つい最近まで、生クリームたっぷり菓子がブームだったけど、昨年頃からあんバターやバターアイスなどの商品をよく見かけるように。今、広がっているバター菓子の世界を調査してみた!
■バターブームを振り返って、今
最近、コンビニの棚やカフェ、パン屋など至る所でバターを前面に押し出したお菓子やスイーツが目立つ。
この流れを、過去のバター菓子ブームを踏まえて分析してくれたのは、累計9万個以上のお菓子を食べたお菓子勉強家の松林千宏氏。
「2007年頃から広がったバター不足により、バターに希少感、高級感というイメージが生まれました。その流れで、09年にフランス産高級バター"エシレ"の専門店が東京・丸の内にオープン。バタースイーツの新たな立ち位置が確立されました。
もうひとつの追い風は、糖質制限ダイエットの流行。肉や油は食べてもOKという考えが広まって、バターに対するとらえられ方も変貌。15年のいちごバター、17年のプレスバターサンドなどのブームを経て、現在、流行している要因はバターの脂肪分を逆手に取った"背徳感"というキーワードです。
コロナで我慢の日々に、せめて、おうち時間だけでも心の解放をとバター&ニンニクたっぷりのマヌルパンや脂肪×糖分のあんバターなどに注目が集まっていると考えられます」
■ノスタルジックスイーツの流行
ほかの切り口からバター菓子ブームを語ってくれたのは、1万種類以上ものスイーツを食べ歩いてきたスイーツ芸人のスイーツなかの氏。
「スイーツのトレンドから考察すると、ここ数年は喫茶店で親しまれていた"クリームソーダ"や"かためプリン"などのレトロスイーツが人気。SNSでの投稿も増え、レトロブームの流れから"バターケーキ"や"レーズンバターサンド"などのノスタルジックなバター菓子にも再び注目が集まっています」
では、今食べるべきオススメのバタースイーツを教えてください。
「バターケーキだと、東京・田園調布に店舗のある、SAVEUR(サヴール)の"クレーム・オ・ブール"。コクがしっかりとありながら、甘さにしつこさがなく、バターケーキに重たいイメージがある人にこそ食べてほしい逸品。もちろん通販対応可能です。
兵庫にあるSweets&Booksキノシタの"レーズンバターサンド"もオススメ。小ぶりで厚みのあるクッキー生地とコクのあるバタークリームとのバランスがとてもいい。自家製の大粒ラムレーズンもたまりません。こちらはネット通販にも対応しています」
■コンビニの棚もスゴいことに
こうした流れを受けて、コンビニの棚でもバタースイーツが広がりを見せている。語ってくれたのは、コンビニグルメに詳しいライターの中川哲司氏。
「勢いがあるのは、昨年の発売から半年で累計2000万食を販売したという、ファミリーマートの"バタービスケットサンド"。最新作のダブルショコラは、バターとチーズの入ったしっかりめのクリームにチョコチップが合わさって、食感がさらに面白くなりました。
目新しさでいうと、2月からローソンで販売開始された"飲むバター&ミルク"。見た目は白くて牛乳のようなのですが、甘さとバターの香りが漂います。温めて飲んでもよさそうです」
続いて、お菓子やアイス棚の動向を語ってくれたのは、前出の松林氏。
「トレンドは大きく分けてふたつ。ひとつ目は、バターそのまんま感を押し出した商品。"バター焼いちゃった?"は袋を開けた瞬間、バターの香りが広がります。ホロっと崩れるクッキーのような焼き菓子です。アイスでは、昨年話題となった"かじるバターアイス"が"かじるあまおう苺バターアイス"として再登場。濃厚なうま味とイチゴの酸味がうまくマッチしています。
もうひとつの流れは、有名お菓子の"バター味"の広がり。直近だと3月8日に、"クランキーのじゅわっと発酵バター"が発売されました。かなり濃厚味で、パッケージにもしっかり"背徳感を丸かじり"とうたわれています。
そのほか、ブラックサンダーやビスコ、トッポなどもバター味を売り出していて、勢いを感じずにはいられません」
いざ、心のリミッターを外して、濃厚ブームに乗っかってみよう!
*価格は税込みの参考価格です。コンビニ商品は店舗により取り扱いのない場合もあります。配信時点で販売が終了している可能性もあります。