LUNA SEAの河村隆一とタレントの青木さやかが9日、都内で行なわれた「アストラゼネカ肺がん啓発イベント-知ってもらいたい、肺がんのこと-」に登壇。肺がんに罹患した経験のあるふたりは、その際の不安を語るとともに早期発見の大切さを語った。

昨年のがん検診は前年比31%減、がん診療でも診断数は5つのがんで9.2%減少と、新型コロナウイルスの影響が明らかになった。こうしたコロナ禍の検診・診療控えを受け、肺がんの5年生存率を2025年までに2倍にする「ラングアンビションアライアンス」に参加するアストラゼネカは、肺がんの早期発見の重要性と正しい知識を啓蒙するため、今回のイベントを主催した。


イベントに登壇した河村は2018年に、初期の肺腺がんが発覚。特に歌手として「一番心配したのは、手術で肺活量がどれくらい落ちてしまうんだろうということ」だったほか、「家族やスタッフにどう伝えようかすごく悩みました」と明かした。

早期発見だったため、河村の手術は約半年後の19年1月に決行。担当医からは「手術はそれほど急がなくていい」と言われたものの、肺から「こぼれる(=移転する)と全身に転移する可能性も」あったため、スケジュールを整理して手術したそう。

その後も「わからないことだらけで、傷口がどれくらいでふさがるのかとか、いろんなことを質問しました」と不安を明かしたが、「トレーニングすれば肺活量が伸ばせる」という医師の言葉を信じ、「手術から1カ月後にライブを予定していて、ファンに会えることをイメージしながら毎日トレーニングしていました」と振り返った。


一方、青木は14年に肺腺がんを発見。先輩に誘われて初めて受けた人間ドック肺腺がんがきっかけだ。「何の症状もなく、咳すらもなかったので、すごく驚いた。命を脅かすものではないと言ってもらっても、その重さを感じました」と当時のことを回顧。

「人生で初めてのことがどんどん起きる。たとえば舞台に復帰できるのか、人前に立つこの仕事は難しいのか。お金はどうする、娘はどうすると、いろんなことが。景色がグレーに変わって見えました」

3年後の17年8月に1週間ほどの入院を経て手術を決行し、術後3日で退院したが「日常的にがんに関わってる先生に相談しながら乗り切れた。こういう先生がいると楽になるんだな」と振り返った。


そして、がんが発見されることを怖がって検診しない人に向けて「(がんが)初期でも怖いのはわかる」と共感しつつも、「私はまだ子供がちいさくて、できれば生きたいと思ったんですね。なので、そういう意味ではよかった。自分のためでなく、家族のために早期発見できた」と自身の経験を踏まえて、がん検診の必要性を語った。

また河村は「僕も毎年人間ドックで何も見つからない"健康優良児"でした。いくつになっても健康で生きていくと思ってた」と過去の考えを語り、「でも去年と今年は違う。今年大丈夫だったから安心というのはない。怖がっている方こそ年に1度受けてほしい」と訴えた。