30代、40代、50代......。少しずつたるみ、衰えていく体に戦々恐々とする日々。そんな後ろ向きな毎日を打破するべく、日本一美しく、ちょっぴりSな現役薬剤師・福井セリナが、あなたの体のお悩みを解決します! 第11回は「頻繁にむせてしまう」というお悩み。

【今週のお悩み】近頃、よくむせるんです。食事中や飲み物を飲んでいるときに、一度咳き込むとなかなか止まらなくって、このご時世なので周囲の視線が痛いです......。たまに自分の唾液でむせることもあって、何かの病気なんじゃないかと不安です(45歳・会社員)

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食事中に苦しそうに咳き込むおじさま、たびたび見かけます(泣)。具合が悪いわけではないので放置してしまっている人も少なくないかもしれませんが、じつは結構怖い症状でもあるんです。

日本人の死因6位に「誤嚥(ごえん)性肺炎」があるのですが、これはまさに今回の相談者さんの「むせ」、つまり食べたものや唾液が気管に入ってしまう「誤嚥」が原因。誤嚥したものが肺にいってしまい、炎症を起こす病気のことなんです。

でも大丈夫、対策はちゃんとあります! この記事では"むせ対策"のストレッチも紹介するので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね♡

まず、むせやすくなる原因から解説します。

これは単純に「飲み込む力(えん下機能)」が弱っているってことなんです。では、なぜ飲み込む力が弱ってしまうのでしょうか? 主に2つの原因があります。

①喉の筋肉の衰え
②ストレートネック

①「喉の筋肉の衰え」について。じつは"飲み込む"という動作は、喉まわりのさまざまな筋肉が関わっていて、それぞれ複雑に組み合わさった動きをしています。40代、50代と歳を重ねるとともにこの筋肉が落ちていき、「ゴックン」と飲み込む力も衰えていきます。

②「ストレートネック」は、聞いたことがある人も多いのでは? 別名"スマホ首"とも呼ばれますが、本来ゆるやかなカーブを描いているはずの首の骨がまっすぐになってしまう状態のこと。スマホやパソコンを見る時、アゴが前に出た姿勢を長時間とってしまうことで、首のカーブが崩れてまっすぐになってしまうんです。それがなぜ、むせに繋がるかというと......。

ものを飲み込むときは、それが気管に行かないようにフタのようなものが閉まる構造になっているのですが、ストレートネックになると使う筋肉が制限されて、気管のフタもうまく働かなくなってしまうんです。若い人でむせやすい人はこっちのパターンでしょう。

ここからは、むせ対策のストレッチを2つ紹介します。

<のどマッチョ体操>

1.両手の親指を立てて、アゴにあてる

2.アゴと親指で、それぞれ押し合う

アゴと親指でお相撲するイメージ! 首のあたりに効いている感じがしたらOKです。

<ストレートネック改善ストレッチ>

1.人差し指と中指を立てて、首の後ろに当てる

2.アゴをひき、指で首を前に押しながら首は後ろに引く

こちらもお相撲するイメージです。ちなみに、ストレートネックには専用の枕もおすすめですよ。

最後に、咳や痰が頻繁に出てなかなか治らなかったり発熱がある場合は、誤嚥性肺炎を起こしてしまっている可能性があります。今の時期は新型コロナとも間違えやすいのですが、放置するととても危険! 病院できちんと検査してもらいましょうね。

今週の教訓:むせる症状は飲み込む力が衰えているサイン! ストレッチで"のどマッチョさん"になって♡

【『福井セリナの「健康サディスティック♡」』は毎週月曜日更新!】