元日に放送されたテレビ番組で一流料理人がファミリーマートの人気おむすび「直巻和風ツナマヨネーズ」を酷評し、ネットで炎上騒ぎに。ただ、これがきっかけで評判は広がり、放送から数日間は棚から消えるなど、新年早々いろんな面で話題となったコンビニおにぎり。

というわけで、その魅力をあらためて知るべく、週プレでは、スゴいコンビニおにぎりを決めてみよう! 選んでくれたのは、料理研究家・ジョーさん。氏、コンビニジャーナリスト・吉岡秀子氏、5ツ星お米マイスター・澁谷梨絵氏の3名。各方面のプロに聞いた9品をご紹介!

■定番だけどこだわりがスゴい!

まず、話題のツナマヨでは、「具たっぷり手巻 ツナマヨネーズ」(セブン-イレブン)に軍配が上がった。

「ご飯に合う濃厚マヨネーズをわざわざ開発した企業努力がスゴい! 1983年に業界初のツナマヨを開発・販売した同社のプライドを感じます。ツナの量も多く満足です」(吉岡氏)

セブン‐イレブン「具たっぷり手巻 ツナマヨネーズ」◎124円 濃厚でコク深い、セブン専用マヨネーズを使用。具材がたっぷりなのもうれしい

澁谷氏は、お米のプロの視点から「ごちむすび 大きな鮭はらみ」(ファミリーマート)を絶賛!

「最近のコンビニおにぎりはお米も本当においしい! 特に『ごちむすび』シリーズはご飯と具材のバランスがスゴい! お米の粒感がしっかり残り、ふっくらと炊けている。塩加減もちょうどよく、脂がのった大ぶりな鮭はらみによく合います」(澁谷氏)

ファミリーマート「ごちむすび 大きな鮭はらみ」◎198円 同社最大量の鮭はらみを使用。特製醤油だれを塗ってあぶることで、香ばしさもプラス

■必ず食べたくなる見た目がスゴい!

続いては、思わず惹(ひ)かれるスゴい見た目のおにぎり。具材を見せることでシズル感を演出しているのが「しらすおにぎり」(ローソン)。

「ただのまぜご飯にとどまらず、外側にもしらすが施されたビジュアルがスゴい! ご飯に満遍なく広がる醤油だしに、大量のしらすが引き出す磯の香りが相性抜群。目でも舌でも楽しめるのが今時のおにぎりです」(澁谷氏)

ローソン「しらすおにぎり」◎150円 茨城で獲れたしらすを新鮮なうちに生け締め。鮮度、うま味が閉じ込められている

「濃厚豚骨ラーメン御飯と半熟煮玉子おむすび」(セブン-イレブン)も、見た目だけで食欲をそそる。

「卵の断面がこちらを向いており、食べる前から『絶対おいしい』とわかるのがスゴい。豚骨スープが混ぜ込まれた炊き込みご飯はクセになる味わい。鼻を抜ける豚骨の香りに、半熟卵のとろとろ食感が合わさり、夢中で食べてしまいます」(ジョーさん。氏)

セブン‐イレブン「濃厚豚骨ラーメン御飯と半熟煮玉子おむすび」◎145円 豚骨スープを混ぜたご飯と味つけ煮卵の相性が抜群。間のマヨネーズがアクセントに

続いて、ボリューミーな見た目がスゴいのが、JR東日本の駅ナカコンビニ、NewDaysが誇る2021年に登場した「スゴおに」シリーズ。長年コンビニの取材を続ける吉岡氏も衝撃を語る。

「インパクト大の見た目といい、300円超の価格といい、チャレンジング。これはもう『弁当のワンハンド化』という新ジャンルの確立です。究極の手軽さと満足感は、急ぐ客が多い駅ナカコンビニグルメの真骨頂です」(吉岡氏)

なかでも高評価だったのが、「スゴおに のり弁にぎりました」(NewDays)。

「白身フライ、ちくわ天、ごぼうのきんぴらなどの具材を包んだ衝撃的なおにぎり。食べる場所によって違う具材の味を楽しむことができて、エンタメ性がスゴい! おかか入りご飯と、タルタルソースが全体のバランスを取っており、どこを食べてもおいしく感じます」(ジョーさん。氏)

NewDays「スゴおに のり弁にぎりました」◎310円 白身フライ、ちくわ天、唐揚げ、卵焼き、ごぼうのきんぴら、おかか入りの衝撃おにぎり

さらに、「サンドおむすび カレー風味唐揚げ」(NewDays)も、ボリューミーな見た目。

「はみ出る巨大なチキンのビジュアルがとにかくスゴい! でも、カレーの風味が食欲をそそるので最後まで飽きがこない。完食後は、カレーライスをひと皿食べたかのような満足感です」(ジョーさん。氏)

NewDays「サンドおむすび カレー風味唐揚げ」◎265円 スパイシーなカレー風味の大きな唐揚げを使用した、ボリューム満点なサンドおにぎり

■ぜいたくに使った具の高級感がスゴい!

