30代、40代、50代......。少しずつたるみ、衰えていく体に戦々恐々とする日々。そんな後ろ向きな毎日を打破するべく、日本一美しく、ちょっぴりSな現役薬剤師・福井セリナが、あなたの体のお悩みを解決します! 第10回のお悩みは「花粉症」です。

【今週のお悩み】毎年、花粉に悩まされているのですが、今年もまたあの季節がやってきたと思うと憂鬱です......。鼻や目の痒みや鼻づまりで頭がボーッとして、仕事に集中できないほどなんです。今年こそはなんとかしたい! 何かいい対策はありますか?(39歳・会社員)

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花粉症、症状が強く出るとツラいですよね。今年、2022年春は2月上旬から九州で飛散が始まっていて、中国・四国地方、関東では2月中旬までに、大阪や名古屋、東北地方などでは2月下旬以降にスギ花粉の飛散が始まると予測されています。

皆さん、戦いの準備を!(笑)それでは毎年症状が出ている人のために、今のうちにできる対策を教えますね♡

花粉症は、身体を守ってくれている免疫機能の"誤作動"によるもの。花粉そのものに何か毒があるわけではなく、免疫が「敵(有害物質)が入ってきた、大変だ~!」って勘違いしてしまうことにより起きる症状なんです。だから大切なのはその誤作動を薬で抑えること。

第1の選択は「病院を受診して薬をもらうこと」です。

病院では抗アレルギー薬のほかに、それぞれの症状に効く他の薬も一緒にもらうことができます。市販薬ですべて揃えようとすると、お値段が高くついてしまいますよね。

「忙しくて病院はムリ!」という人は、ドラッグストアなどで市販薬を買いましょう。「フェキソフェナジン」という薬は、アレルギーの発症にかかわる「ヒスタミン」という物質のはたらきを抑えてくれます。これは眠くなることがある薬なのですが、その副作用をおさえる工夫がされている製品もあるので、薬剤師さんに聞いてみてくださいね。

花粉症の抗アレルギー薬は「いつから飲むの?」とよく聞かれますが、本格的に花粉が飛び始める前から飲み始めることで、より症状を抑えることができると言われています。そう、とにかく「早めの治療」が大事!

鼻水・鼻づまりの症状が特にヒドくて困っているという人は、血管収縮成分の入った点鼻薬がおすすめです。病院でももらえますし、ドラッグストアにも売っています。鼻づまりがすぐに取れるので、大事なお仕事やデートの前にシュッとひと噴き。「1日6回まで」など最大の回数が決められていること多いので、しっかりと守るように! 使いすぎると身体が慣れてきて、効果が薄くなってきてしまいます。

薬以外の物理的な対策も紹介しますね。

●メガネ、マスク、帽子、マフラー(ストール)をする
目や鼻、口から花粉が入ることを防ぎます。さらに花粉が肌や髪に付着することを防ぐため、マフラーやストール、帽子で完全ガード!

●ウール素材の服を避ける
ウール素材は花粉が付着しやすいので、ナイロンなどシャカシャカ素材の上着を着るといいですよ。

●洗濯物を外干ししない
服に花粉がたくさん付着してしまい、洗濯物ごと花粉を家に取り込むことになってしまいます。想像しただけでも恐ろしい......(笑)。

●帰宅したらシャワーを浴びる
面倒かもしれませんが、外で付着した花粉を落とすにはこれが一番! 着ていたコートは外で花粉を払ってから室内に入りましょう。

「対処療法ではなく、しっかり治したい!」「毎年、花粉に怯えたくない!」という人は、花粉症の根本治療を検討してもいいかもしれません。「舌下免疫療法」といって、スギ花粉の成分を少しずつ身体に入れて、徐々に体に慣らしていく方法で、ほとんんどの人が治癒するか、症状が軽くなると言われています。

保険適用で受けられますが、花粉の時期以外も続けなくてはならず、数年かかるので、ちょっと根気が必要です。治療費は病院によって違い、実施している病院も限られてくるので、気になる人は調べてみてくださいね。

ちなみに「ヨーグルトやお茶、アロマが花粉症に効果あり!」なんていう情報が巷に溢れていますが、残念ながらどれも科学的に検証されたものではなく、基本的には期待できません。たしかにヨーグルトで腸内環境が良くなると、免疫力が上がると言われていますが、これはたとえ効果があったとしても、1年以上続けてやっと体質が改善していくようなイメージ。

「今年の花粉症の症状をやわらげたいんだ!」という人にはもちろん向かないので、まずはお医者さんや、ドラッグストアの薬剤師さんに相談してみてください。

今週の教訓:花粉が本格的に飛び始める前に、抗アレルギー薬を! 早めの準備が肝心♡

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