30代、40代、50代......。少しずつたるみ、衰えていく体に戦々恐々とする日々。そんな後ろ向きな毎日を打破するべく、日本一美しくて、ちょっぴりSな現役薬剤師・福井セリナが、あなたの体のお悩みに答えます! 記念すべき1回目のお悩みは「男性の尿漏れ」について。

【今週のお悩み】トイレでオシッコをするたびに、尿漏れして困っています。出し切ったつもりでズボンをはくと、パンツの中にチョロッと漏れてしまうのです。そのせいで、シミが目立ちやすいベージュのパンツをはいて外出することができなくなってしまいました......。これ、解決できますでしょうか?(36歳、フリー編集者)

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これは、年齢が上がることで下半身の筋力が下がってしまったのが主な原因と考えられます。筋肉量が下がると、血流量も下がります。膀胱(ぼうこう)は筋肉でできていて、尿のコントロールをする尿道括約筋もまた筋肉です。下半身の筋肉量が下がり、そして血流量が下がることで膀胱回りの筋肉に栄養がいかなくなり、痩せてくるんです。

血流の行き先には優先順位があり、基本的にはまず大きな筋肉へ血がいきやすくなります。内臓の栄養が足りなくなったりすると、末端である肌には血流がいかなくなり、そのために肌が荒れてきたりすることもあります。

そのようにして、年齢が上がってくると膀胱の筋力が弱くなって尿漏れするようになったり、重症になると尿の我慢が出来なくなってしまいます。つまり尿漏れの原因は「膀胱がマッチョか否か」という話なんです。

この方はまだ36歳とお若いですよね? おそらくコロナ禍等で出歩かなくなり下半身の筋肉が減ってきて、膀胱に血流がいかなくなった。その結果、膀胱の筋肉が緩んできたのではないでしょうか。

年を取ったらおしっこを出すのに長く時間がかかるのも、体のポンプが弱くなっているから。ポンプが弱いとホースから水が出てきませんよね? ポンプ=筋肉だと思えば間違いないです。

あとは、それ以外に考えられる理由として、女性と比べると男性の尿道って長くて曲がってるんですよ。女性の尿系の問題は、尿道が短いから起きるんです。男性の場合は逆に長くて曲がっていることで起きるっていうのがあって。

男性の尿道は、体から出ている外の部分しか意識されないかもしれませんけど、体の中ではこうやって曲がってるんです(上図参照)。膀胱の筋肉が弱まると、ポンプが弱くなって尿に勢いがなくなる。そうすると、この曲がったところに尿が溜まり、それが残尿となります。

物理的な解決策でいうと、タマタマと肛門の間を押してあげると、溜まった尿が出てきやすくなります。これは医学的な解決策として、膀胱を鍛えるのと同時にやったほうがいいですね。

あとは、座ってオシッコをするのもいいと思います。立ちションだと尿道が曲がるんですが、座ってすると尿道はまっすぐになります。そうすれば最後までしっかり出し切ることができると思います。

だけどやはり、尿漏れ解決には運動が第一選択ですね。子供のトイレトレーニングでもあるんですけど、膀胱を収縮させることで筋肉をつけることができます。

この状態で20秒キープ!

具体的なやり方でいうと、座った状態でおなかを引っ込め、肛門も締めます。この状態で足をV字にあげて20秒キープする、これを3セット。これをやるとお腹のあたりがすごく熱くなって来ると思います。その時点でもう、血流が回り始めてる証拠です。これはぜひやってほしいですね。

内臓系は意識しないと、どんどん衰えてきます。意識してしっかり鍛えて、これ以上被害が出ない体を作りましょう!

★今週の格言:膀胱はマッチョが一番♡

■福井セリナ(ふくい・せりな)
1994年5月23日生まれ、新潟県出身。
慶応大学薬学部を卒業。
現在は都内某所の薬局で現役の薬剤師として勤務中

【『福井セリナの「健康サディスティック♡」』は毎週月曜日更新!】