スーパーで立派な赤パプリカを発見! これはグヤーシュを作るしかない! スーパーで立派な赤パプリカを発見! これはグヤーシュを作るしかない!

サッカー好きならご存知「UEFAネーションズリーグ」でイングランドに快勝したことで注目のハンガリーですが、今回の「旅人でも簡単に作れるおうちで世界飯」第36回はハンガリーの伝統料理「グヤーシュ」に挑戦です!

首都ブダペストのドナウ川にかかるセーチェーニ鎖橋の景色 首都ブダペストのドナウ川にかかるセーチェーニ鎖橋の景色

ハンガリーはオーストリア、スロバキア、ウクライナなど複数の国に囲まれた内陸国。海がないため肉中心の食生活で、特に有名なのはフォアグラです。

フォアグラ生産量が世界一なので、価格もリーズナブル(当時1500円程度。現在1800円程度)。もちろん私も迷うことなくいただきましたが、結構な量だったので、幸せな気持ちと同時にカロリーがちょっと心配。

ハンガリー名物のフォアグラがこの量で約1500~1800円で食べられます! ハンガリー名物のフォアグラがこの量で約1500~1800円で食べられます!

他にもハンガリー料理といえば立派なソーセージ類や、パプリカの肉詰め、そしてザワークラウト(キャベツの酢漬け)を使ったハンガリー版ロールキャベツ「トルトットカーポスタ」などがありますが、トルトットカーポスタは前回紹介したルーマニア料理「サルマーレ」にそっくり。てゆうか同じ。隣国なだけあって食文化が似ています。

クリスマスマーケットに並ぶトルトットカーポスタ クリスマスマーケットに並ぶトルトットカーポスタ

そしてやっぱり一番有名なものと言ったらグヤーシュでしょう。グヤーシュはパプリカの風味が特徴的な東欧のシチュー。ほっこり温かい「ハンガリーのおふくろの味」です。

クリスマスマーケットなどにも並ぶ料理なのでちょっと季節外れかとも思いましたが、日本ではパプリカの旬は6~9月。今が安くてフレッシュなものが出回る時期。まさに食べ頃です。

ハンガリー伝統料理レストラン「メンザ」のグヤーシュ ハンガリー伝統料理レストラン「メンザ」のグヤーシュ

ハンガリーのクリスマスマーケットで売られていたグヤーシュ ハンガリーのクリスマスマーケットで売られていたグヤーシュ

実はハンガリーはパプリカ大国。世界的にも通用する「パプリカ」という名称は、ピーマンや唐辛子全般を意味するハンガリー語が由来だそうです。

またハンガリーで最もよく使われる調味料はパプリカパウダーで、ハンガリー料理と名の付くものにはほとんどに入っているんだって! 私は日頃から「パプリカパウダーって何に使うんだろう?」と疑問に思ってきましたが、この事実を知り使い道が広がったように思います。

パプリカ大国ハンガリーのクリスマスマーケットはパプリカでいっぱい! パプリカ大国ハンガリーのクリスマスマーケットはパプリカでいっぱい!

私が首都のブダペストを訪れたのは2015年の冬(人生2度目のハンガリー)でした。東欧のパリとも呼ばれる街並みはどこを見ても美しく、素敵な歴史的建築に囲まれています。

ゴシック・リヴァイヴァル建築の国会議事堂や、世界遺産のブダ城から見下ろすドナウ川とセーチェーニ鎖橋の景色、マクドナルドさえもが「世界一美しいマクドナルド」と言われるほど見応えありで、とても印象的でした。

街歩きは楽しいものでしたが、極寒のハンガリーで冷えた体を癒してくれたのは、やっぱり食でした。パプリカの風味が香るハンガリーのグヤーシュ、それではさっそく作りたいと思います。レッツクック!

ブダペスト西駅の駅舎にあるマクドナルドは「世界一美しいマクドナルド」 ブダペスト西駅の駅舎にあるマクドナルドは「世界一美しいマクドナルド」

1870年代にエッフェル塔の設計者が手掛けた建造物なんだとか! 1870年代にエッフェル塔の設計者が手掛けた建造物なんだとか!

1904年完成の国会議事堂。ハンガリー国内最大の建築物であり、ヨーロッパで2番目、世界で3番目に大きい 1904年完成の国会議事堂。ハンガリー国内最大の建築物であり、ヨーロッパで2番目、世界で3番目に大きい

<材料> 2~3人分

 ・牛肉(シチュー用、細切れなど)...180g

 ・赤パプリカ...1個

 ・セロリ...50g程

 ・玉ねぎ...1/2個

 ・ニンニク...1片

 ・にんじん...1本

 ・じゃがいも...1個

 ・トマト...1個

 ・水...500ml

 ・パプリカパウダー...大さじ1

 ・塩...小さじ1

 ・胡椒...適量

材料:野菜類(赤パプリカ、セロリ、玉ねぎ、ニンニク、にんじん、じゃがいも、トマト)、牛肉、水、パプリカパウダー、塩、胡椒 材料:野菜類(赤パプリカ、セロリ、玉ねぎ、ニンニク、にんじん、じゃがいも、トマト)、牛肉、水、パプリカパウダー、塩、胡椒
<調理>

1.赤パプリカ、セロリ、玉ねぎ、ニンニクをみじん切り、トマト、じゃがいも、にんじんは一口サイズに切っておく。肉は塩胡椒(分量外)しておく。

2.鍋に油を引き、ニンニク、玉ねぎ、セロリ、赤パプリカの順に炒めていく。

3.肉を加え炒めたら、パプリカパウダーを加え手早く全体と混ぜる。(パプリカパウダーは焦げやすいので注意)

4.トマトを加え、水を追加し煮立たせたら、弱火で45分程度煮込む。

5.にんじん、じゃがいもを加えさらに15分煮込んだら、塩胡椒で味を整えて出来上がり。

★YouTubeで実際の料理シーンも見てみてね!

<実食>

元気が出そうなパプリカ色に染まった温かいシチューができあがりました。フレッシュなパセリを飾りたいところですが、なかったのでミックスハーブをパラパラと。ちなみに牛肉はシチュー用を使うレシピが定番ですが、今回私は細切れを使用しました。

グヤーシュできあがり! ミックスハーブを散らしてみました グヤーシュできあがり! ミックスハーブを散らしてみました

さっそく一口すすると、野菜の旨味がいっぱい詰まったスープと牛肉の旨味が体にじんわりと染み込んでいくのがわかります。パプリカやパプリカパウダーって色の割には辛いわけでも濃いわけでもなく味の表現が難しいんですが、

「甘酸っぱいような、ほろ苦いような味?」

と言ったら良いでしょうか。そんな控えめキャラですが、鉄分、カリウム、βカロテン、ビタミンA、B群、C、Eなどの栄養素が豊富で、ピーマンよりも栄養価が高く免疫力アップ、美肌効果、老化防止に効果的!

グヤーシュは冬っぽいイメージの料理ですが、パプリカは夏が旬の野菜。ぜひこれからの季節に、パプリカやパプリカパウダーを使った料理を楽しんでみてください。

●旅人マリーシャ(旅人まりーしゃ)
平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴12年、125ヵ国訪問。地球5周分くらいの旅。2014年より『旅人マリーシャの世界一周紀行』を連載。Twitter【marysha98】 Instagram【marysha9898】 YouTubehttps://www.youtube.com/channel/UCe2ihHJ1MXHEZgpdmglzWew

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