フリーアナウンサーの宇垣美里が新著『今日もマンガを読んでいる』(文藝春秋)を刊行。19日に都内で行なわれた取材会では、愛するマンガについて熱く語った。

『今日もマンガを読んでいる』は『週刊文春』で連載中のコラム「宇垣総裁のマンガ党宣言!」をまとめたもの。宇垣が読んできた10作のマンガについてつづったコラムのほか、小説家・恩田陸との対談や、TBSアナウンサー時代に連載していたお手紙エッセイ「拝啓、貴方様」が収録されている。

「1日3、4冊は読んでいる」というマンガ好きの宇垣は、「漫画を読む時間のために生きていると思っているので、そっちが主で、その合間を縫って仕事をしている感じ」と笑顔。連載の候補に毎回5、6作品提案しており、『違国日記』(著:ヤマシタトモコ)や『今夜すきやきだよ』(著:谷口菜津子)は泣く泣く掲載を諦めたそう。

好きなマンガについて語る宇垣
幼少期からマンガは好きだったが「小説はいくらでも買ってもらえたんですけど、マンガはそうでもなかった」ため、「大人になってお給料をもらえようになってからは、その穴を埋めるように、節操なく、のべつまくなしに買っている」そう。

これまで500冊以上はマンガを読んできて、「数えるのをやめました。これまでいくら使ったか考えたくないので」と話したが、「ただ昔の名作は読んでいないので、今後はそこにも手を出していきたいなとは思ってます」と、深い"マンガ沼"にハマることを宣言した。

今年一番刺さったマンガを聞かれ、悩んだ末に今年完結した『大奥』(著:よしながふみ)を推薦
そして、マンガの魅力を聞かれると「マンガでは、登場人物が100%心を通い合わせることはなくて、ただ分かり合えない人同士が、どうやって心を尽くしたら分かり合えるか描かれていることが多い」と解説。

続けて、「そういった部分はすごく学びました。100%伝わらないし、わからないけど、伝わったらいいなって手を伸ばすのが人生かなと思います」と人生の教訓にしていることを明かした。

今回の新刊では1作目に『カードキャプターさくら』(著:CLAMP)を紹介。幼いころから読んできたため、"自己紹介代わり"に選んだ1冊だが、「大変なときに思い浮かべるのは、(主人公の)さくらちゃんが大変なときこそ言う『絶対、大丈夫だよ』ってセリフ。さくらちゃんが応援していると思うと、だいたいのことは頑張れる」と、座右の銘にしているそう。

イベントでは、「ヤマシタトモコ先生やよしながふみ先生に私を描いてほしい」と願望を明かした
また、「どこか心の機微を描かいている作品を好きになる」と話した宇垣だが、今作のラインナップには(基本的には)ギャグマンガである『銀魂』(著:空知英秋)も。

「高校生から読んでいるので、人生を共にした感覚」という宇垣は、「ギャグが好きで、自分の好むギャグセンスや言葉回しは、悔しながら『銀魂』から影響を受けている部分があって、そういった意味で最終巻で取り上げられてよかったです」と語った。