ゴロゴロ野菜たっぷりでヘルシーなモロッコ料理・クスクス!

みなさん、こんにちは。旅をおあずけされた旅人マリーシャです。わん。

春の気候になり、なんだかウキウキ。と言いたいところですが、スギとヒノキのせいで鼻はムズムズ、喉はイガイガ。旅中には気が付かなかったけど、日本の四季に合わせて花粉症に悩まされています。ヘックショイ!

さて、旅人でも作れるカンタン世界飯シリーズ「おうちで世界飯」第6回。今回挑戦するのは、北アフリカ・マグレブ地方(モロッコ、アルジェリア、チュニジアなど)の料理「クスクス」です。

クスクスは小麦粉から作る1mmほどの粒状の粉食で、「世界最小のパスタ」として知られています。モロッコの街では、どのレストランにもメニューには必ずクスクスとタジン(タジン鍋で作った蒸し料理)がありました。ていうか、ほぼその2択(笑)。

クスクスは小麦粉から作る粒状の粉食で、「世界最小のパスタ」と言われている

モロッコで食べたクスクス。「クスクス」は料理名でもある

モロッコのメニューには必ずクスクスかタジンがある!?

なので、現地では毎日のようにタジンかクスクスを食べていたのですが、野菜が豊富でシンプルな味付けは、少々飽きが来るも、気づけばなんだか体調が安定している?とってもヘルシーな食べ物なんです。

大きな平皿に、米のようにドサっと乗せられたクスクスの粒。その上には大きくカットされたにんじんやズッキーニ、かぶ、かぼちゃなどの野菜にひよこ豆が乗せられ、野菜出汁のスープに浸ったそれをスプーンで口に運ぶ。いわばカレーの要領で、バクバク食べられる。

モロッコでは、「金曜日はカレー曜日」ならぬ「金曜日はクスクスの日」で、家族揃ってランチにクスクスを食べるのが習慣なんだそうです。

特に思い出に残っているのは、モロッコの大西洋に面した城砦に囲まれた港町エッサウィラで食べた、モロッコおじいのクスクス。

それはほかの街で食べてきた野菜ゴロゴロタイプとは異なり、じっくり煮込まれた野菜が煮崩れしてスープに溶け込んだもの。なんだか温かみのある味で、家庭料理っぽいところが良かった。(今回作るのはゴロゴロタイプだけどね!)

モロッコのエッサウィラで食べた思い出のおじいのクスクス

おじいのクスクスは野菜がかなりクタクタに煮込まれてるタイプ

現地の家庭には二段式のクスクス専用鍋があり、下段でスープを煮て、その蒸気で上段のクスクス粒を蒸す仕組み。蒸したクスクスをお母さんが手で混ぜ合わせ、フワフワな仕上がりにするのが本場っぽい! しかし、日本の家庭にはまず専用鍋がないので、今回は市販のクスクスの簡単レシピでチート! 野菜は普通の鍋で調理します。

クスクスはお湯を注ぐだけで、カップラーメン並みに短時間に作れるから、キャンプや登山などアウトドアでの食事にもピッタリ!

ちなみに、笑い声のような名前の由来は、先日作ったスペイン料理ピルピル同様、調理で蒸す時の音からきているらしい。

輸入食品スーパーなどで売っているクスクス。内袋なしで直に入っているので、開封に気をつけて!

それではレッツクック!

<材料> 

●煮込み野菜 2~4人分

 ・鶏モモ(他の肉でもOK)...200g

 ・ニンニク...1片

 ・ローリエ(月桂樹)...1枚(なくてもOK)

 ・玉ねぎ...1/2個

 ・トマト...1個

 ・にんじん...1本

 ・ズッキーニ...1本

 ・なす...1本

 ・かぶ...1個

 ・かぼちゃ...2~4スライス

 ・ひよこ豆...50g(水煮缶かそのまま使えるパックのものなど)

 ・水...200ml

 ・塩...味が足りなければ追加

 ・クミンシード...小さじ1(他にお好みのスパイスを加えてもOK)

*玉ねぎ、トマト以外は好みに応じて変えてOK! ニンジンとズッキーニは入れて欲しいなぁ!

