ボンジアー! 旅をおあずけされた旅人マリーシャです。わん。
旅人でも簡単に作れる「おうちで世界飯」第15回は、ついに禁断の......お酒!(飯じゃないじゃん!) 暑い夏にぴったりのブラジルの定番カクテル「カイピリーニャ」を作りたいと思います!
カイピリーニャはサトウキビから作られた蒸留酒カシャーサにライムと砂糖を混ぜた、爽やかな甘いカクテル。その名には「田舎者」という意味があるとか。
私は2014年に行ったブラジルのリオデジャネイロでこのお酒と出会い、リオのカーニバル期間中は毎日のように朝から晩から朝まで飲んでスーパーお祭りモードでした。
(ちなみに例年2月頃に行なわれるリオのカーニバルですが、2021年はコロナの影響で中止となりました)
リオのカーニバルは私が世界一周で行きたかった目標のひとつ。達成できた時の喜びといったら、「日本のみなさん聞こえますかー!」と地面に向かって叫んだくらいです(地球の裏側なのでね!)。
普段治安が心配されるリオデジャネイロもこの時期は観光客や警察が多く、治安が良......マシな状態になるので、意外と夜の外出も可能でした。貧乏バックパッカーの旅人(私)が安さで選んだ宿は、ライブハウスやバーが集まるナイトライフスポット「ラパ地区」にあり、気の抜けないエリアではありましたが、夜な夜な外へ繰り出したものでした。
たくさんの出店が並ぶ中でも大渋滞していたのが、カイピリーニャ屋。ここにいる全ての人が片手にカイピリーニャを持って歌ったり踊ったりしている。ブロックパーティーと呼ばれるパレードや仮装をした人々であふれ、賑やかで華やかでこれぞブラジルパワーという感じでした!
街は熱気ムンムンで、雑踏の中、私も
「カイピリーニャひとつポルファボール!」
大声で注文すると、店のお兄さんやお母さんがプラスティックの入れ物にカットライムと大量の白砂糖をザザザーっと投入!
「おお(笑)! 白砂糖の量ヤバイ!」
そしてギュウギュウと棒でライムをつぶしたら、氷を入れてジャカジャカジャカジャカッと激しくシェイク! キンキンに冷えたカイピリーニャを手渡されました。
「火照った体にカイピリーニャがしみる~!」
喉が渇くと私は何度もカイピリーニャをおかわりしてテンションはマックス!
「世界で一番美味しいカイピリーニャ屋はこの店だ!」
本気でそう思いました。(今でもそう思ってますし、今回作るのはそれなのよ!)
"田舎者"というわりにはアルコール度数40%のカシャーサをロックで飲むのだから、なかなかパンチがあると思うのですが、常温のカシャーサと暑いブラジルの気温で氷がうまい具合に溶け込み絶妙な塩梅。口にすると意外にもスルスルいけてしまうちょっぴり危険なカクテルなので、くれぐれも飲み過ぎは注意です!
またレディーキラーカクテルとの異名もありますが、悪ノリはご法度。お酒は楽しくハッピーに飲みましょう! というわけで、約束守れる方だけ次のステップへ~。
今回のポイント食材は、なんと言ってもカシャーサ。「51」のロゴが書かれたブランドが有名で、日本では酒専門店などで1500円程度で手に入ります。カイピリーニャを作るにはこれがなければ始まらない。
それではレッツ、カイピリーニャ!
<材料> 1杯分
・カシャーサ...45ml
・砂糖...大さじ2杯(ブラジル的甘さです! ビビらずに挑んでください!)
・ライム...1/2~1個
・クラッシュアイス...コップ1杯分くらい
<ワンポイントメモ>
*レシピだと砂糖は小さじ2杯程度のものが多いけど、本場ではドバドバ入れていた! これが美味しさの秘密です!
*本場ではプラスティックケースをシェイカー代わりにして、氷と一緒にシェイクしまくって冷やす! シェイカーは振れればなんでもOKです!
<調理>
1.ライムを洗い、両端を切り落とす。
2.白いワタ部分を取り除く。(本場ではやってないだろうけど、ひと手間加えよう!)
3.ライムを16等分くらいにカットする。
4.シェイカーにライムを入れる。
5.さらに砂糖を入れる。(勇気を出してドバドバっと!)
6.棒を使ってライムを潰す。皮を潰しすぎると苦味が出るので、果実と砂糖となじませるように。(本場ではそんなこと考えてないと思うけど!)
7.カサーシャを入れる。
8.クラッシュアイスを入れてシェイカーをこれでもかというほどシェイク! 砂糖が溶けてお酒となじむように!(ブラジルサンバの曲に合わせて勢いよく振ってね!)
9.グラスに注ぎ、必要に応じて追い氷したらできあがり!
★YouTubeで実際の料理シーンも見てみてね!
<実食(飲)>
ああ、なんだか懐かしい! キンキンに冷えた美味しそうなカイピリーニャが完成しました。それではいざ!
「ゴクリ......」
考えてみたらカイピリーニャは割りものを使わないロックなお酒だけど、シェイクで氷が溶け出している分いい塩梅に仕上がっていて、また、際立つ甘味がお酒感とライムの苦味をマスキングして口当たりが良い。
「びっくりするほどゴクゴクいける!」
ライムのほど良いフレッシュな酸味が引き立ち、体の内部からジワジワと感じるアルコールが気持ち良い!
日本のバーなどのレシピだと、もっと洗練された作りで、それもまたキリっと甘過ぎず爽やかで美味しいのですが、これに至っては絶対に
「本場ブラジルのストリートで作られたワイルドなスタイルが一番美味しい!」
正直怖くなるくらいの砂糖の量でしたが、これが中毒になる理由かも。最初に甘すぎると感じても、氷が徐々に溶けていくので甘さもまろやかになっていきます。
みなさん、ビビらずに砂糖は大量に入れてね!
●旅人マリーシャ(旅人まりーしゃ)
平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴12年、125ヵ国訪問。地球5周分くらいの旅。2014年より『旅人マリーシャの世界一周紀行』を連載。Twitter【marysha98】 Instagram【marysha9898】 YouTube【https://www.youtube.com/channel/UCe2ihHJ1MXHEZgpdmglzWew】