30代、40代、50代......。少しずつたるみ、衰えていく体に戦々恐々とする日々。そんな後ろ向きな毎日を打破するべく、日本一美しく、ちょっぴりSな現役薬剤師・福井セリナが、あなたの体のお悩みを解決します! 第5回のお悩みは「こむら返り」について。
【今週のお悩み】夜寝ているとき、ふくらはぎが突然つる「こむら返り」によくなります。ヒドいときは、一晩で2、3回つることも......。ただ座っているだけのときにつったこともありました。何か対策、ないですか?(44歳・会社員)
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実は、私の60代のお父さんもよくなるんです。深夜に突然「痛~い!」って叫んで、のたうち回りだして......。
わ~、かわいそうって思うけど、私からすると「自業自得です!」って思うところも大いにあるので(笑)、それも含めて解説していきますね。
こむら返りを含め、筋肉がつってしまう原因は主に3つあります。
①ミネラル不足
②血行不良
③水分不足
①のミネラルとは、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムなど、体の機能維持に欠かせない5大栄養素のひとつで、筋肉の収縮や弛緩にもかかわっています。このミネラルが不足したりバランスが崩れると、筋肉が変なタイミングでギュッと収縮して、つってしまったりするんです。年齢を重ねるとミネラルの吸収量が下がったり、食が細くなって十分に摂取できていない人も増えてきます。
②の血行不良になると、いくらミネラルがあってもそれが筋肉に十分に届かなくなってしまうので、こむら返りがとても起きやすくなります。冬場の冷えや、夏場のエアコンによる冷えも、血行不良を起こしやすくするので要注意!
③の水分不足は、ミネラル不足と血行不良を引き起こす大敵です! 水分が不足すると血流が悪くなり、ミネラルが筋肉に行き渡らなくなって足がつってしまう......という負のループに。睡眠時にはコップ1杯の水が失われていると言われていますから、こむら返りが起きやすいのも納得ですよね。飲酒後や運動時につりやすくなるのも、水分不足が一つの原因です。
私のお父さん、夜お酒を飲んで、おつまみに塩辛いものを食べて、水も飲まないで寝ちゃうんです。アルコールの代謝には水分やミネラルがものすごく使われるので、はっきり言って、これは地獄に自分から飛び込んでいるようなもの! 読者のみなさんにも心当たりのある人、多いんじゃないでしょうか。
ミネラルは体の中で作ることができない栄養素なので、普段から食べ物や飲み物で摂ることが大切です。代表的なのは煮干し、大豆、ナッツ類、ワカメなど。お酒を飲む人は、おつまみに取り入れてみては? あまり好きではない人はサプリで補っても良いでしょう。ビタミンだけでなく、しっかりと「ミネラル」の表記があるものを選んでくださいね♡
そして、基本はやっぱりこまめな水分補給です。お酒を飲むときは、同時にお水も飲むこと。こむら返り対策として水よりもおすすめしたいのは「ミネラル入り麦茶」です。これなら水分補給と同時にミネラルも摂取できますよ。
また、血行不良の改善にはストレッチを。血液の循環をよくして、筋肉をほぐしてくれます。
<イスを使ったストレッチ>
1.イスと向かい合って立ち、イスに片方の足のかかとをのせる
2.手でつま先を自分のほうに引っぱるようにして、脚の裏側を伸ばす
<横になっておこなうストレッチ>
1.仰向けになり、片方の膝の裏かふくらはぎあたりで両手を組む
2.組んだ両手を自分のほうに引き寄せるようにして、お尻~太ももの裏側を伸ばす
最後に、それでもこむら返りになってしまったときの、「とにかく今、ソッコーで治したい!」っていうときの方法をお教えします。それは漢方の「芍薬甘草湯」。薬局で売っています。その名のとおり、芍薬と甘草という成分が入っていて、収縮した筋肉をほぐす役割があるお薬で、即効性があることで知られています。よくつる人は、すぐ飲めるように枕元に置いておくくらいがいいかも。
これらの対策をしても繰り返してしまう人は、腎臓や甲状腺の病気が隠れていることもあるので、迷わず受診してくださいね。