日本でそろえた食材で、旅人流バインミー !

みなさん、こんにちは。旅をおあずけされた旅人マリーシャです。わん。

2月、目の前のイベントはバレンタインデー。手作りチョコを準備しなきゃ......と言いたいところですが、どうやら渡す相手がいないようなので、そんなことよりも新年に紅白なますを食べてからずっと作りたいと思っていた"アレ"にトライしたいと思います!

今回の「旅人マリーシャのおうちで世界飯」ベトナムB級料理「バインミー」です!

バインミーはベトナム版のサンドイッチ。長さ20cmほどの柔らかいフランスパンにバターやパテを塗り、なます、キュウリやトマトなどの野菜、香草類、肉をはさみ、ヌックマムなどのソースをかけたもの。

ヌックマムとはイワシなどの魚と塩を熟成・発酵させた魚醤。強烈な匂いは正直クサイのだが、それがベトナム料理の特徴的な味を生み出し、不思議とクセになるのだ。ヌクマムやニュクマムとも言う。

私がホーチミンのバインミー屋台を訪れた時は、目の前でパンに具が挟まれていく様子を見て、どことなく「サブウェイ」を思い出したっけ。そしてニ◯リも顔負けのお値段以上、15000ドン(約68円)で旅人は大歓喜!

持ち運びに便利なお手軽フードなので、ベトナムからカンボジアに陸路国境越えする時も、お弁当がわりにテイクアウトしたのが懐かしい。ちなみに、パンがフランスパンなのは、ベトナムがフランスの元植民地だからです。

ホーチミンのバインミー屋台

本場バインミー屋台の裏側大公開!

屋台のバインミー。店によって具が異なる

お店によって挟む具材もさまざまなバインミーだが、必ず入っているのはパクチーとなます、そしてとどめのヌックマムだ。

作り方はサンドウィッチと同じ要領だが、再現しようとすると、日本で本場の材料を揃えるのは至難の技。まずベースとなるパンからしてそうである。

本場のバインミーに使用されるパンは、米粉などを使用した独特のサクッと感があるソフトタイプ。その食感は日本でお見かけするフランスパンとは別物で、手に入れるのは容易ではない。仕方ない、ここは普通のフランスパンで代用するか......。

他にもユニークな具材として、チャールアと呼ばれるベトナムハムや、肉鬆(ロウソン)という肉田麩(さきいかみたいだという意見もチラホラ)が入っていることがあるが......、珍しい食材はまたいつかにするとして、今回はベーシックなものを作ってみることにしよう。

<材料> 1~2人分 *ベースとなる材料
分量はほとんど「適量」でOK! サンドウィッチを作るのと同じ要領で、好きなものを好きなだけ入れてみてね。でも一応目安だけ書いておくね!

 ・フランスパン...食べたい分量

 ・バター...トーストに多めに塗るくらい

 ・レバーパテ...トーストに多めに塗るくらい

*なます

 ・人参...約5cm

 ・大根...約5cm

 ・塩...塩もみ用にひとつまみ

 ・米酢...大さじ3

 ・砂糖...大さじ2

*パンに挟む具材

 ・ハム...薄切り4~6枚

 ・チャーシュー...薄切り4~6枚

 ・キュウリ...約5cm

 ・パクチー...2~4本

*ソース

 ・魚醤(ヌックマムか、タイ料理に使うナンプラーでもOK)

左上から時計まわりに、フランスパン、バター、ヌックマム、パクチー、ハム、チャーシュー、キュウリ、レバーペースト。(トレー内・なます用)酢、砂糖、塩、人参、大根

今回のチャレンジ食材はベトナムの魚醤「ヌックマム」

<調理>

1.人参と大根は皮をむいて、5cmほどの千切りにする

2.ボウルに入れて塩をふり、軽くもみ、水気をしぼる

3.酢と砂糖を混ぜ合わせ、2に加えて和え、10分ほど漬け込んでおく(これでなますができます)

4.1人分にカットしたパンに、側面から切り込みを入れる(ホットドッグのように表面に切り込みを入れても可)

5.切った面にバター、レバーパテを塗る

5.ハム、チャーシュー、キュウリ(薄切り)、なます、パクチーをパンに挟む

6.ニュクマムをかけて出来上がり!

とても簡単な調理でボリューミーなバインミーが出来上がりました。魚醤のエスニックな香りが食欲をそそります! クサイけど(笑)!

これが、旅人流ベトナムB級料理バインミーだ!

そして、いざ実食! 久々の大好きなバインミーを目の前にテンションが上がる私。大きなお口を開けて勢いよくかぶりつくと、クサっ!

......ではなく、グサっ!

「い、痛いっ......(笑)!」

勢いが良すぎたせいか、かためのフランスパンが上顎に刺さり、ダメージ(笑)!

フランスパンで上顎をやりました

落ち着いてもう一度かぶりつくと、ジューシーな肉類とフレッシュな野菜、独特な味を持つレバーペースト、そして味の要であるなます、パクチー、魚醤など、バラエティ豊かな具材が一気に口の中をベトナム化! クセの強い具材が多いにもかかわらず絶妙に味がまとまっているから不思議!

「これよ! これこれ!」

思い出す懐かしの味。実は私、バインミーを食べたのはホーチミンが最初ではない。オーストラリアにワーホリしていた頃、物価の高いシドニーでは節約のためによく食べていた(5豪ドル=約400円)。

「妙に好きな味なんだよなぁ」

やっぱりバインミーは大好きである。

私がオーストラリアでよく食べていたバインミー

それにしても、「やっぱりパンはベトナム式ソフトフランスパンがいいなぁ」というのが本音。正直、今回の自作バインミーに納得はいっていなかった。

せめて何かもっと工夫できないかと、私はちょい足しをすることにした。デパ地下で買ったちょっとイイ肉(量り売りで一枚だけ頼んだら250円と言われビックリしたが後に引けず購入したチャーシュー)を追加し、マヨネーズと唐辛子のピクルスも投入。

すると、だいぶ味がグレードアップ! 相変わらずパンが足を引っ張っているが、チャーシューの脂、ピリっと辛いピクルスと、あとマヨの威力はやっぱり圧倒的......(笑)!

シンプルなだけに工夫の余地があるバインミー 。味の要を押さえつつ、オリジナルのバインミーをこれからも研究していきたいと思った。

旅人流バインミー改良版! イイ肉、唐辛子のピクルス、マヨを追加

辛いの好きな人にオススメしたい唐辛子のピクルス

★旅人マリーシャの世界一周紀行:第291回「ミステリアスな炭水化物爆弾! エジプトの国民食コシャリ」

●旅人マリーシャ(旅人まりーしゃ)
平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴12年、125ヵ国訪問。地球5周分くらいの旅。コラム連載は5年間半を超える。Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】

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