独創的な料理を続々と開発している野島慎一郎氏
『週刊プレイボーイ』で「激ウマ！！ バカレシピ研究所」を連載中のＢ級フード研究家・野島慎一郎（のじま・しんいちろう）さん。
今回の"バカレシピ"は、ＫＦＣのチキンの骨から"だし"を取ったラーメン「オリジナルチキンだしの特濃チキンラーメン」！
＊ ＊ ＊
【今回の食材】
・オリジナルチキン ３ピース（ケンタッキーフライドチキン） ・チキンラーメン（日清食品） ・卵 １個 ・小ねぎ 少々
野島 ケンタッキーフライドチキンのオリジナルチキンを３ピース買ってきたぞー。
助手 ありがたいッスけど、また微妙な数を。ふたりで３ピースとか、絶対もめるだろ！
野島 安心してください。これは全部助手くん用ですから。
助手 マジッスか！？ ウッヒョオオッー！！ 早速ありがたくレンチンして食うぞ～！！
（１）チキン！ ケンタッキーフライドチキンのオリジナルチキンを食べるところから調理はスタート。肉はしっかり食べ尽くし、きれいな状態の骨を用意することを心がけよう
野島 いただきまーす。モグモグモグモグ......。
助手 おい、野島！！ それは僕用のチキンなんだろ！？ 返せ！！
野島 落ち着いて。これはこれから助手くんのために作るバカレシピの調理工程なんですよ。使いたいのはチキンの骨だけ。なので肉の部分は私が食べないといけないんです。
助手 骨を使うにしたって、僕が肉を食べてもいいじゃない！
（２）骨！ 骨の準備ができたら鍋でお湯を沸かし、そこに骨を投入して弱火でじっくりと煮る。水が少なくなったら随時継ぎ足そう。チキン２ピース分の骨があればチキラー２杯分にはなる
野島 というわけでチキンをまず２ピース食べ終えました。次に鍋でお湯を沸かし、骨をブチ込んでコトコトと煮ていきます。これ、信じられないほどにいいだしが出るんですよ。
助手 すごい、少しずつお湯が白濁してきて鶏白湯（パイタン）スープっぽくなってきたッス！ しかもスパイスの香りも食欲をそそる！
（３）注ぐ！ （２）のお湯が白濁し、いいだしが出た頃合いでチキラーを丼に入れ、だしを一度沸騰させたら丼に注ぎフタをする。卵はそのまま入れてもいいがレンチンで温玉にするのがオススメ
野島 よし、いいだしが取れましたね。続いて用意するのはチキンラーメン。これを熱湯ではなくＫＦＣチキンのだしで作れば、鶏のうま味を凝縮させまくった特濃チキンラーメンの出来上がりというわけです。
助手 大勝利確定！ あっ、たまごポケットに卵は落とさないんスか？ あれがウマいのに。
野島 たまごポケットに卵を入れて熱湯を注ぐと固まるなんて、あれ都市伝説だから。プロは水を張った耐熱皿に卵を落としてレンチン６００Ｗで１分。これで作った温玉を仕上げでのせれば見た目も美しい！
助手 そんなお役立ちテクニックがあったとは！
（４）仕上げ！ だしを注いで３分後、温玉を中央にのせたら小ねぎを振りかけ、仕上げにオリジナルチキンを１ピース突き立てたら完成。これこそがチキンラーメンの完全体だ！
（５）完成！「オリジナルチキンだしの特濃チキンラーメン」
野島 温玉をのせたら最後にチキンを１ピース麺に突き立てれば完成です。チキンはスパイスとアブラで味を引き立てるだけでなく、指で天を指す大勝利宣言をイメージしてみました。
助手 うおおお、これ味の深みが段違いでウマすぎるッス！ 特濃なのにしょっぱさは据え置きなのも最高ッスね。これは毎回やってしまいそうだ......！
野島 ＫＦＣチキンのだしはお茶漬けとか鍋に使っても激ウマですよ。なので最後に突き立てたチキンの骨もまた使います。助手くんは食いしん坊だから、骨をそのまま食べて喉に刺さって死んだりしないでくださいね。
助手 そのまま骨まで食うわけないだろッ！
●野島慎一郎（のじま・しんいちろう）
ライター、マンガ家、Ｂ級フード研究家。独創的な料理を続々と開発している。著書『世界一美味しい「どん二郎」の作り方』（宝島社）。ＹｏｕＴｕｂｅ『のじまちゃんねる』
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