サワディカー! 旅をおあずけされた旅人マリーシャです。わん。
今回の「旅人でも簡単に作れるおうちで世界飯」第20回は、タイ料理の中でも私の大好きな「チューチークン」!
初めて食べたのはオーストラリアのシドニーでした。ボンダイビーチ付近にあるタイ料理屋であまりの好みの味に衝撃を受け、そのお店で働きたいと思ったくらい。
後日、本気で求人していないか尋ねに行きましたが、まかないを食べていたタイ人スタッフに不思議がられながら断られました。
今思うと我ながら大胆だけど、海外で仕事を探すにはこれくらいアグレッシブじゃないと。後々イタリアンレストランでシェフの仕事を手に入れましたから。
そんな思い出の味チューチークンですが、日本語で表すと「エビのレッドカレー炒め」。「チューチー」とはレッドカレーを指し、他にもチューチープラーという魚のレッドカレー炒めなどがあります。また、「クン」はトムヤムクンなどでもご存知、エビのことですね。
またタイカレーは香辛料やハーブを使った生ペーストが特徴的ですが、その中でも熟した赤唐辛子を使うレッドカレーは、青唐辛子を使う刺激的な辛さのグリーンカレーに比べると甘みがあるそう。ついでにイエローカレーはターメリックを中心としたスパイス類がベースなのでさらにマイルドになります。
「普通のレッドカレーと何が違うの?」
というと、カレーよりももう少しトロッとクリーミーな感じ。濃厚なのがとても美味しいのよ。ところで「チューチークン」は日本での知名度は低い? 日本語で検索すると情報は少なめです。今回は私がシドニーや本場タイで食べた味を思い出しながら、我流のレシピで作ることにしました。(まぁ、いつも結局、我流なんだけど)
この料理では「バイマックルー」というコブミカンの葉を使います。別名カフィアライムリーフとしても知られ、爽やかな柑橘系の香りが臭みを消し、タイ料理のあの独特な香りを演出しています。
なのでバイマックルーは絶対使いたいところなのですが、普通のスーパーでは入手困難なことも。手に入らない場合は仕方がないので省略で。またはカボスやスダチ、みかんの皮など柑橘系の香りがするもので代用してもOK。今回私は代用品で調理しました。
名前や材料が一見難しそうですが、実は手順も少なく簡単な料理なので、ぜひ一緒にレッツクック!
<材料> 2人分
・バナメイエビ...6尾(1パック)
・レッドカレーペースト...大さじ1(30g程度)
・ココナッツミルク ...200cc
・ナンプラー...小さじ1
・パームシュガー(砂糖で代用)...小さじ2
・バイマックルー(柑橘系の皮で代用)...3枚
<ワンポイントメモ>
・エビは背わたを取る。今回はスーパーですでに取ってあるものを購入。便利!
・バイマックルーは風味付けのため食べる時は外しますが、生のものや柑橘系の皮で代用する場合は刻んで入れてもOK。食べてしまっても大丈夫。
・ナンプラーは味が強いのでお好みで調整してください。またトッピングにパクチーなども合います。
<調理>
1.エビは背わたを取り、殻をむく。
2.フライパンに油(分量外)をひいて中弱火でレッドカレーペーストを炒める。
3.香りが立ってきたらココナッツミルク、砂糖、バイマックルー(ドライならそのまま、生なら刻んで入れたりトッピングにしてもOK)を入れる。
4.エビを入れて炒め煮する。
5.エビに火が入ったらナンプラーを入れてできあがり。
★YouTubeで実際の料理シーンも見てみてね!
<実食>
さて今回は私はバイマックルーが間に合わなかったので、かわりに個人的な好みでパクチーをトッピング。緑ってほんと料理が美味しそうに見えます。見た目は再現されていませんが、正直、味は大成功!
部屋の中はすでにタイの香りが充満。ぷりぷりのエビをお口へ運ぶと、お砂糖の甘さと適度な辛さのレッドカレーがエビに絡まり濃厚な味が広がります。このまま食べても美味しいし、カレーと同じようにジャスミンライスにかけてもすごく合う!
私はチューチークンを食べてからレッドカレーの虜になり、タイカレーランキングで1位だと思っていたグリーンカレーから何度も浮気する人生となってしまいました。
また後日、バイマックルーをゲットしたのでさらにおかわりです。チューチークンとは一度出会ってしまったらもう離れられない運命だったのかも。みなさんにも、ぜひこの味と出会ってほしいです!
●旅人マリーシャ(旅人まりーしゃ)
平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴12年、125ヵ国訪問。地球5周分くらいの旅。2014年より『旅人マリーシャの世界一周紀行』を連載。Twitter【marysha98】 Instagram【marysha9898】 YouTube【https://www.youtube.com/channel/UCe2ihHJ1MXHEZgpdmglzWew】