メディコム・トイの赤司竜彦社長に『AKASHIC RECORDS』について聞いた

トイメーカー、メディコム・トイの代表取締役社長を務める赤司竜彦氏が全面的にキュレーションを行なうポップアップイベント『AKASHIC RECORDS』(アカシック・レコーズ)が、渋谷パルコ1階の『POP BY JUN(ポップ バイ ジュン)』で10月16日から11月3日まで開催されている。

イベントでは、メディコム・トイの創業から24年間の中で赤司社長が培ってきたネットワークを活かし、65組のアーティストやブランド、コンテンツをピックアップ。「ANNA SUI」や「CHIAKI(CIROL & CO.)」、「マスターマインド・ジャパン」、「ミルクボーイ」、「SORAYAMA」、「ゴジラ」などの限定アイテムや新作アート、トイ、アパレルを販売。ほかにもたくさんの商品が並び、見ているだけで圧倒されるイベントになっている。

今回、イベントを開催した赤司社長にインタビュー。『AKASHIC RECORDS』開催への道のり、今後の展望について聞いた。

九谷BE@RBRICK 花鳥風雅/150万円(税別)

――このイベントを開催するきっかけから教えてください。

赤司 昨年の暮れ頃に渋谷PARCOのポップアップスペース『POP BY JUN』での展開をしませんか? というお話をいただきました。ちょうど渋谷PARCOがオープンして丸1年。『POP BY JUN』も藤原ヒロシさんから始まり、メディコム・トイで締めくくる1年目っていいなと思ったんです。

ところが、新型コロナウィルスの感染拡大が起きてしまい、クリエイターの皆さんも私と同じく暗中模索な状況にいたのではないでしょうか? 当時は10月に開催できるかどうかも五分五分でしたが、これだけの規模でジャンルを超えた方々とご一緒できる機会もそうそうないと思っていたので、参加していただいた皆さんに「責任は請負いますからやりませんか?」というご相談から始まりました。

――この1年で、世の中を巡る状況は大きく変わってしまいましたね。

赤司 『AKASHIC RECORDS』自体は、僕の中でぼんやりと構想はあったんですけど、いろいろなアーティストの方たちとモノを作っていきたい思いがありまして。

ただ、準備している間にコロナが起きましたけど、すごく著名なコンテンツの方と誰も知らない若手の作家さんって今、置かれている環境ってイーブンな関係だなと思ったんですね。その中でモノを作られて、それを並べて、フラットに楽しんでもらおうと。そんなところからですね。

(右)BE@RBRICK René Magritte 〝La Reconaissance Infinie (Infinite Recognition) 1963/The Castle of the Pyrenees〝1000%/58,000円(税別)。(左上)BE@RBRICK René Magritte〝La Reconaissance Infinie (Infinite Recognition) 1963/The Castle of the Pyrenees〝100%&400%/16,000円(税別)。(左下)九谷BE@RBRICK HAJIME SORAYAMA(PURE GOLD LEAF)/228,000円(税別)

――今回、協力してくれているアーティストの方々は全て赤司社長から声をかけたんでしょうか?

赤司 ほぼ全員です。

――それはすごい! やはり昔からのお付き合いがあるからでしょうか。

赤司 そうですね。損得勘定抜きでいいなって思った作家さんはプッシュしたいと思っています。自分が信じられるか、信じられないかだけがひとつの物差しだったりもするんですね。

世界的に有名な作家さんもいれば、あまり知られていない方もいるんですけど、そこが判断基準ではなくて。むしろ、この人には自分が感じるものがあるかないかっていうところが一番大きいですね。

――赤司社長の目がすばらしいのか、感覚なのでしょうか?

赤司 あくまでその作家さんの才能だと思います。少しはお手伝いができたかなって自負もありますけど。とはいっても、最後は作家自身がご自分を信じられる強さかなと思います。才能があっても途中で、志半ばで心が折れちゃう方もいらっしゃるので。その辺は心だけ信じて続けて行くことできるのか、そこがポイントだと思っています。ODEYA 400mm:ねじ式の少年/48,000円(税別)

――昔と比べるとメディコム・トイさんの商品ってモノによりますが、買えない商品も出てきています。すごいことだなって思います。

赤司 決して出し惜しみをしているわけではなくて。自分たちの想像以上にマーケットが大きくなってきているのかなって思いますね。自分たちで適正だろうっていう数よりもたくさんのお客様が自分たちのシーンに来てくださっているのが要因なのかなって思います。

――メディコム・トイさんはブームを作っているイメージが強いです。

赤司 ブームを作ろうという起点からではなくて、この作家のこれが欲しい、だから作ろうからスタートなんです。世界の評価が上がれば上がるほど、その作家が活動しやすくなっていく。そこだけですよね。よかったねって言えますから。

――以前、あるイベント会場で社長をお見かけしたことがありますが、そうやって今でも積極的に活動なさっている印象です。

赤司 そうだったんですね。今はコロナでお休みしていますけど、「デザインフェスタ」や「ワンダーフェスティバル」あたりはほぼ全部のブースを見ます。いいなーって思うと声をかけて、何かやりませんかって言っています。

――それはすごいです! 今後の展開は?

赤司 今回の『AKASHIC RECORDS』を開催したことで、今後もいろいろなアーティストの方々との取り組みが果敢にできるひとつのきっかけになってくれたらいいなって思っています。

――第二弾、第三弾も?

赤司 そうなれるようにがんばります!

話題のアーティストからまだまだ無名のアーティストまでの作品がズラッと並んでいるので、ぜひ渋谷パルコまで足を運んでみてはいかがだろう。

Anne Valerie Dupond ONE OF KIND BE@BRICK 1000%/各35万円(税別)※全12種類あり

『AKASHIC RECORDS』
会期:2020年10月16日(金)~11月3日(火・祝)
会場:POP BY JUN
住所:東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷 PARCO 1階
営業時間:11:00~21:00  ※入店方法:会期中は混乱・トラブル防止のため、ウェブ上にて抽選入店を行ない、入店制限を実施する日程がある。詳細は「メディコム・トイ オフィシャルブログ、公式アプリ」にて随時案内している。

© NAGNAGNAG © SORAYAMA © C.Herscovici / ARS, NY © Anne Valerie Dupond
© MMXX Full Colour Black Ltd. © UNREAL inc. © ASAMI MATSUMURA
© MAMES © TEZUKA PRODUCTIONS
© 西野亮廣/「映画えんとつ町のプペル」製作委員会
© 町田康 / TOKUMA JAPAN COMMUNICATIONS., LTD
© 2020 Sekiguchi Co., LTD.
© KAORI HINATA © SHELTERBANK © lipu © DEVILROBOTS
© BRIDGE SHIP HOUSE © SONIC
BE@RBRICK TM & © 2001-2020 MEDICOM TOY CORPORATION. All rights reserved.
Sync. TM & © 2013-2020 MEDICOM TOY CORPORATION. All rights reserved.

※記事公開時点で販売が終了している商品がある可能性がございます。

赤司竜彦(あかし・たつひこ)
東京都出身。1996年、メディコム・トイを設立。「マーケティングに基づく商品開発ではなく自分達が欲しいものを作る」をコンセプトに、映画・TV・コミック・ゲームなど幅広い分野のキャラクターフィギュアを企画製造。またアパレル、雑貨、ソフビなど多岐に渡る事業を展開中。