ズドラーストビチェ! 旅をおあずけされた旅人マリーシャです。わん。
秋ですね。秋といえばきのこ。実際、きのこに旬はないそうですけど(工場栽培が多いため)、でもやっぱりきのこって言ったら秋です。
さて今回の「旅人でも簡単に作れるおうちで世界飯」第19回は、ロシアで食べた欧州料理「マッシュルームスープのカプチーノ仕立て」に挑戦します!
今回作るマッシュルームスープはフランスやイギリス・ドイツなどの欧州料理として紹介されていることが多く、またアメリカの缶詰でも見かけますが、私がそれを食べたのはロシアを旅していた2017年のことでした。
モスクワの街では偶然ファッションウィークなるものが開催されていて、そこにはロシアのオシャレっ子たちが集まっていました。
個性的な衣装と自信に溢れる堂々とした姿にはオーラがあり、美しい顔やスタイルにも目を奪われました。刺激を受けた私は「自分も今すぐオシャレ人間になりたーい」と思いましたが、当時はボロボロの旅人の服を着ていましたからね。着る人間の素材もだいぶ異なるし、とりあえずそこに鏡がなくて本当に良かったなと思います。
オシャレどころか旅の装備に防寒着が足りてない私は、ロシアの寒さにすっかり体が冷え切ってしまい、何か温かいものをと探してたどり着いたのがマッシュルームスープでした。
私、このマッシュルームスープのカラーって大好き。ベージュとグレーを合わせたような絶妙な色で、最近トレンドの「エトゥープ(麻の繊維、麻袋の色味)」のようなくすみ系ニュアンスカラー。自然の優しい色味が表現されていて、秋らしさを感じます。
「ファッションでなくとも、料理でオシャレと美味しさの両方を楽しもうっと!」
さて、今回このスープを最後まで仕上げるにはミキサーを使いますが、ない場合でも美味しく食べられるようにご案内してますので、とにかくレッツクック!
<材料> 2~3人分
・マッシュルーム...1パック(約100g)
・ニンニク...1片
・玉ねぎ...1/4個
・長ねぎ...10cm
・バター...10g
・塩...小さじ1/2
・胡椒...少々
・固形コンソメ...1/2個
・水...150ml
・牛乳(生クリームでも可)...150ml
・白ワイン...50ml
*トッピング
・牛乳...50ml
・マッシュルーム...2切れ
・オリーブオイル...数滴
・パセリ...少々
・グリッシーニ...1本
<ワンポイントメモ>
*ミキサーにかけるので、みじん切りは適当でOK。
*トッピングは自由。ミルクフォーマーがある人はミルクを泡立ててスープに乗せます。ミルクフォーマーは100円ショップにも売ってるよ!
<調理>
1.水に固形コンソメを溶かしておきます。
2.ニンニク、玉ねぎ、長ねぎをみじん切り(薄切りでも可)。マッシュルームは汚れをキッチンペーパーで拭いて薄切り。(トッピング用に2切れほど取っておく)
3.鍋にバターを入れ熱し、ニンニク、玉ねぎ、長ねぎを中弱火で香りが立つまで炒める。炒めすぎて色がつかないように!
4.ニンニクやねぎの香りが立ってきたら、マッシュルームを加え軽く和える。
5.すぐに白ワインを入れアルコールを飛ばすようにして、きのこの旨味を引き出します。
6.コンソメスープと塩胡椒を加え蓋をし、5~10分煮る。
7.牛乳を加え、沸騰直前まで温めたら火を止めて冷ます。(ミキサーがない場合、これでも十分スープとして美味しくいただけます!)
8.ミキサーに入れて滑らかになるまで攪拌(かくはん)。
9.滑らかなスープ状になったら鍋に戻し温め直す。(裏ごしするとより滑らかに)
10.器に盛り付けトッピングをしたらできあがり!
<トッピング>
カプチーノ仕立てということでスープ自体を泡立てても良いのですが、今回は牛乳をレンジで温めミルクフォーマーで泡立てたものを乗せます。またマッシュルームの薄切り、グリッシーニ、オリーブオイル数滴、パセリなどを飾ると華やかに!
★YouTubeで実際の料理シーンも見てみてね!
<実食>
ホカホカと白い湯気が運ぶマッシュルームの香り。スープを木のスプーンで優しくすくいあげると、全体はトロリとしながらも表面はミルクの泡でシュワっと軽い質感。
それをそっと舌の上に乗せると、ファーストアタックからきのこの旨味が爆発しました。
「きのこ濃厚! てゆうか熱っ!」
勢いで飲み込み喉を火傷しました。皆さんは十分にお気をつけください。
しっかりフーフーしながら再度口へ運ぶと、今度は軽い口当たりの後にコクのある温かいスープが体に染み込んでいくのがわかります。
きのこには栄養がたっぷり。代謝や疲労回復に効果があるビタミンB1やB2、骨を丈夫にするビタミンDなどが豊富に含まれています。体の内側からキレイになれそうな気がしますね。
そしてバターや白ワインのおかげでしょうか、自画自賛したくなるプロのようなお味です。やはり素材の旨味を引き出すフランス料理の手法は料理をワンランクアップさせてくれるのかしら。
ロシアでの旅を思い出しつつおフランス気取りの私ですが、無事にオシャレな秋の味覚を感じられましたとさ。ぜひ皆さんも作ってみてくださいね。
それではパカー!(ロシア語でまたね)
●旅人マリーシャ(旅人まりーしゃ)
平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴12年、125ヵ国訪問。地球5周分くらいの旅。2014年より『旅人マリーシャの世界一周紀行』を連載。Twitter【marysha98】 Instagram【marysha9898】 YouTube【https://www.youtube.com/channel/UCe2ihHJ1MXHEZgpdmglzWew】