮に住んでるから日程は合わせられるよ。ここにいる間にアイスランドを旅したいけど、車も免許もないから乗せてくれる人を探してる!」
こちらには運転ができてレンタカーもクレカ決済できるという強い人材ナオミちゃんがいるぞ! そしてカタコト英語ができる私が全員の希望をすり合わせ(ちなみに私の運転免許証はアルメニアで盗まれたまま)。
チームと車がそろった! ちょっとハラハラしたけど、なんとかなったぜ(笑)!
「明日早朝、出発しよう! 早速今夜、顔合わせのディナーだ!」
クマの誘いで急遽集合することになり、夜の21時だというのに昼のように明るい夜道を、私たちは彼の暮らす寮へと向かった。
白夜は夏限定、オーロラは冬限定の現象。私はあわよくば、まだ人生で一度も拝んでいないオーロラも見たいと思っているが、まぁ、よほど地球がおかしくない限り、奇跡は起きないか......。
寮へ着くと、そこはとても洗練されたモダンな建物で、こんなところで学生生活ができるなんて羨ましいと思った。そして共同キッチンで私たちは会議を始めた。彼らの第一印象は、イドリスはヤンチャでクマは真面目といった感じ。全員コミュ力は高く、中でも一番若手のイドリスがリーダーシップを取る。
「さて、プランを立てよう! 2泊3日でどこまで行けるかな? ゴールデンサークルは絶対周りたいよね? 天気は大丈夫かな。運転は俺とナオミが交代。クマとマリはマップでナビな。それぞれの行きたいところはなるべく行こう。よし、このメンバーで旅に出るぞ! 異存はない? みんな心の準備はOKかい?」
全員一致団結で士気が高まると、そこにクマがインドカレーを振舞ってくれた。
「さあ、僕の作ったチキンのカレーをどうぞ! 辛いから気をつけてよ! 明日からは車だからね。腹痛は避けたいでしょ?」
アイスランドの初日のディナーはカレー。スパイスで体を温めて、いざ出陣だ! アイスランドの大地よ、待ってろよー!
★次回更新予定は8月20日(木)です。
●旅人マリーシャ(旅人まりーしゃ)
平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴12年、125ヵ国訪問。地球5周分くらいの旅。コラム連載は5年間半を超える。Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】
女子2人組ユニット「地球ワクワク探検隊」としても活動。YouTube配信や国内外各地のPR活動、旅先のお酒やお話を提供するイベント「旅するスナック」を月2回、東京・虎ノ門で開催。【https://www.youtube.com/channel/UCJnaZGs8hyfttN9Q2HtVJdg】