最近は高級路線のおにぎりも数多く販売されている。2019年販売開始のローソン「金しゃり」シリーズがオススメだと吉岡氏は語る。

「国産米をブレンドし、粒立ちを意識して炊いているので、ご飯のおいしさが最大限に引き出されています。具材も個性的なので、ぜひ試してほしい」(吉岡氏)

特に、「金しゃりおにぎり いくら醤油漬」(ローソン)は、高級感が際立つ。

「想像を超える『イクラ感』がスゴい。イクラの風味と調和した醤油がご飯に染み込んでおり、実際の2倍量ほどのイクラを感じさせることに成功しています」(ジョーさん。氏)

ローソン「金しゃり おにぎり いくら醤油漬」◎198円 アラスカ・ロシア産のますイクラを使用。醤油のうま味がすっきりと上品な味つけ

■108円なのにスゴい!ミニストップのおにぎり

コスパに注目すると、ミニストップも外せない。

「税込108円の『いつものおにぎり』シリーズは、ミニストップの看板グルメ。リーズナブルさだけに頼らず、新商品をどんどん出しているので要注目です」(吉岡氏)

「ネギトロ(わさび入り)」(ミニストップ)には、感動の声が。

「この価格でネギトロをたっぷりと入れている企業の姿勢がスゴい。程よく粗めなのでしっかりマグロを感じます。わさびも効いて、ご飯によく合うんです」(澁谷氏)

ミニストップ「ネギトロ(わさび入り)」◎108円 108円とは思えぬネギトロの量。ちょうどいい辛さのわさび、そして、ご飯のバランスがいい

■ヘルシーとおいしいを両立していてスゴい!

最後は、ヘルシー志向の高まりで人気の雑穀米おにぎりから必食の商品を。

「国産もち麦入り枝豆と塩昆布おにぎり」(ローソン)はオススメ。

「塩昆布の程よい塩気とうま味、そしてごまの風味と香りも高く、絶妙なバランスが織り成す上品な味つけがスゴい。料理研究家として嫉妬するレベルのクオリティです」(ジョーさん。氏)

明日の昼食に、ぜひ!

ローソン「国産もち麦入り枝豆と塩昆布おにぎり」◎125円 食感がよく、ごろっとした枝豆とうま味たっぷりの塩昆布を混ぜ込んだ健康的なおにぎり

*店舗や地域によっては取り扱いのない商品もあります。価格は税込です(セブン‐イレブンの小数点以下の表記は切り捨て)

選んでくれたプロたちのプロフィール

●ジョーさん。

料理研究家。 "バズる"企画を得意とする料理研究家。Twitterフォロワー数は28.5万、instagramは7万。レシピ開発、執筆、調理、盛付、撮影を一人で行い、レシピ動画の撮影・編集も行うマルチな料理家。
『めんどうなことしないうまさ極みレシピ 激烈美味しいストレスなし103品』(KADOKAWA)発売中。

●吉岡秀子
コンビニジャーナリスト、千葉明徳短期大学非常勤講師。20年以上にわたりコンビニ業界の取材を続け、ビジネスや暮らしに役立つ情報を各メディアで発信中。近年は、社会人セミナーや教育機関の授業を通してコンビニと社会の関わりを考察する活動にも注力。過去のヒット商品の開発秘話をまとめた『コンビニおいしい進化史』(平凡社)など著書多数。

●澁谷梨絵

5ツ星お米マイスター。日本で唯一、穀物の6大プロフェッショナル資格を持つ女性米屋。
全国200ヵ所以上の田んぼに通い詰め、探し出した米や雑穀を百貨店で販売。
ご飯とおかずを同時に作る、炊飯器レシピを得意とする。「あさイチ」(NHK) ・「王様のブランチ」(TBS)などTV出演多数。『炊飯器で一発定食』(学研プラス)発売中。公式HPhttps://s-d-m.jp/talents/shibuya-rie/】