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彼女たちが寝食を忘れて没頭する趣味、いわゆる"沼"を紹介するのが、この連載『偏愛ガールズクエスト』。第六回目は「木造建築」を愛する桜田茉央

前編では祖父とのDIYや家族旅行などで木造建築にハマり、建築学科に進学したきっかけを明かした桜田。後編では、建築模型を間近で楽しめるミュージアム型カフェ「棲家アーキテクチャカフェ」で木造建築の魅力や今後の夢を語った。

* * *

――友人を巻き込むほど木造建築が好きだという桜田さんですが、その魅力は何なんですか?

桜田 木造建築の良さって、自分が住んでる間にも木が成長していくところがポイントだと思うんですよ。

――成長? 年月が経ってくすんでいったり、味が出る感じですか?

桜田 いえ、根っこを切ったり皮をはがしたりしていても、実際に木って生きているんです。柱にしても、木の中心に近いほうを「木裏」、遠くて皮側を「木表」って呼ぶんですけど、「木表」は反りやすいんです。要は角材になっても、本当にちょっとずつですけど外側に向かって大きくなっているんですよ。

――なるほど。湿気などで膨張と収縮を繰り返すうちに、長い年月を経て全体的に膨らむと。

桜田 そうなんです。木が建物の一部として育っている感じじゃないですか。今の住宅の寿命って木造住宅で約30年、鉄筋コンクリート造でも40~90年って言われているんですけど、古民家とか旅館とか昔の木造建築は100年、200年もつんですよ。建物そのものの未来をちゃんと考えて、住む人と一緒に育まれていくように作ってるんです。木造面白くないですか?


――そう捉えると今の消費社会にはない感じですよね。

桜田 「本家伴久(ほんけばんきゅう)」っていう好きな旅館があるんです。ロビーにある姫小松の大柱や部屋の柱が角材の状態ではなくて、皮をコーティングしただけの自然のままなんですよ。それで、床も柱が成長することを見越して、少し隙間を作ってあるんです。

――平家伝承の隠れ館として有名な旅館ですけど、好きなのはその柱なんですね(笑)。

桜田 旅館とか行ったら、まずくまなく回るじゃないですか。この柱いいなとか、ここの梁がすごいなとか、探検しません?

今の家って木材も加工されて、使いやすく・住みやすく・作りやすくなってると思うんですけど、昔の旅館やお城は建築当時は、大量生産のための加工技術は発達してなかったんですよ。だから木材もそのままの状態に合わせて作るので、個性的なんですよね。

――旅館なんてある意味、すべてオーダーメイドですからね。

桜田 創業600年の老舗旅館として有名な「時音の宿 湯主一條」とか、『君の名は』に出てくる民宿の部屋のモデルになったと言われている飛騨高山の「八ツ三館」とか、木枠の障子や扉の美しいラインが印象的な「みちのく庵」(宮城)とか、大きな池をぐるりと囲むように建てられた米沢の「河鹿荘」とか、素敵な旅館が全国にいっぱいあるんですよ。卒論も旅館をテーマにしたんですけど、すごく楽しかったです(笑)。


――古民家的なものには興味ないんですか?

桜田 ありますよ! 白川郷の家屋なんて、初めて見た時に「これは家なのか?」ってめっちゃ思いましたね。あの分厚い屋根って、屋根裏みたいなところで、蚕を飼って絹を生産しているんですよ。昔の家にある「土間」も靴を脱いだりする「三和土(たたき)」としての使い方もあるけど、冷蔵庫のような貯蔵庫として使われているんです。あと、囲炉裏の上は煙で虫が寄らないから、そこも貯蔵庫的な場所にしたり。ひとつのスペースが2次的に使われているのって、昔の木造建築の特徴だなと思います。

――そんな工夫が隠れているとは思わなかったです。ただただおしゃれだなとしか......。

桜田 でも逆も木造建築の魅力なんですよ。

――どういう意味ですか?

桜田 木造建築ってもともと平屋が多いんですけど、2階、3階って上の空間を使わないのって無駄じゃないですか。それに平屋はだいたい廊下で繋がって部屋があるんですけど、今の住宅って廊下がほとんどないじゃないですか。いかに廊下をなくして部屋を広くとるかで考えられているからなんですけど。

――たしかに。前編の設計図でも廊下が長くて怒られたと言っていましたね。

桜田 それこそ縁側とかも、わざわざ部屋のスペースを小さくして通すわけじゃないですか。今でこそ無駄だと捉えられがちですけど、そういう贅沢な空間の使い方をしているのも平屋の魅力ですね。コの字型の回れる縁側とか見るとめちゃめちゃテンション上がります。走り回りたくなります(笑)。

『偏愛ガールズクエスト』第6回後編 桜田茉央より抜粋(記事の全文は『週プレ プラス!』にて、会員限定でお読みいただけます)

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●桜田茉央(さくらだ・まお) 
1997年10月22日生まれ 千葉県出身 
身長158cm B85 W60 H90 
○「ミスマガジン2019」審査員特別賞。大学で建築デザインを学び、現在は二級建築士の資格を取るべく勉強中。昨年9月にフリーランスに。
公式Twitter【@sakurada_mao_02】 
公式Instagram【@sakurada_mao_02】

●棲家アーキテクチャカフェ
住所:東京都新宿区新宿3-6-7 第6三和ビル4階
電話番号:03-5315-0396
定休日:不定休
営業時間:【カフェタイム】AM10:00ー18:00 【バータイム】18:00ー4:00(L.O.3:00)
※営業時間が異なる場合があります。最新の営業時間は公式HPを必ずご確認の上、お出かけください。
URL:https://sumika-shinjuku.com/