『週刊ヤングジャンプ』で連載されている漫画『キングダム』の展覧会『キングダム展 -信-』が東京・上野の森美術館で12日から始まった。

『キングダム』は中国の春秋戦国時代を舞台に、戦争孤児だった信と、後の始皇帝となる嬴政(えいせい)が中華統一を目指す物語。2006年に連載が始まり、コミックは61巻まで刊行され、電子版を含めた累計発行部数は8000万部を突破。また、2019年公開の実写映画が大ヒットを記録したが、その続編決定も話題になっている。


今回の展示会では、第1話「無名の少年」から第438話「雄飛の刻(とき)」に至るまでを、作者・原泰久氏全面監修のもとに再構築。400点以上の直筆生原画や、本展のために描きおろされたイラスト約20点などが展示される。

前半の第10章「蕞(さい)の戦い」までは、これまでのストーリーを順に展示。信と嬴政の出会いや、王騎との邂逅、飛信隊の活躍といった印象的なシーンは、生原稿に加えて、巨大なヴィジュアルや立体的な演出など、本の形とは違った迫力だ。

また信の初陣となる蛇甘平原(だかんへいげん)の戦いや、魏の武将・輪虎(りんこ)との一騎打ちは、巨大グラフィックだけでなく音響も使用。命を賭して戦場に立つ信たちの臨場感を表現している。

後半の第11章から第13章はオリジナルの展開に。

第11章では、財力と頭脳で秦の相国(秦の最高位の役職)まで昇りつめ、嬴政らに対峙する呂不韋(りょふい)のエピソードをまとめて展示。それに相反するように第12章では、紫夏(しか)やこれまで出会った仲間、信という存在など、嬴政が掲げる「人の本質は光」という信念を作り上げた人々とのエピソードが紹介されている。

"中華統一""天下の大将軍"という夢に向かう嬴政と信。最後の第13章では、原画のほか、ふたつの描きおろしが展示。過酷な戦いを続けてきたふたりの物語が、新たな展開を迎え、その行く末が描かれている。

そして、ここまで『キングダム』の感動に浸ったファンをさらに喜ばすのが、最後の「エンディング」だ。「エンディング」では、展示会キービジュアルやカラー原画16点(5点は前期と後期で入れ替え)のほか、作者のコメントも加えた原画や、『キングダム』のプロトタイプとも言える読切作品『黄金の翼(はね)』のネーム、『キングダム』の構想ノートなどを展示。物語の裏側を垣間見れる希少な機会として、見逃せない内容になっている。


『キングダム展 -信-』は7月25日まで上野の森美術館で開催。8月3日(火)~9月26日(日)には福岡市美術館でも開催予定。詳細は公式サイトにて。