独創的な料理を続々と開発している野島慎一郎氏

『週刊プレイボーイ』で「激ウマ!! バカレシピ研究所」を連載中のB級フード研究家・野島慎一郎(のじま・しんいちろう)さん。

今回の"バカレシピ"は、ダイエット食の「ごぼう麺 トムヤム風スープ」を油そばと合体させて満腹感のある料理にアレンジした「トムヤムクンぶっかけ油そば」!

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【今回の食材】
・油そば(ファミリーマート)1個 ・1/3本分のごぼう麺 トムヤム風スープ(セブンプレミアム)1個

野島 前にセブンでこの「ごぼう麺 トムヤム風スープ」を買ったんだけどさ。ゴボウ練り込み麺が入っているのかと思ったら、実際に入っていたのは麺っていうか、細く切ったゴボウそのもの! 見事にダマされた!!

助手 それ、容器にちゃんとスープって書いてあるじゃん。ただのアンタの勘違いだわ!

野島 しかも食べてみたらなんとも複雑でした。スープは酸味と辛味のバランスが完璧だし、ゴボウの食感もナイス。まさかトムヤムスープとゴボウが合うなんて、目からウロコでしたよ。

助手 大絶賛なのに、いったい何が複雑だったんスか?

野島 スープがウマいと麺を食べたくなるものですが、中身は細切りのゴボウばかり。食べても食べても満腹にならないんです。ウマいものを食べてるのに空虚な気持ちになるとは......。

助手 これ、ダイエット食なんだから、そこは我慢しろって!

(1)レンチン! 油そばをレンチン。今回はファミリーマートのものを使用しているが、どこのコンビニの油そばでもOK。カップ油そばや、贅沢に専門店のテイクアウトを使うのもアリ!

(2)トムヤム! 「ごぼう麺 トムヤム風スープ」を開封し、熱湯を注いで手順どおりに作る。待ち時間は3分。油そばのレンチンが終わる頃にスープが完成するようにタイミングを合わせよう

野島 この味を生かしながらどうにか満足度が高い料理にアレンジできないかと試行錯誤した結果、たどり着いたのが今回紹介する「トムヤムクンぶっかけ油そば」なのです。作り方はコンビニ弁当の油そばにトムヤムスープをぶっかけるだけ!

助手 ヤケクソすぎる! もはや料理じゃないからな!

(3)完成! 温め終わった油そばの上からトムヤム風スープを豪快にぶっかければ「トムヤムクンぶっかけ油そば」の完成。ゴボウを中央にそろえると、インスタントとは思えない映えっぷり

野島 簡単なほうが試しやすくていいじゃない。というわけで油そばも買ってきたので、豪快にぶっかけますよ。ビチャーッ!

助手 うわっ、油そばがスープに浸って見た目はただのラーメンに! 完全に個性を失った!

野島 ほら、油そばって酢とかラー油をかけて食べるでしょ。大量に酢とラー油を入れた油そばだと思って食べればOK!

助手 酢とラー油をこんなにかけるやつなんているか! ってこれ、メチャウマァァッー!! エスニックな酸味と辛さが油そばの味にドハマリしてるッス!!

(4)激ウマ! スープを入れると麺がのび始めるので、アツアツのうちによくかき混ぜて食べてしまおう。油そばのタレとトムヤムクンの酸味と辛味が完全融合。衝撃的なウマさを堪能せよ!

野島 トムヤムクンの酸味と辛味がそのまま酢とラー油の代役になってくれるんですよ。しかもうま味もガッツリとブースト。また、ゴボウは主役に据えると心もとないけど、油そばの具としてなら最高のパフォーマンスを発揮してくれるんですよねえ。

助手 ゴボウを具にしたガッツリ系トムヤムヌードルへと進化を遂げたッスね! これはコンビニの油そばを食べるときに毎回やりそうッス!!

野島 これをお店の油そばにぶっかけたら最高の贅沢(ぜいたく)ですよ。油そば屋に行くときはポケットに忍ばせておいて、ぜひこっそりぶっかけてください!

助手 絶対怒られることを勧めるな! テイクアウトでやれ!

●野島慎一郎(のじま・しんいちろう) 
ライター、マンガ家、B級フード研究家。独創的な料理を続々と開発している。著書『世界一美味しい「どん二郎」の作り方』(宝島社)。YouTube『のじまちゃんねる』

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