●クスクス

 ・クスクス...1人分50g(4人なら200g)

 ・クスクスを戻すための水...クスクスと同量(か、少し多めに用意)

 ・オリーブオイル...小さじ2分の1(15ml)

 ・塩...小さじ2分の1

材料。上段左から:クスクス、オリーブオイル、塩、鶏肉。下段左から:ニンニク&ローリエ、塩&クミン。バット内:トマト、玉ねぎ、かぶ、にんじん、かぼちゃ、なす、ズッキーニ。ひよこ豆

<下準備>

1.鶏肉を一口大にカットし塩をまぶしておく。

2.玉ねぎは皮をむいて薄切り、トマトはダイス状にカット。

3.ニンジン、カブの皮をむき、残りの野菜も含め全部を大きめサイズにカット。(好みで好きなサイズでOK! 私はモロッコで食べたものに近いゴロゴロサイズにしたよ!)

<調理>

1.鍋に油(分量外)を入れ、ニンニク、ローリエを香りが出るまで中火で軽く炒める。

2.鶏肉を入れて表面が色づくまで炒める。

3.玉ねぎを加えしんなりするまで炒める。

4.トマト、水200g、塩、クミンシードを入れ全体を混ぜ合わす。(お好みで他スパイスを入れてもOK!)

5.沸騰したら、硬い野菜(にんじん、かぶ、かぼちゃ)を加え、蓋をして弱火で15分ほど煮込む。

6.残りの野菜(ズッキーニ、なす)、ひよこ豆を加え、さらに15分煮込む。

――煮込んでいる間にクスクス作り(クスクスの箱に書かれたレシピでOK!)

7.クスクスをボウルか平たい皿に広げ、塩とオリーブオイルを入れ、さっと混ぜる。

8.クスクスと同じ分量の熱湯を全体にかけて、蓋かラップをして5分以上蒸らす。

9.クスクスが蒸されたら全体を混ぜほぐす。まだ硬ければ熱湯を追加しさらに蒸らす。

10.クスクスがフワフワで食べれる状態になったら、お皿に盛っておく。(後ほど、煮込み野菜を乗せます)

11.鍋で煮込んだ野菜を味見し、塩、クミンなど(分量外)で調整。(結局、私の味付けは薄かったので、しっかり目に入れてもいいかも!)

12.クスクスの上に盛り付け。大きな野菜を放射状に並べ、真ん中に肉をのせ、スープをかけたら完成。

<実食>

シンプルながら、ゴロゴロ野菜の個性が光る健康食。クタクタに煮込まれて甘くなったにんじん、ジャキッとした歯ごたえの残るズッキーニ、トロリと溶けたかぶ、スープに溶け込んだかぼちゃ、ひよこ豆は中東料理っぽさに一役、味の軸となるトマトと玉ねぎ、塩とクミン。全てが体に染み込んでいく。そして鶏モモの弾力も!

「ああ、ヘルシー! 最高!」

旅人流クスクスできましたー! さあ、食べましょう!

その野菜たちをまとめるかのように、小さな小粒のクスクスたち。野菜の周りを包み込み、スープを受け止めつつ、そしてプチプチとした食感も忘れず、腹を満たす米感たるや。

「小さいくせにやるじゃないか!」

そう言わずにはいられません。私も世界を旅しながら、「小さいくせにやるじゃないか」と言われてきたので、もはや他人とは思えません。仲間だ。

「小さいくせにやるじゃないか」なクスクス君を共食いする旅人

毎回そうなのだけど、私のレシピはちょっと味付けが控えめ。みんなの塩分の取りすぎを心配してるんです(とか言ってみとく)。なので、ちょっとパンチが足りないなぁという方は、調味料を追加してみてね!

それから、簡単レシピにするため材料もなるべくシンプルチョイスにしてるけど、もっといろいろ入れてみてもいい。クミンのほかにも、ターメリック、ガラムマサラ、コリアンダー、ジンジャー、パプリカ、サフラン等々。ほんとカレーみたい。スパイスの世界は奥が深いからね。

クスクスは、お湯かけて5分でできちゃうっていうのがとっても簡単でした! 本当は、蒸したらもっとフワフワになって美味しいから、こだわりある人はトライしてみてほしいけど、お手軽に作れるってこともやっぱり大事!

あ、最後に、クスクスには塩、オリーブオイルのほかにも、バターを1片入れると風味が増すよー! 今年のキャンプにはぜひクスクスを持参してみてください!

おじいのクスクスまた食べたいなー

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●旅人マリーシャ(旅人まりーしゃ)
平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴12年、125ヵ国訪問。地球5周分くらいの旅。コラム連載は5年間半を超える。Twitter【marysha98】instagram【marysha9898】

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