芸人・俳優・彫刻家の片桐仁

芸人、俳優、そして彫刻家でもある片桐仁の創作活動20周年を記念した展覧会『粘土道20周年記念 片桐仁創作大百科展』が、11月20日から東京ドームシティの「Gallery AaMo」で開催中だ。19日に行われたオープニングセレモニーに片桐が出席し、「この広さで(展覧会を)やるのは初めてなので、僕に関するアート作品をすべて持ってきました。死んでもないのに回顧展みたいになってます(笑)」とコメントした。

展示されているのは〝何かに粘土を盛る″という作風「粘土道」で制作してきた粘土作品をはじめ、実家の壁から画びょうを抜いて持ってきた学生時代の絵画、雑誌の連載企画で描いてきたイラスト原画など、380点に及ぶ作品群だ。

本展のランドマーク作品「公園魔」。中に入って撮影も可能だ

そして本展の目玉は、677万円の資金をクラウドファンディングで募って制作された過去最大の粘土作品「公園魔」。生まれ育った埼玉県宮代町のタコ公園をモチーフにしたというこの作品に対して、「40年前から『タコ公園いいなあ』と思ってて。僕が作るなら"地獄"かなと(笑)」「舌先や階段部分のタイルが貼られている部分なら、座って写真撮影もできます!」と自ら作品の上に乗ってアピールした。

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展示会場の奥には、片桐が家族で制作しているYouTubeチャンネル「ギリちゃんねる」に出てくる自宅のリビングを再現したスペースも。「ちょっとずつ違うけど、すごく似ていると思います。うちの次男なんかそのソファで爆睡してましたから」と笑った。

ほぼすべての作品に本人のコメントも付されており「全部読もうと思うと2時間くらいかかると思いますが、30分くらいでサッと作品を見るだけでもいいと思います」。片桐自身が声を吹き込んだ音声ガイドの内容について聞くと「書いてあるものとほぼ同じなんですけど(笑)、途中から『変えなきゃ!』と思って違うことを言うようにしたので、違う情報もあるはずです!」と語った。

粘土で自作したiPhoneケースも各世代揃っている

イベント後、本誌の取材に応じた片桐に、次に作りたいものを伺ったところ「今回は3次元だったので、ちょっと立体の2.5次元くらいの壁画を子供と作りたいです!」と意欲を見せた。

本展は2020年春の会期が中止となった経緯があり、片桐は「コロナも落ち着いてきたので、予約なしで好きな時間に来ていただけます。会場で作品が作れるワークショップもあるので、モノづくりの楽しさを知るきっかけにもなればいいなと思います」とPRした。

『粘土道20周年記念 片桐仁創作大百科展』は東京ドームシティの「Gallery AaMo」で12月19日(日)まで開催される。

粘土作品を中心に、20年かけて作られた総展示数380点が並んでいる