『鬼滅の刃』吾峠呼世晴原画展」が26日から、六本木ヒルズ森タワー52階の森アーツセンターギャラリーで始まった。名シーンの原画450点以上も公開されているだけでなく、連載やコミックで隠されていた秘密も明かされている。

『鬼滅の刃』は昨年5月まで『週刊少年ジャンプ』で連載された、大正時代が舞台の作品。主人公の竈門炭治郎(かまど・たんじろう)が、鬼にされた妹の禰豆子(ねずこ)を人間に戻すため、人食い鬼の討伐を使命とする鬼殺隊の隊員として活躍するストーリー。コミックス累計発行部数は1億5000万部以上(全23巻、電子版を含む)。さらに『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は興行収入400億円を突破し、話題を呼んだ。

同展では、『鬼滅の刃』作者の吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)の直筆原画全450点以上を、全8章のテーマ別で展示。


序章のテーマは「煌(きらめき)~不滅への旅立ち~」。全単行本の表紙に囲まれた空間となっており、中央には炭治郎と禰豆子の等身大フィギュアが。映画の入場者特典として配布された0巻の表紙絵を再現したものだ。


「壱ノ章:絆(きずな)~兄と妹、そして仲間たちから~」「弐ノ章 鬼(おに)~人の果て、悲しみの果て~」「参ノ章 柱(はしら)~絶対なるその呼吸~」では、各キャラクターの強さや成長を描いた名シーンの数々を展示。炎柱・煉獄杏寿郎(れんごく・きょうじゅろう)が死ぬ間際に、炭治郎や我妻善逸(あがつま・ぜんいつ)らへ語りかける感動のシーンも展示されている。

そして「肆(よん)ノ章 繋(つなぐ)~全てを懸けて~」では、鬼との戦いの中で、命を落とした隊士たちの戦闘シーンを。「伍ノ章 刻(とき)~千年の夜明け~」、「終章 継(つぐ)~幾星霜を越えて~」では、ラスボス・鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)との最終決戦とその結末までが展示されている。


上弦の鬼(参)である猗窩座(あかざ)が煉獄を鬼に誘うシーンや、霞柱・時透無一郎(ときとう・むいちろう)が玉壺を冷徹に切り捨てるシーン、仲間たちが鬼となった炭治郎を救う場面など、挙げればキリがない名シーンの数々。


今回の展示では、「一枚一枚が、強く拍動を刻み、まさしく"呼吸"をするかのようなダイナミズムを持っています」(主催者)という原画を観られるのだが、その演出にも注目したいところ。


例えば、弐ノ章に展示されている無惨の血と細胞を表現した立体造形は、無惨を中心とした鬼たちの禍々しさを表現。肆ノ章では原画が灯篭の光に照らされ、散りゆく命のはかなさがより感じられるようになっている。

特に「特別章 陰(かげ)~無限城顕現~」では、鬼たちの根城「無限城」を再現。異空間を操る鬼・鳴女(なきめ)が、琵琶の音色と共に進出鬼没に現れ、まるで「無限城」に入ったかのような感覚が堪能できる。


さらに鬼滅ファンにとって見逃せないのが、初公開イラストだ。全9点となる初公開イラストのなかには、炭治郎の師匠で常に天狗の仮面をかぶっていた鱗滝左近次(うろこだき・さこんじ)の素顔、善逸が著した書物『善逸伝』のイラストも展示。連載やアニメなどで描かれていなかった秘密が明かされているのだ。


「『鬼滅の刃』吾峠呼世晴原画展」は、全日日時指定制で12月12日(日)までの開催。六本木ヒルズ内ではカフェ「鬼滅の刃展 鬼殺隊休憩処」が同時オープン。「TUSK(タスク)」でもコラボレーションドリンク3品のテイクアウト販売が行なわれている。来年7月14日(木)から9月4日(日)には、大阪・グランフロント大阪でも開催予定。詳細は公式HPにて。

■『鬼滅の刃』吾峠呼世晴原画展
公式サイト:https://kimetsuten.com/
・東京会場
会期:2021年10月26日(火)~12月12日(日)
会場:東京都 森アーツセンターギャラリー
・大阪会場
会期:2022年7月14日(木)~9月4日(日) ※会期中無休。
会場:大阪府 グランフロント大阪