独創的な料理を続々と開発している野島慎一郎氏

『週刊プレイボーイ』で「激ウマ!! バカレシピ研究所」を連載中のB級フード研究家・野島慎一郎(のじま・しんいちろう)さん。

今回の"バカレシピ"は、キャベツ太郎を大人向けにでっかく作り直した「キングキャベツ太郎もち」!

* * *

【今回の食材】
・キャベツ太郎(90g)1袋 ・焼きそばの粉末ソース 少々 ・とろけるチーズ 適量 ・片栗粉 適量

野島 今週は駄菓子のキャベツ太郎を買ってきましたよ。

助手 おっ、これ大好き! ソース味がウマいんスよね。

野島 子供の頃は1袋20円の小袋をよく食べたものです。今回は大袋で購入しましたけど。

助手 こんなサイズのも出ていたんスね。で、今回はいったい何を作るんスか?

野島 これ、袋は大きくなったけど、中身のスナックは小さいままなんですよ。どうせならキャベツ太郎自体も大人向けにでっかく作り直してみたいなと。

助手 「大人向け=でかい」っていう発想が子供!! そもそもキャベツ太郎はスナック菓子ッスよ? これを大きく作り直すなんてどう考えても無理では?

野島 もちろんサクサク食感を残したまま作り直すのは無理。じゃあどうしたものかと居酒屋で酒を飲んでいたら、おつまみのポテトチーズもちを食べているときにひらめきました。これのポテトをキャベツ太郎に置き換えて作ればいいのでは、と。

助手 もうそれ、キャベツ太郎じゃないじゃん!

野島 いや、キャベツ太郎そのものを使っていることには間違いないし、居酒屋メニューっぽく生まれ変わるから、なおさら大人向けだといえるでしょ。

助手 とりあえず作りますか!

(1)潰す! キャベツ太郎をボウルに移し、水を少量ずつ垂らし入れながらキャベツ太郎全体を潰す。スナックが砕けてペースト状になってきたら、チーズと片栗粉を入れて混ぜ続けよう

野島 まずキャベツ太郎をボウルにあけ、少量の水を加えながらグニグニと潰していきます。

助手 染み出た油で手がヌルヌル! この菓子、こんなに油分を含んでいたとは!?

(2)丸める! 片栗粉が混ざって固くなってきたら、おにぎりを作る要領で丸く握って大きな球体を作ろう。握ると油がたっぷりと染み出てくる。手が滑るので落とさないように気をつけること

(3)揚げる! 熱したフライパンに油を引き、丸めたキャベツ太郎を転がして表面を揚げ焼きする。全体がカラッと揚がったらフライパンから取り出し、キッチンペーパーで油を吸収させよう

野島 キャベツ太郎がペースト状になったらチーズと片栗粉も加えて混ぜ、丸めて形を整えたら表面を油で揚げますよ。

助手 デカッ! 野球のボールくらいの大きさはあるぞ!

(4)ソース! 仕上げに粉末ソースをまぶしたら完成。焼きそばについてくる粉末ソースを使うとキャベツ太郎の味を見事に再現できる。余った麺は冷凍保存も可能。塩焼きそばにして食べよう

(5)完成!「キングキャベツ太郎もち」

野島 表面をカラッと揚げたら、仕上げにソース焼きそばの粉末ソースをまぶして完成!

助手 見た目は完全にキャベツ太郎!! 問題はちゃんとウマいのかってことと、ソースだけ使って余った焼きそばの麺な!

野島 麺は塩焼きそばにでもすればいいですよ。ほら食べて!

助手 ウマッ!! 味は完璧にキャベツ太郎で、生地の食感はちゃんとポテトチーズもちだ!

野島 コーンとチーズの生地からもソース味がほのかに漂ってくるのもいいですな。ウマい!

助手 文句なしの大成功ッス!!

野島 いや、これで満足せずに極限までデカさを追求したいですね。フジテレビ本社ビルの球体くらいのサイズを目指しますか! 助手くん、地球上のみんな、オラにほんのちょっとずつキャベツ太郎を分けてくれ!

助手 無理に決まってんだろ!

●野島慎一郎(のじま・しんいちろう) 
ライター、マンガ家、B級フード研究家。独創的な料理を続々と開発している。著書『世界一美味しい「どん二郎」の作り方』(宝島社)。YouTube『のじまちゃんねる』

【★『野島慎一郎の激ウマ!!バカレシピ研究所』は毎週金曜日更新!★】