独創的な料理を続々と開発している野島慎一郎氏

『週刊プレイボーイ』で「激ウマ!! バカレシピ研究所」を連載中のB級フード研究家・野島慎一郎(のじま・しんいちろう)さん。

今回の"バカレシピ"は、たい焼きにクリームを大量注入して、フグのように太らせた「白いふぐ焼き」!

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【今回の食材】
・しろもちたい焼き(セブンプレミアム) 1個 ・きみだけのプリン(セブンプレミアム) 1個

野島 以前、肉まんに肉汁を注入するバカレシピを作るために注射器を買ったはいいけど、その後全然使う機会がないんです。あれ楽しかったなあ。ああー、注射打ちてえぇぇっー!!

助手 完全にヤベーやつ!

野島 そこでどうにかまた注射を打つ快感を味わうべく考案したのが今回のバカレシピ。元気一発スッキリ爽快! ブスッとやってやりましょう!

助手 注射を打つためにレシピを考えるとか、狂ってるッス! で、今回は何を作るんでしょ?

野島 注射器でたい焼きにクリームを大量注入して、フグのようにブクブクに太らせた"ふぐ焼き"を作りますよ。

助手 キッズの大歓喜が確定な感じですけど、そんなに都合よく膨らむものなんスか?

野島 もちろん普通のたい焼きでは無理ですよ。そこで昔はやった「白いたい焼き」の出番です。ブームは去ってもいまだに根強い人気があり、コンビニで普通に買えます。タピオカ粉が使われている生地は多少伸びるので、中身をブーストすれば、いい感じに膨れるはず!

助手 あのもっちり食感はタピオカが正体だったんスか! 早速作ってみてくださーい!

(1)混ぜる! 市販のプリンを用意し、スプーンで全体をグチャグチャに混ぜてカスタードクリーム状にする。プリンは濃厚な味のものほどよい。セブンの「きみだけのプリン」はオススメ

野島 まずは白いたい焼きに注入するカスタードクリームを用意します。しかしこれを一から作るのは非常に面倒。なので一緒にプリンを買ってきて、グチャグチャにかき混ぜればOK!

助手 出た! バカレシピの常套(じょうとう)手段、戻し作業!

野島 スプーンで混ぜるのは地味に労力がかかるのでいったん口に含み、口をすすぐ感覚でグチャグチャに混ぜてもいいですよ。

助手 古代人の酒造りかよ!

(2)入れる! 続いて注射器の中に(1)をセットする。今回用意した注射器は料理用だが、衛生的に問題がなければ別の用途のものでもOK。針が細い場合はその分(1)の段階でトロトロにしよう

(3)注射! 白いたい焼きの生地のつなぎ目には小さな隙間がある。その穴を見つけたらそこに注射針を刺して(1)を注入しよう。針の向きを変えながら注入することで均等に膨らませられる

野島 これを注射器に仕込んだらたい焼きの生地のつなぎ目を探し、そこから一気に注入しますよ。ブスッ! あああっ、超気持ちいい~!!

助手 野島さん、クリームがあふれる寸前ッス! っていうか、さすがにフグほどは膨らまなかったけど、かなりクリームを注入できたッスね!

(4)完成!「白いふぐ焼き」

(5)大洪水! 大量のクリームブーストで膨れ上がっているため、両手で抱え込むように持って一気にかぶりつこう。濃厚クリームが口の中で炸裂する新感覚を全力で味わおう。これは激ウマ!

野島 さあ、豪快にかぶりついて、クリームのスプラッシュを体感してみてください。

助手 ブハァァッ!! これ、水風船かよ!? 噛んだ瞬間に口の中でクリームがあふれすぎ!! クリームで溺れ死ぬかと思ったッス!! でも味はウマいし、これは贅沢(ぜいたく)すぎる体験かも......!?

野島 味もほのかにカラメルソースが混ざって激ウマですね! やっぱり注射は楽しいな。次は助手くんにもクリームを注射して膨らませよう!

助手 ふざけるんじゃない!

●野島慎一郎(のじま・しんいちろう) 
ライター、マンガ家、B級フード研究家。独創的な料理を続々と開発している。著書『世界一美味しい「どん二郎」の作り方』(宝島社)。YouTube『のじまちゃんねる』

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