18日、横浜・山下ふ頭で『GUNDAM FACTORY YOKOHAMA』のオープニングセレモニーが行なわれ、『機動戦士ガンダム』総監督の富野由悠季(とみの・よしゆき)、バンダイナムコエンターテインメント代表取締役社長・宮河恭夫、そして林文子横浜市長が登壇。富野監督はゲスト出演したLUNA SEAとともに、"動くガンダム"への感動を明かした。

『GUNDAM FACTORY YOKOHAMA』は「機動戦士ガンダム40周年プロジェクト」の一環としてオープン。目玉は18mの動く実物大ガンダム。「GUNDAM-DOCK TOWER」からは、"動くガンダム"の頭部やボディを間近で見ることが可能だ。施設内では、オリジナルグルメやグッズなども販売されている。

イベントでは富野監督が、「お子様方にはごめんなさいと申しあげます」という言葉からスピーチをスタート。ガンダムに夢見る子供たちに向け、「2本足歩行で歩く実物大ガンダムを作れなかった」ことへの謝罪をしたが、

「けれど今回、制作して展示させていただいた1/1ガンダムは、今まで以上に人の形が素晴らしいことを教えてくれました。この大きさの人の形が動いたときの"優しさ"というのはいったい何なのでしょうか」

と感激。その"優しさ"に気づいたことに対して、「そんなことは、このように作ってもらわなければわからなかったというのが、我々大人の立場でした。そういう意味では大人たちは想像力がなくて、本当におバカさんたちだったと思っています」と自省。


そして改めて、「今回、そのようなことを勉強させていただけた、ということを本当にうれしく思っています。見ていってください。ガンダムは優しかったんです」と誇らしげに語った。

イベントでは、LUNA SEAが機動戦士ガンダム40周年プロジェクトのテーマ曲である『THE BEYOND』を披露。演奏後は、富野監督とRYUICHIとSUGIZOが、再び壇上へ。


トークの始まりには、富野監督が「ここの部分は放送しないでください、ひと言だけ言いたいことがある」と断り、「ちょっと、ちょっとだけやっぱり、驚いています。本気になって作る人がいるとは思っていなかったので。本当に、頑張ってくださった方々、本当にありがとうございました。本当にご苦労様でした。ありがとうございます」と動くガンダムの完成にあたり、その驚きとともに関係者への感謝を明かした。

ガンダムマニアで知られるSUGIZOは「基本的にジオン公国民なので、できればガンダムよりもザクを、と思っていた派」だと告白。しかし、「問答無用でガンダムに涙してしまいました。この力、問答無用に誰でも感動してしまう根源的な強さがあって、ジオンから連邦に乗り換えようかと思った」と明かすと、富野監督は「乗り換える必要はない。次はやっぱりザクをやりたい」と50周年プロジェクトへ向けて積極的な姿勢を見せた。

そして富野監督は、ハッとした様子で、SUGIZOらに対して「初めて気がついたのは、視聴者の立場だったんですね。僕はこの姿しか知らないから」と告白。SUGIZOが「僕は実は『無敵超人ザンボット3』からの視聴者ですので」と富野監督の初期の頃の作品を観ていたことを告げると、「その話はやめなさい。今日はガンダム(笑)」と照れくさそうに顔をほころばせた。