30代、40代、50代......。少しずつたるみ、衰えていく体に戦々恐々とする日々。そんな後ろ向きな毎日を打破するべく、日本一美しく、ちょっぴりSな現役薬剤師・福井セリナが、あなたの体のお悩みを解決します! 第26回のお悩みは「尿酸値が高い」です。

【今週のお悩み】健康診断で「尿酸値が高いですね」と言われてしまいました。「生活習慣を改善するように」と言われたけど、お酒はどうしてもやめたくない...! どうしたらいいですか?(会社員・40歳)

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「要精密検査」や「要治療」と診断された場合にはすみやかに受診をして、医師の指示に従うこと! 今回は健康診断で生活習慣を改めるように言われたとのことなので、すぐに治療が必要なレベルではないという前提でお話していきます。

尿酸値が高いと聞いて「ビールとか魚卵がダメなんでしょ? 我慢できるわけないよ、ムリムリ!」と、ページをそっと閉じようとした方、いませんか?(笑) もう少し待ってください。じつは近年研究が進んで、その常識が変わってきているんです!

尿酸は「プリン体」から作られることを知っている人は多いと思いますが、このプリン体って、じつは、約8割は体内で作られているんです。つまり、食品からとりこまれるプリン体はたったの2割ほど。なので、食事を制限するよりも、体内で作られるプリン体を少なくしたり、排泄機能を維持するほうが大切だとわかってきています。

極端に大量のビールを飲んでいるなら、もちろんほどほどにしたほうがよいですが、そこまで飲んでいない人がわざわざ"ビール断ち"する必要はないのです。むしろそれがストレスになって基礎代謝が落ちることで、かえって尿酸値が高まってしまうなんてことも? それを知って、私も絶対ビールはやめないという決意を新たにしました(笑)。

では、尿酸値が上昇する一番の原因は何なのか? それはコレステロール値が高かったり、内臓脂肪がたくさんついている状態、つまりは「メタボリック・シンドローム」!

メタボになると内臓脂肪のせいで、血糖値を下げる役割をもつ「インスリン」の効きが悪くなり、肝臓に「脂肪酸」がたくさん作られてしまいます。すると厄介なことに、同時にプリン体も作られてしまうんです。

さらに、インスリンの効きが悪いので身体が血糖値を上げないよう、腎臓の尿細管から水分などを再吸収しようとするのですが、そのときに尿として排出するはずだったプリン体も一緒に再吸収し、血糖値を爆上げしてしまうのです。まさに、メタボから始まる"負の尿酸値ループ"! 恐ろしい......。

ヨガをするのも、メタボ解消には効果的です! ヨガをするのも、メタボ解消には効果的です!

つまり、毎日大量に飲酒していたり、お肉や魚卵をたくさん食べている人であれば食事の改善が必要ですが、そこまで極端でない人は、まず体重を落とすこと。太っている人がどのくらい体重を落とせば尿酸値が下がるかは、すでに研究で「体重の3%」とわかっています。しかもこれ、1年かけていいんです。つまり今100キロの人は、1年かけて3キロ落とす。あれ、なんだか意外とゆるくないですか?(笑) できそうな気がしてきますよね。

短時間に激しい運動をするとエネルギー代謝の過程でかえってプリン体が作られ、むしろ尿酸値を上げてしまうと言われています。だから、いきなり痩せようとして身体を追い込まずに、日々の早歩きや水泳、自重トレーニングなど、ゆるやかな運動を継続しておこないましょう。

最後に私がオススメする、ゆる~いストレッチを2つ紹介しますね。以前にも紹介しましたが、メタボ対策にとても有効なものなので、改めてやってみてください。

<ストレッチ①腰回し>

1.イスに座る

2.左右順番に、背もたれを両手でタッチする。その際、上体をしっかりと後ろに向け、お腹をしっかりひねることを意識しましょう!

<ストレッチ②足上げ>

1.イスに座り、両手を腰にあてる

2.片足をまっすぐ上げて(できれば地面と平行に)、左右それぞれ10秒ほどキープする

デスクワークの合間の数分でできちゃうので、ぜひ試してみてくださいね♡

今週の教訓:尿酸値爆上げの無限ループから脱出すべし! 日々のゆるい運動が一番の近道です♡

■福井セリナ(ふくい・せりな)
1994年5月23日生まれ、新潟県出身。
慶応大学薬学部を卒業。
現在は都内某所の薬局で現役の薬剤師として勤務中

【『福井セリナの「健康サディスティック♡」』は毎週月曜日更新!】