メルハバ! 旅をおあずけされた旅人マリーシャです。わん。
旅人でも簡単に作れる「おうちで世界飯」第14回は、トルコのB級グルメ「さばサンド」です!
さばサンドはテレビ『孤独のグルメ』『ヨルタモリ』でも登場し、ご存知の方も多いと思いますが、テレビや日本の飲食店で出てくるさばサンドはどれも見た目からして美味しそうで、
「本場のモノと全然ちがーう(笑)! トルコで食べたさばサンドは、もっと地味で映えないやつなんだから(笑)!」
というのが旅人の本音。といっても、ディスではありません。現地で食べた焼きたての生さばは身がふわっとして、すごく美味しかったのです。
さばサンドは、トルコ語で「バルック・エキメッキ(Balik Ekmek)」と言い、Balikは魚、Ekmekはパンという意味。その名のごとく、バケットにさばと玉ねぎとレタスを挟んだだけのスーパーシンプルな食べ物です。
イスタンブールの観光スポットでもあるエミノニュ広場では、ガラタ橋のたもとにさばサンド屋がズラリと並んでいて、特に目を引くのが屋台船でした。停泊している船の上で大量のさばがジュージューと焼かれ、煙がモクモクと上がっているのが圧巻です。
私が旅した当時のさばサンドのお値段は 8TL(約100円)。注文するとすぐに船内の焼き場からホールに手渡され、塩とレモン汁をお好みでかけていただきます。素朴な見た目とは裏腹に不思議と後を引く味で、誰しもがこう思うはず。
「さばサンド、意外といけるわ!」
「それにしても、なんでわざわざ揺れている船でさばを焼くのかしら? 船酔いしそう......」
その理由は、かつて物流拠点だったこの場所で働く人が手軽に食べれるから。市場で余った魚を焼いて売ったことがきっかけで、漁師が副業に始めたのが習慣になったとか。
環境問題や地方自治体の規制により一時禁止もあったそうですが、近年は衛生規制や海上交通、営業許可制度などが整い、今の屋台船のスタイルができたのです。
さて、今回さばサンドにトライするにあたって、スーパーで売っていたのが「塩さば」と「ごまさば」。店員さんに違いを聞くと、
「塩さばは干物で日持ちがするし使いやすいよ。ごまさばは処理が大変だし足が早いよ」
ふむ。塩さばのほうが簡単そうですが、「トルコは生さばのはずなので、きっとごまさばが本場に近いだろう」と難しそうなほうにトライする向上心の塊な私。そして半額なこともあり(こっちが本音?)、ごまさばを購入した。
でもいざ、さばをまな板に出してギョッとしたよね。ヒレ付いてるし、骨もあるじゃん。ぐぬぬ。でも下処理は意外と簡単にできました。(面倒な方は塩さばを買ってね!)
<材料> 1個分
・バケット...1個分サイズ(バタールなどでもOK!)
・ごまさば...半身(塩さばでもOK!)
・玉ねぎ...1/4個
・レタス...2枚
トッピング
・塩...適量
・レモン...1カット(市販のレモン果汁でもOK)
<ワンポイントメモ>
*下処理が面倒な人は塩さば一択! 頑張れる人は生さば!
*味付けはまずは現地のものに忠実に。後からちょい足しを楽しもう!
<調理> *下処理の必要ない塩さばの場合は手順「5」から!
1.さばを水で軽く洗いキッチンペーパーで水分をふく。
2.ヒレや骨を取る。
3.全体に塩(分量外)をまぶす。
4.キッチンペーパーで包んで30分寝かす。
5.玉ねぎをスライスして水でさらしておく。酢を入れると辛味が抜けやすい(分量外)。
6.レタスを洗ってざく切りしておく。
7.パンを1人分のサイズに切って、切り込みを入れておく。
8.フライパンに油を入れ、さばを流水で洗いキッチンペーパーでふいたら、皮面から中弱火で3分ほど焼く。
9.さばをひっくり返して反対側も3分ほど焼く。
10.パンに、焼けたさば、水を切った玉ねぎ、レタスを挟んで、できあがり! お好みで塩とレモンをかけて召し上がれ!
★YouTubeで実際の料理シーンも見てみてね!
<実食>
やー、見るからに見た目がシンプルで現地のものにそっくりにできた! 地味なのにうれしいです。
さばの身も、焼いてみれば見た目は薄っぺらいですが、食べるとふっくら。パサパサを感じないのは、ごまさばを使ったおかげだろうか。レモンはマストでかけるべし!
マヨネーズやマスタードなどを入れたら美味しいのはわかってるし、パクチーとか入れたら合うに決まってるが、トルコの味を思い出すならまずは何も付けずにかぶりつくのをおすすめしたい。そのあとはマヨなりパクなり、なんなりと。
それから個人的にはパンを少し焼いたほうが好み。イスタンブールでも鉄板にパンを押し付けて焼いている店もあるし、トマトが入っているタイプもあるようです。
さばは栄養価も高く、「内臓脂肪」と「アンチエイジング」に効果的な「DHA・EPA」が豊富。たんぱく質はもちろん、ビタミンなど美容やダイエットにも効果抜群!
さばはメディアでも度々フィーチャーされ、お手軽なさば缶がスーパーから消える現象もあったほど。おうちで焼くと部屋中にさばの香りが充満しますが、毛穴からその栄養素を吸収しちゃってください。以上、トルコ名物でした。
●旅人マリーシャ(旅人まりーしゃ)
平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴12年、125ヵ国訪問。地球5周分くらいの旅。2014年より『旅人マリーシャの世界一周紀行』を連載。Twitter【marysha98】 Instagram【marysha9898】 YouTube【https://www.youtube.com/channel/UCe2ihHJ1MXHEZgpdmglzWew】